聖飢魔Ⅱ【赤い玉の伝説】
映画『陽炎』の主題歌
女優・樋口可南子さんが主演をつとめた映画の主題歌だった【赤い玉の伝説】。
この映画は日本の任侠映画で、どこか和風テイストな雰囲気がよく合っています。
「任侠」とはいわゆるヤクザのこと。
ジャケット写真は、背中に“弥勒菩薩(みろくぼさつ)”の入れ墨をした樋口可南子さんです。
「弥勒」は未来仏(みらいふつ)と呼ばれる、未来に仏となることが決まっている菩薩のこと。
さらに「菩薩」は悟りを求めて修行している人のことです。
貴重な黒ミサ映像はこちら
ここで1つだけ悪魔用語の解説をしておきます。
「黒ミサ」というのは人間界でいうところの「ライブ」のことのよう。
つまりここでは「貴重なライブ映像」という意味になります。
どこか哀愁を感じさせるギターのメインリフから曲が始まります。
聖飢魔Ⅱの演奏はギターが3本なのですが、まったくうるささを感じさせないのが不思議です。
非常に調和がとれていてスマートに聞こえるのは、まさに妙技といえるでしょう。
なかでも評判なのは、一度曲が終わったかと思ったあとの間奏部分。
キーボードと、エース長官の素晴らしい泣きのギターソロは必見です。
このメロディックなラインは、やはりヘヴィメタルやハードロックのスパイスを感じさせます。
というわけで、さっそく歌詞の意味を解説していくことにします。
タイトルの意味は
赤い玉の伝説とは
さらば赤い玉の伝説
出典: 赤い玉の伝説/作詞:デーモン小暮 作曲:エース清水
まずは歌詞の最後の1行から見ていただきます。
それがこちら。
まるで、このような伝説が本当に存在するかのように思えるほど秀逸な歌詞です。
そういった伝説が、それこそ仏教などで言い伝えられてきたかのような…。
しかしそれは作詞をしたデーモン小暮閣下の仕掛けです。
元になっているのは実在するものですが、それは都市伝説として。
都市伝説レベルのものを、ここまで荘厳な雰囲気に仕立て上げているのです。
何が打ち止め?
ほとばしる打ち止めの気配
出典: 赤い玉の伝説/作詞:デーモン小暮 作曲:エース清水
この歌詞は2回目のAメロから。
そもそも都市伝説である「赤い玉の伝説」とはどういったものなのでしょうか?
それはかつて、おもに思春期の男子たちの間で流行したものでした。
発端となったのは、「一生のうちに作られる精子には限りがある」というウワサ。
このウワサは、当時の思春期まっさかりだった少年たちに大きな衝撃を与えました。
誰しもがその最後の時に怯えたのです。
そんなウワサとセットになっていたのが“赤玉”でした。
どうやら、出尽くしてしまったその最後には「赤い玉」が出てくるというのです…。
男子たちは、この赤い玉がいつ出てくるのかと冷や冷やしながら過ごしていたわけですね。
時代を経た今、この話を聞くと微笑ましいような気もします。
しかし当時思春期だった彼らにとっては、とても笑い話などではなかったのでしょう。
そんな“世代”であった聖飢魔Ⅱのメンバーも、やがて大人になってからこの話を世間に“上梓”したわけです。
デーモン小暮閣下の詩について
豪傑が汗ばむ理由
張りつめる鼓動が胸を締めつけ
歴戦の豪傑も汗ばむ
出典: 赤い玉の伝説/作詞:デーモン小暮 作曲:エース清水