ビヨンセ【Run the World】歌詞を和訳して解釈！地球を回してるのは誰？ビヨンセが先導する！

「ボーイ この曲に触れようとすら考えないで

ボーイ このビートはクレイジーよ

私をいかに育んだかがこれで分かるわ

テキサス州ヒューストン生まれ

すべてのガールズにこの曲を捧げるの

新しい流行の曲をロックできるクラブの中のガールズに

自分のものは自分のために買って もっとお金を稼げるガールズのために」

「Run the World」に最高の自信を持っているようです。

実際にこの楽曲はオリジナリティにあふれています。

たとえサンプリングを使用していてもビヨンセの音楽がここまでソリッドであることに驚くでしょう。

男性の中にはこの「Run the World」の歌詞は受け入れ難い人もいるかもしれません。

少年にとっては自尊心ボロボロになるような取扱注意のホットなナンバーです。

際立ったビートに乗せて発砲するように撃ち込まれる歌詞。

テキサス州ヒューストン仕込みのビートです。

捧げられたのはすべての女性。

特にガールズでいられるような若い気持ちがある女性。

きちんと流行を追うだけの積極性があって、自分の労働で賃金を得ている若い女性のことです。

「Run the World」はどちらかというとしっかり社会進出する心意気がある女性に向けています。

女性のパーソナルな関係での地位向上の話をしている訳ではありません。

女性の社会的な場面での地位の向上を歌います。

ビヨンセは浮気する男性をディスる女性などパーソナルな関係でのガールズの強さもテーマにしました。

今回の「Run the World」は社会全体に照準を合わせます。

「私には床屋さんが必要なのだと思う

こうした輩に私を負かせることなどできないの

私はこんなのが得意なのよ 申し上げますが 私はこんなことにはとても強いの

ボーイ 私はただフザけただけだから こっちに来なさいよ ベイビー

私のことまだまだ好きでいて欲しいだなんて最悪、私に払うもの払ってちょうだい」

原詩をよく見ていただくとビヨンセがいわゆる「Fワード」を使っているのが分かるでしょう。

様々なスラングを用いてお行儀の悪い歌詞を書くのが好きなビヨンセ。

この曲では「Fワード」まで登場するのです。

公式MVを観ていただくと、さらに中指を立てる仕草をしているビヨンセが拝めます。

このページからリンクを貼りましたので、お時間あるときにご覧ください。

ビヨンセのMVの中でも一番制作費がかかっているような傑作映像になっています。

歌詞の中ではとにかく男性相手に挑発を繰り返すビヨンセ。

彼女の歌詞の中の「I」はビヨンセ自身を投影したようなものが多いです。

しかしドラマに昇華されているのでビヨンセ本人の肉声とは感じません。

「Run the World」での「I」は嘘偽りなくまさにビヨンセ自身です。

その辺の男性なんてビヨンセの手にかかったならば簡単に片付けられそうでしょう。

「私の信念で国家さえ築くことができるの

絶えることのないパワーよ 私たちが夢中になれる愛があれば

あなたは私のために何だってするの」

虐げられた人々こそ強い信念を磨くことができます。

いわゆる隷属状態にあることに疑問を持たない人たちの幻想で維持されるのが資本主義社会です。

しかし隷属することに我慢できないという想いを抱えている人もいます。

そうした意識の高い人こそが先鋭的なアーティストになるのです。

女性解放運動は1970年代から欧米を中心に勃興して力強い思想潮流になりました。

その思想は一枚板ではなく様々な潮流があります。

アーティストではやはりジョン・レノンとオノ・ヨーコの「女は世界の奴隷か！」が先陣を切りました。

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの闘いから約40年を経てビヨンセも女性の解放を歌います。

女性の社会進出はこの40年間の月日でかなり進みました。

ヒラリー・クリントンなど大統領候補として争う人も登場します。

ビヨンセはそうした為政者よりもさらに過激な考えを持っているでしょう。

しかし根本に愛の力を信じるという為政者には求められない優しさを持ち合わせています。

愛の力への傾倒という点でもジョン・レノンとオノ・ヨーコは偉大な先人かもしれません。

その他、様々なブラック・ミュージックが愛の力を称賛し続けました。

ビヨンセは色々なひきだしの中からオリジナリティを磨き上げてシーンに登場します。

女性の力によって国家まで作り上げる。

夢物語かもしれません。

両性がいないと人類は繁栄できないでしょう。

しかし思考実験として魂の国家を作り上げることは可能です。

それほど私の信念は確固としたものだと歌っています。

ただしビヨンセが新しい権力を打ち立てたいのであれば話は変わってくるでしょう。

理想は男性的な権力本位の世界を転倒させることにあるのですから。

女性解放運動が人類全体を解放するのはあらゆる男性的な権力を放棄させるからです。

女性は自分と同時に世界の人々すべてを解放する宿命を担っています。

権力のない世界というのは中々想像が及ばない世界でしょう。

もっと人類が進歩しないとそうした社会は訪れません。

しかし失望する必要もないです。

実際に世論の後押しを得て女性の地位を向上させる政策が先進国に採り入れられているのですから。

女性解放運動は地道に成果を積み上げているのです。

ビヨンセもこうした改善された世界を舞台にこの歌を歌い上げます。