Bad Feeling
東京都町田市出身のラッパーであり、トラックメーカーでもあるぜったくん。
新人オーディション「ニューカマー発見伝」で優勝するなど、期待大の歌手です。
2020年3月にリリースされた「Bad Feeling」。
周りの人と比べ、自分の虚しさに気がついていく歌詞が特徴的です。
なかなか表現しづらい気持ちを見事に歌詞として成り立たせていて、共感してしまう部分が多くあります。
それではこの曲の歌詞について解説していきたいと思います。
まるでニート
何もしない1日
All day All night...
あれもこれもない
それもどれもない
出典: Bad Feeling/作詞:ぜったくん 作曲:ぜったくん
Aメロからいきなり、何もしないニートのような生活を繰り返していることがわかります。
歌詞の1行目からも毎日毎晩ということが伝わってきます。
ずっと何もしない状態が続いているのです。
2行目と3行目から、本当に「何もない」ということが伝わってきます。
「あれこれそれどれ」という言葉はだいたいのものを指し示すことができます。
しかしその全てがないのです。
この表現から、本当に自分には何もないということが伝わってきます。
今の自分に気がつく
おれしかできないことがこの世になにもない
ってな気がしてきた sunday midnight
あれ?金払って買ったゲームすらもやってない
出典: Bad Feeling/作詞:ぜったくん 作曲:ぜったくん
歌詞の1行目の一文はとても衝撃的でありながら共感できる歌詞なのではないでしょうか。
自分の力を生かせる場所がどこにもない、自分だからこそできることが何もない。
そんなことに気がついてしまったのです。
これを考え始めたのは日曜日の真夜中。
日曜日の夜というと、働いている方は次の日からまた仕事が始まります。
少しネガティブな気持ちになることも多いのではないでしょうか。
しかし、主人公は仕事がないため、次の日から仕事が始まるという気持ちになりません。
その代わり働く人とは違う、自分の居場所についてネガティブな考えを思い浮かんでいたのです。
そして最後の行の「あれ?」という言葉。
この言葉によって、自分が気がついていなかったことに気がついた表現がより伝わってきます。
今まで何も思っていなかったのに、ふと気づいてしまったのです。
そして自分が買ったゲームもプレイしていないことに気がつきます。
「欲しい」と思って買ったものなのに、それすら行っていない。
自分が本当に何もしていないということの描写が、この一文によってよりリアルに表現されているのです。
自分を正当化
できるあいつと比べてる
生きてる生きしてるだけで儲けもん
なんて考えてメンソ 5mm 灰皿に逃避行
午後6時半に改札でばったりの
スーツ姿あいつなんか目が死んでた
出典: Bad Feeling/作詞:ぜったくん 作曲:ぜったくん
1行目から「生きているだけで十分」と考えていることが伝わってきます。
そう思いながらタバコを吸う主人公。
タバコを吸うことで、気持ちが落ち着くのでしょう。
自分が何もしていないことに対する焦りを、タバコで忘れようとしているのです。
歌詞の2行目からも、現実逃避をしていることが伝わってくるのではないでしょうか。
そして、偶然出会った「あいつ」。
夕方にスーツを着ていたということもあり、仕事帰りということがわかります。
歌詞の最後には「目が死んでた」と言っています。
会社で働くことは精神的にも苦しいもの。
仕事帰りの満員電車の中のサラリーマンの目は明るいものではありません。
きっと「あいつ」も疲れた表情をしていたのです。
それを見て主人公はどう思ったのか。
自分との格差を感じたでしょう。
辛い思いをして働くことが果たして良いことなのかという気持ち。
それと同時に、自分が何もしていないことで劣等感を感じているはずです。
その劣等感を感じながらも、強がっているということが伝わってくるのではないでしょうか。
自分の虚しさが浮き彫りに
コールオブデューティーやシージの途中に
あまりの虚しさがすぎて涙流す日
今日の降水確率はヤフーならば 100パー
これから降り出す雨がすべて流すさ
出典: Bad Feeling/作詞:ぜったくん 作曲:ぜったくん