とにかく一緒にいることがすばらしい!というようストレートな思いが強く伝わってくる一節です。

シンプルで良い感じです。

「キスしてほしい」を連発で使用しインパクトにつなげる

キスしてほしい キスしてほしい
キスしてほしい キスしてほしい
二人が夢に 近づくように
キスして ほしい Oh yeah

出典: キスしてほしい/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

「キスしてほしい」という「わかりやすいキーワードを曲中で連発させる」ことで強烈なインパクトを与えています。

実はこの技法、ヒット曲を生み出すひとつのテクニックとして昔から使われます。

また、「二人が夢に近づくように」という一言で「キス」という言葉を見事にクリーンなイメージに塗り替えています。

このあたりも作詞したヒロトが天性から持っているセンスの良さを感じさせます。

2番は「キスしてほしい」では無く「教えてほしい」を連発

もう動けない 朝が来ても
僕はあなたの そばに居るから
雨が降っても 風が吹いても
僕はあなたを 守ってあげる

出典: キスしてほしい/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

いわゆる「2番」に相当する部分です。

人間の一番基本的で大切なこと「人への思いやり」というヒロトの哲学が良く表現されている部分です。

教えてほしい 教えてほしい
教えてほしい 教えてほしい
終わる事など あるのでしょうか
教えてほしい

出典: キスしてほしい/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト

「この幸せが終わることはあるのだろうか?だれか、教えて!」という問いかけを歌っています。

「キスしてほしい」の連発同様、「教えてほしい」という思いをただただ強く表現してインパクトを与えています。

『キスしてほしい』の歌詞に隠された真のメッセージとは!?

以前「『キスしてほしい』はTHE BLUE HEARTSの中でも数少ないラブソングのひとつ」と耳にしたことがあります。

その時私は正直「えっ?」と思いました。

私は『キスしてほしい』が単なるラブソングだとはとても思えなかったからです。

もちろん、ラブソング的の意味合いがしっかりと含まれている曲であることに間違いはありません。

(ちなみにPVには男と女の恋愛を思わせる描写はおろか、キスをしているシーンさえ一切登場しません)

『キスしてほしい』の歌詞には「2人の愛」から「世界平和」まで深いメッセージが詰まっている

私は10代の頃、初めてこのPVを観ました。

観ている最中からあまりにも感動的な気分になり、気がつくと目に涙をためていました。

その時はなぜそんな気分になったのか?が理解できませんでした...

今はよく理解できます。

以前、以下のような話を聞いたことがあります。

「ジョン・レノンが言う"I LOVE YOU"は2人の愛から戦争の無い平和な世界までの意味を持つ」

実はこの『キスしてほしい』という曲も、それに近いものがあると思ってます。

この曲で使われている「キスしてほしい」という言葉...

そこは彼氏と彼女2人の恋愛の想いだけに留まらないのです。

人が人を大切に思う気持ち、「人への思いやり」という意味がふんだんに含まれているのです。

  • 人が全人類の平和を願う気持ち
  • 地球上すべての命に対する愛情
  • 戦争の無い世界平和

これらを表現しているスケールの大きいメッセージソングなのです。

そこには、作詞をしたヒロトの哲学がぎっしり詰まっています。

「キス」という、使い方によっては卑猥な意味になってしまう言葉...

見事に人間の愛情表現に置き換えた、芸術と言っても過言では無い使い方です。

涙した若い頃の私は、おそらくそのメッセージにより打ちのめされていたのだと思います。

無意識のうちに......

『キスしてほしい』のPVのストーリーを絵本チックな文章にしてみた♪

あらためて『キスしてほしい』の意味を整理してみたいと思います。

わかりやすい方法として、PVの内容を絵本の物語風な文章でアレンジしてみました♪

『キスしてほしい』の魅力ある歌詞の世界を堪能していただければと思います。

お子様がいらっしゃる方、よろしければぜひ読み聞かせに使ってみて下さい!

『キスしてほしい』 (絵本風アレンジ)

 

ビルに囲まれた大都会の夜に、涙を流す一人の女の子がいました。

何があったのかは詳しくはわかりません。

寂しい気持ちのまま自分の部屋に帰ります。

玄関のとびらを開けると、なんとそこにはTHE BLUE HEARTSの4人が待っていました。

THE BLUE HEARTSはこれでもかという位、女の子を楽しい気持ちにしてくれました。

このままずっと ここに居るのかい?

5人は車でドライブに出発することにしました。

潜水艦に乗り換えて海に潜ったり、気球に乗り換えて空も飛びました。

THE BLUE HEARTSは女の子に、生きているのがすばらしすぎるということを教えてくれたのです。

間もなく5人はお城に到着。

そこには動物のお友達がたくさんいました。

みんなで楽しくワイワイしていると、突然轟音が鳴り響きました。

どこからか戦車が攻めて来たのです!

僕はあなたを守ってあげる!

THE BLUE HEARTSは動物の姿をしたスーパーヒーローに大変身!

必殺技を駆使し戦車をやっつけて追っ払ってくれました。

「楽しいひとときは、決して終わる事などあるわけが無い!

ということをその行動をもって教えてくれたのです。

その後はみんなで楽しくR&Rパーティ!

客席は動物のおともだちでいっぱい!

それからは、みんなでいつまでも楽しく平和に暮らしました。

あとで聞いた話です。

R&Rパーティが終わった後、舞台袖で女の子はTHE BLUE HEARTSに聞きました。

「みんなのおかげで夢に近づけたよ!お礼をしたいけど何が欲しい!?」

THE BLUE HEARTSは4人そろってこう答えたそうです。

「『ありがとう』ってキスしてほしい!

『キスしてほしい』は日本ポップス界を代表する名曲のひとつだ!