映画の主題歌にもなった「SAYONARAMATA」

【SAYONARAMATA/Yogee New Waves】歌詞解説!生きていくことの喜びを表現!?の画像

「おじいちゃん、死んじゃったって。」の主題歌に

Yogee New Wavesの「SAYONARAMATA」。

この楽曲は2017年10月26日にミュージックビデオが公開されました。

さらに、2017年11月に公開された映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」

主題歌にもなり注目を集めました。

2ndアルバム「waves」に収録されている楽曲です。

映画の世界観にピッタリな音楽

この映画はおじいちゃんの「死」を通して現れる人間の醜さや本質を描いています。

笑えるようなシーンも哀しいシーンも、暖かいシーンも数々あります。

そして、映像の美しさが映画の世界観を際立たせています。

醜くも美しい、そして激しいのにどこか穏やか…。

そんな、不思議でじわじわと心を侵される映画と、「SAYONARAMATA」が溶け込んでいるのです。

個々で聴いてももちろんYogee New Wavesの魅力が伝わる楽曲です。

しかし、映画を見ることによりピースが重なるような感動を味わえます

今回はそんな「SAYONARAMATA」の歌詞の意味を探っていきます。

歌詞に込められたメッセージとは

【SAYONARAMATA/Yogee New Waves】歌詞解説!生きていくことの喜びを表現!?の画像

メンバーの背中を押す曲でありながら、「生と死」を感じさせる歌詞でもある

あした晴れた 日にもなれば 楽しいこと想うはず
泣くな友よ 明日になれば 嬉しいこと起こるはず
戻る道はもうないと思えよ

出典: SAYONARAMATA /作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

軽快なドラムで演奏が始まり、ゆったりとしたギターベースが入ります。

そして穏やかな声で紡ぎ出す歌詞

この曲は脱退するメンバーを送り出すための楽曲であることは有名です。

しかし、映画のテーマである「人の死と生」にも触れているように感じるのです。

最初の歌詞では悲しむ友を優しい言葉で励ましながらも、もう戻ることは出来ないと律しています

背中を押すような優しさと厳しさを感じさせる歌詞に、初っ端から引き込まれます。

親しい者の「死」を前に、打ちひしがれている友に向けた言葉のように感じられます。

一方で、「死者」から「生者」に向けた喝のようにもとれます

死と生への愛

涙は枯れた 息も忘れた 飛ぶことはもうないだろうよ
ほらこっちへおいでよ さよならをいま すがすがしい青
息を止めて 風を嗅ぐなら 香る風に包まれて
前を見てさ よろこびを今 とびきりの愛こめて

出典: SAYONARAMATA /作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

呼吸することさえも忘れるほどに散々泣いた。

もう起き上がることすら出来ないほどの悲しみを味わった。

どん底まで落ちた後は、もう立ち上がるしかない。

だから早く自分の足でこっちまでおいで。

そんなメッセージを感じます。

青空の下で、風の香りを感じながら歩いていく姿がイメージ出来ます。

心は癒えていなくてもしっかり前を見据えて、生きている喜びを噛み締めて

失った者や、今生きている者、そして自分が生きている「今」への愛を胸に

そんな、全てを抱えて新しい一歩を踏み出していく様子を描いているように感じます。

「生きている」者達の世界

わだちを見た 君の顔が 少しばかり 大人びて
やけに晴れた 青の深さ 飛行機雲だ 飛び上れ
切れた雲は堤防をそれて

出典: SAYONARAMATA /作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

悲しみを受け止めて再び歩き出した「君」の様子を見守っているのでしょう。

「君」の表情が大人びたものになったことを喜んでいるのでしょうか。

それとも少し寂しいと思っているのでしょうか。

青い空を2人で見上げ、飛行機雲を眺めています。

深い青に描かれた白い線を見つめながら、静かな空気の中で失った者を思っているのかもしれません。

寄り道をしよう たいそれた話じゃないのさ
邪魔をするな 通り雨 傘は忘れたはずさ

出典: SAYONARAMATA /作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate