オジロ モサド ニトロ 雷
当時周りは
俺よりも成功をしてる奴らばかりだ
焦んなって言いきかすが
これ以上時間無い
ステージ上ブレーキ無え
いつでもスタンバイ
出典: あの頃じゃねえ/作詞:般若 作曲:CHIVA from BUZZER BEATS
フラッシュバックする取り残された日々。
目の前にはヒップホップの世界で次々と成功していくライバルが立ちはだかっていました。
OZROSAURUS、M.O.S.A.D、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND。
グループとしての般若解体後、彼は妄想族の一員となっていました。
早すぎた和製ギャングスタ・ラップの草分的存在です。
コアなファンこそいたもののキャリアに限界を感じた般若は妄想族を離脱します。
そこからが般若の真のスタートでした。
積み重ねた努力と戦友との出会い
自分に課す制約=心身の強化
やっと出したアルバム
お客さんが前よりも集まる
歌詞を口ずさむ
フリースタイル
スピリタス武器になる
クリスタル好きにやる
今まで舐めてくれた奴の口塞ぐ
才能無いのが勝ち上がる
うだつ上がらずの人生何がある
自分にかかしちまう制約と契約
boom bye bye クソな生活
出典: あの頃じゃねえ/作詞:般若 作曲:CHIVA from BUZZER BEATS
般若という人は実はとても謙虚な心の持ち主です。
度々口にする「自分には才能がない」というセリフ。
だから自分の過去の嫌な記憶とも対峙し曲にします。
「ドクタートーキョー」をリリースした頃、30才を機に始めた筋トレも音楽のためです。
才能がなければ努力で立ち向かうしかない。
その姿勢を貫いた結果として現在のラスボスとしての姿があるのです。
謙虚に努力を続けたことで少しずつ結果に繋がってゆきます。
戦友たちが出演するMV
何かが 変わってきたのは確かだ
やり方 仲間か
昔より見えた 明日が
AKが言う勝ち方
アナーキーが言う仲間や
KOHHが言う同じ空の上なら
HIPHOPじたいすらも喧嘩はない
出典: あの頃じゃねえ/作詞:般若 作曲:CHIVA from BUZZER BEATS
諦めずに夢を追い求めた結果、世界は一変します。
もう1人で涙を流す必要はないのです。
周囲には自分と似た環境から勝ち上がってきた戦友が増えてゆきます。
互いに良きライバルとして切磋琢磨できるのが本当の仲間です。
彼らは「あの頃じゃねえ」のMVにたった数秒間出演するためだけに集まってくれました。
もう1人の戦友ZORNとの共通点は「家族」
ZORN俺は震えて眠らない
むしろ最高だろ俺らのMy Life
何もなかったあの頃じゃない
家族がいるから倍サバイブ
出典: あの頃じゃねえ/作詞:般若 作曲:CHIVA from BUZZER BEATS
戦友には年齢もスタイルも関係ありません。
歌詞に登場するZORNは般若より1回り年下ながら昭和レコードで活動を共にする仲間です。
ZORNは家族のため働くことの喜び、そして子供たちの尊さをラップにします。
そんな日常を綴ったZORNの楽曲に般若は心打たれます。
「自分と同じ人間がここにもいたんだ」と...。
この世を去ったレジェンドたちに捧げる
流行りとかそんなもんは知らねえ
ODB、BIG-L 未だ聞くぜ
デブラージとトコナはもういねえ
燃え尽きた時俺はやめる
出典: あの頃じゃねえ/作詞:般若 作曲:CHIVA from BUZZER BEATS
このバースで歌われるのはヒップホップ界のレジェンドたちです。
彼らはすでにこの世を去りました。
Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)のODBことOl' Dirty Bastard(オール・ダーティー・バスタード)。
Jay-Z率いるレーベルと契約した直後に24才の若さで逝去した天才ラッパーBIG-L。
般若が時に憧れ、時に嫉妬したUSヒップホップのレジェンドたちです。
本格的なバイリンガル・ラップを輸入したBUDDHA BRANDのDEV LARGE(デブラージ)。
M.O.S.A.Dを率いたTOKONA-X(トコナ・エックス)は般若と同い年。
和製ギャングスタラップのオリジネイターであり若くして「さんぴんキャンプ」に出演した人物です。
彼らの全盛期、日の目を見ることのなかった般若。
当時を懐かしむように彼らの名をラップします。