【彩～Aja～/サザンオールスターズ】タイトルはあの名盤から拝借！？歌詞の意味を徹底解釈！MVあり♪

すでに楽しかった思い出は過去のもの。いつか「君」と辿った道を一人歩きながら、二度と戻らない時の流れを感じています。

二人でよく一緒に訪れた海。季節外れの夕方には人影もありません。

ぼんやり回想にふけりますが、頭上のカモメの鳴き声で現実に引き戻されます。

もう現実で逢えないのならせめて夢の中で逢いたいと願っています。

「君」は綺麗な花というイメージのまま、静かに胸の中にしまい込まれています。

この切ない情景の描き方はサザンがもっとも得意とするところなのかな、と思います。

「黄昏」「忘れ得ぬ恋」等のワードもサザンの楽曲にはよく用いられています。

男性女性問わず、歌詞に共感できるという声が多いのはサザンの魅力でもありますね。

「僕」が本当に大切だった「君」だったからこそ「世界中の誰より幸福になって」ほしいと願う気持ちの表れ。

恋愛ってしばしば色々な幻想を抱かせます。

一人よがりだったり、相手のせいにしてみたり。

もちろん相手のことが好きだからこその行動かもしれませんけどね。

でも本当に大切な相手を苦しめることは絶対にしたくないもの。

「相手のことを本当に思いやること」がどういうことかをこの歌詞が表しているのかもしれません。

二人が一緒にいた時の自分を思い出しては、後悔しています。

なんであんなこと言ってしまったんだろう、今ならそんなこと言わないのに･･･と。

ついつい時間を超えて自分にダメ出ししてしまうことも。

でも本当はその時はその時で精いっぱい頑張っていたはず。

「無邪気な」春の陽は、切ない思い出をよそに楽しそうに揺れています。

「君」はもう逢えないのにまだ逢いたくなる人だけど、「僕」は過去に浸るだけでなく前向きな気持ちで進もうとしています。

春は季節の中でももっともお別れが多い季節かもしれません。

春は物事が始まる季節でもあり楽しげな一方、環境の変化も多い季節。今までとは同じ環境でいられないことも出てきます。

進学や転勤等での「春なのに涙」。

でも春のお別れは前に進むためのお別れ。だったらお別れじゃないのかもしれませんね。

「明日へ羽ばたく旅」のための一歩になりますように。

冒頭から鮮やかな色調が美しいMV。まだ幼い神木隆之介くんもキュートです。

サザンオールスターズの『彩～Aja～』いかがでしたでしょうか。

サザンらしい耳になじむ優しい音と、消えない慕情を表現した歌詞の中に垣間見える、桑田佳祐の亡き父への思い。

色々なカタチで優しさが表現されている『彩～Aja～』。ぜひリピートして聴いていただきたい一曲です。