「Distance」の悲しい世界観

【Distance/JUJU】歌詞の意味を解釈!ふたりの関係って?今はそばにいてくれるだけでいい…の画像

2013年9月18日にJUJUがリリースした「Distance」は、既婚女性の禁断の愛を描いた作品。

アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」のエンディングテーマにも起用されました。

結ばれないと分かっているのに溢れ出てしまう愛情を綴ったこの楽曲は、その胸の痛みを鮮明に表現しています。

まさに大人の失恋ソング

恋愛系のバラード曲の女王ともいえるJUJUの歌声と、歌詞で描かれる叶わぬ恋の切なさ。

この2つの組み合わせは涙を誘う演出を生み出しています。

今回はこの楽曲MVに込められた禁断の愛の世界観と、歌詞に込められた世界感。

それぞれをご紹介していくので、この楽曲を味わっていただけたらと思います。

楽曲の悲しい世界観を表現したMV

YouTubeに公開されているMVは、映画製作で知られている源孝志氏が監督を務めています。

そして惹かれ合う2人を演じるのは木村多江と新井浩文。

楽曲の世界感を表現した映像を、ぜひご覧ください。

2人の切ない関係性

女性がおもむろに指輪を外すシーンからMVはスタートしました。

そして、指輪ごしに月の満ち欠けの話を始め、月に込められた「名残惜しさ」という意味を語ります。

それはまるで2人の仲に感じる「結ばれないと分かっている虚しさ」を表現しているかのよう。

指輪の外れた手を握る男性。

前奏が流れ出すとともに女性側からゆっくりと手を離してしまいます…。

気持ちを受け入れつつも「叶わない」と割り切っている女性。

真っすぐに愛を表現しようとする男性。

楽曲内で繰り広げられる2人の悲しい物語が想像できる始まり方ですね。

結ばれない恋の行方

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2人の出会いは料理人である男性へ女性が仕事で取材したことがきっかけのよう。

家へ帰って仕事を進めながらも、男性のことを思い出してしまう女性。

そして男性も女性を気にしている様子です。

2人で月を見るために天体観測をしたり、一緒に過ごす時間が多くなり、次第に2人の距離は縮まりました…。

とてもロマンチックなのですが、見れば見るほど悲しい気持ちがこみあげてしまいますね。

どんなに愛し合ってもそこには越えられない壁がある印象を受けます。

おそらく既婚者なのは女性側だけ。

女性は男性からのアプローチに複雑な表情を浮かべ、一人泣きじゃくる場面すらあります。

そして最後、女性は辛い気持ちを一切顔に出さず、男性の前を立ち去りました。

男性の辛そうな様子に胸が痛んだことでしょう。

どんなに想い合っても許されないことだからと、必死に自制する大人の振る舞いがうかがえるMVでした。

それでは次は、痛烈な心情を表現した歌詞を見ていきましょう。

将来を約束できない2人

ロマンチックなシチュエーション

少しづつ色を変える空を 二人眺めてた
未来(あす)の約束もないまま 繋いだ手握り返した

出典: Distance/作詞:高木洋一郎 作曲:高木洋一郎

MVでは夜空を一緒に眺めていましたね。

この歌詞の「色を変える」というのは、日が落ちることによって変わる空の色のこと。

一緒に夕日を眺めていたのでしょう。

とてもロマンチックですね。

そして、結ばれない関係だとわかっていながらも惹かれ合っている二人。

手を繋いでしまえばどんどん苦しくなることが分かっているはずです。

それでも無意識に引き寄せ合ってしまうのですね。

分かっているのに愛してしまう

終りにしたほうがいいって 頭でわかっても
心が言うことをきかなくて あなたをなくしたら
明日(あした)に何を思えばいい? 教えてよ

出典: Distance/作詞:高木洋一郎 作曲:高木洋一郎

ここでも、主人公は悲しい恋を終わらせた方が楽だと認識しています。

でも、すでに2人の間では愛が芽生えてしまったようです。

一度育った愛を断ち切るのは、とてつもない苦痛でしょう。

もう主人公は「あなた」なしでは成り立たないほど、心のよりどころにしてしまっているのです。

それでも確証のない未来は容赦なく不安を煽ります。

どれを選択しても苦痛を伴う状況ですね。

愛を求めるほどに苦痛を感じる