「Summer of Love」のMVを担当したのは、小林光大監督です。

PAELLASなど、Yogee New Wavesと年齢が近いアーティストのMVを数多く手がけていますね。

もちろん、Yogee New Wavesアルバムジャケットなども、今まで何度も担当しています。

写真家でもある小林光大監督の作品で印象的なのは、「光」ではないでしょうか。

「Summer of Love」でも、朝焼け、夕焼け、そして夜空から4人を照らす謎の光が特徴的でした。

そのため、アイドルのようなわかりやすいMVではなく、アーティスティックな仕上がりとなっています。

野外撮影は「旅」がテーマだから

「Summer of Love」がスタジオではなく野外で撮影されたのは、ずばり「旅」がテーマだからです。

Yogee New Wavesの角舘健悟は、公式サイトで「野外でできる、とっておきの曲」と語っています。

また、「平成最後の夏」「日本には四季があって」という言葉もありますね。

日本の美しい風景の中を旅して、それを音楽で表現したい……そんな気持ちがMVに込められているのです。

ミュージシャンにとって音は命。妥協は許されない

角舘健悟が述べた「野外でできる曲」という言葉も、「Summer of Love」のキーワードです。

先ほども触れましたが、今は音楽をデジタル編集するのが普通ですし、ライブでもさまざまな機器を用います。

しかし、最も重要なのは、アコースティックで生の音を紡ぐことではないでしょうか?

「Summer of Love」はコンピューター制御されたスタジオではなく、原っぱでも演奏できる曲なんだ……。

そんなYogee New Wavesの意気込みが感じられます。

Yogee New Waves【Summer of Love】MVを解説!野外ならではの"音"がイイの画像

機材のみならず、曲順や環境も重要である

ライトな音楽ファンとしては忘れがちですが、音楽はただスマホやCDで聴くだけのものではありません。

自分たちにできる最高の力量で、最高の楽器を使って、オーディエンスに最高の演奏を届けたい。

それが多くのミュージシャンに共通する想いではないでしょうか。

だからこそ、場所を選ばずに演奏できるという「Summer of Love」は、野外ライブに最適なんですね。

話は変わりますが、レコード会社がある有名アーティストのアルバムを無断で発売したことがありました。

そのアーティストは「収録曲も曲順も、私のイメージと違う」と激怒し、アルバムは販売中止に追い込まれました。

なぜ、曲順が違うだけでアーティストは怒ったのでしょうか?それは「曲にふさわしい環境」ではなかったからです。

ファンとしても、ミュージシャンの気持ちを理解すべきかもしれませんね。

Yogee New Wavesはシティ・ポップか?

音楽専門サイト・雑誌で、Yogee New Wavesは「シティ・ポップ」というジャンルに区分されることがあります。

1970年代のはっぴいえんど、そしてその後独立した大滝詠一などが主なアーティストです。

確かにYogee New Wavesにはそのような要素も含まれますが、「Summer of Love」はどうでしょうか。

筆者には、カントリー・ミュージックの要素が多く取り入れられているように感じられます。

アコースティック・アンビエント

大自然の素晴らしさを描き、そこで過ごす楽しさを歌うことは、カントリーと共通しています。

アイドルソングのような最新流行を追うわけでもなく、社会批評とも距離を置くところも同様ですね。

もちろん、「Summer of Love」をカントリーと位置づけることには少々無理があるでしょう。

より正確に言えば、心が洗われるような、さわやかなギターサウンドで貫かれていますね。

ですから、これは私の造語ですが「アコースティック・アンビエント」と呼べるのではないでしょうか。

夏の心地良い暑さを、そのまま音楽で表現した曲……それが「Summer of Love」です。

Yogee New Waves【Summer of Love】MVを解説!野外ならではの"音"がイイの画像

「Summer of Love」CD・音源情報

2018年10月時点、「Summer of Love」のシングルCDは発売されていません。

AmazonなどでMP3音源を購入するか、ストリーミングサービスを利用してください。

こちらはYogee New Wavesのボーカル・ギター角舘健悟が描いた「Summer of Love」のジャケットです。

Yogee New Waves【Summer of Love】MVを解説!野外ならではの"音"がイイの画像

CDアルバムに同名曲が収録

ただし、2018年3月14日リリースのCDアルバム「SPRING CAVE e.p.」に同名曲が収録されています。