ミニアルバム「un-speakable」収録の「溺死」
飾らないありのままの音楽性
多くの若者が彼らの「飾らない音楽」に共鳴し、人気となっています。
2019年1月19日に発売されたミニアルバム「un-speakable」も彼らの個性が光る作品です。
なんとこのミニアルバム、CDショップに流通していません。
近年ではダウンロードが主流となり、現物のCDを買う機会がすっかり減ってしまいました。
そんな現状を見た彼らは「CDショップに置かなくてもいいじゃん」と考えたのです。
つまり、彼らにとってのリリースはあくまで「聴き手に届けること」を重視しているということ。
気軽にアクセスできるYouTubeには、いつだって彼らの素敵なMVが投稿されています。
彼らは「聴き手」の存在を常に意識して、メッセージを伝えようとしているバンドなのです。
「溺死」という重々しいタイトル
今回ご紹介するのは、ミニアルバム「un-speakable」に収録されている「溺死」という楽曲。
斬新なタイトルですね。
水の中で溺れて死んでしまう「溺死」。
歌詞には重々しいタイトルに相応しい、深い愛情に溺れる様子が綴られています。
そして、消え入りそうな声で始まる歌唱。
楽曲の世界感が完成されています。
辛い恋愛をしている最中、まるで酸欠のように愛情不足に苦しんでしまうことでしょう。
でも、本当に「溺死」してしまうことはない。
苦しい状態が永遠と続く…。
そんな激情を的確に表現したタイトルといえますね。
悲しみを巧みに表現したMV
悶える少女
ミニアルバム「un-speakable」発売と同時にYouTubeで公開されたMVでは心揺さぶられる物語を見ることができます。
思い悩み、涙する女性の姿はとても苦しそう。
想い出される男性との甘いやりとり…。
辛い時ほど次々と蘇ってしまうものですね。
最後には沢山の言葉が画面いっぱいに積もる演出が印象的。
それだけ、彼に対する思いがたくさんあるということがうかがえます。
最後には積もり積もった言葉に埋もれ、水の中のシーン…つまり「溺死」してしまいました。
苦痛が積み重なった今
苦しい恋愛
愛する度に死にたくなる
もう二度と愛したくない
ねぇ、出逢った頃の二人は何処?
隣にいても独りな気がして
苦しかった
出典: 溺死/作詞:ミオヤマザキ 作曲:ミオヤマザキ
恋愛をするたびに深い傷を負っていることがうかがえます。
その傷は癒えることなく積み重なり、心が消耗しきってしまったのでしょう。
付き合いを続けるうちに関係性が崩れていき、不安定な気持ちになってしまっていることも読み取れます。
なぜあの頃のように愛し合えなくなってしまったんだろう…。
そう自問自答しながら、理想と現実の間で喘いでいます。
まるで酸欠のように。
途切れそうなかすかな声が、心情を痛烈に伝えてくれます。
今にも息絶えそう
愛してよ 愛してよ
お願い独りにしないで
どうして幸せになれない?
愛しても 愛しても
届かないなら
どうして此処にいるの?
出典: 溺死/作詞:ミオヤマザキ 作曲:ミオヤマザキ