「生きる」ことを考える1曲
いきものがかりの「TSUZUKU」は映画「100日間生きたワニ」の主題歌として大きな話題になりました。
2021年3月14日に「いきものがかり デビュー15周年だよ!!! ~会いにいくよ~特別配信ライブ」にて初披露。
続く3月31日に「WHO?」のアルバムに収録され発売されています。
アルバムの第1曲目は「TSUZUKU」。
「BAKU」や「きらきらにひかる」を通して最後は「生きる」で締めくくられています。
収録曲の1曲である「からくり」以外、全曲2021年にリリースされたもの。
かなりのハイペースで作曲されています。
きっとこの1年で考えることや伝えたいことが多くあったのだろうと推測出来ます。
そして最後に収録曲された「生きる」も原作「100日後に死ぬワニ」とのコラボムービーのテーマソング。
「100日間生きたワニ」との関連や、伝えたいメッセージとは一体何でしょうか。
歌詞とともに考えていきましょう。
音楽から見える気持ち
さよなら さよなら
ぜんぶ忘れない
想いをつれていく
一緒に生きていく
出典: TSUZUKU/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹
そよ風のような短いイントロの後にボーカルが始まります。
高音のピアノとベースが奏でるのはポロンポロン…と歩いていくようなリズム。
まるで何かを心の中で振り返るようです。
その後すぐにドラムを合図にストリングスが響き渡り、壮大で劇的な幕開けとなっています。
出会いと別れ
決心
歌詞を見てみると「~していく」という語尾から感じられるのは強い決意の塊。
失い去ってしまったのは人か、生活や日々か、距離かはこの時点では分かりません。
しかし私たちは出会いと別れを繰り返し、新しい環境を経ていくことで生きています。
その中で得た大切な思い出はともにこれからの自分を作っていくのです。
ぬくもり
うれしい 涙が
こぼれおちるまで
歩いてみるから
どこかで 笑っていて
出典: TSUZUKU/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹
ここで去ってしまうのは人であることが分かります。
別れはいつでも悲しいものです。
かけがえのない存在である人であればあるほど辛く思い出に深く刻み込まれることでしょう。
しばらく立ち直れないこともあり得ます。
それでもこの歌ではその悲しさは歌っていません。
にじみ出る辛い体験やもの悲しさはあるものの、それを越える決意と前向きさを表しているのです。
思い出は空へ
そして1小節間、フェルマータのように楽器も全員で音を伸ばしてストップ。
和音も音楽が一区切りするタイミングで初めて主和音に落ち着くと思いきや、一歩手前で止まってしまいます。
宙ぶらりんとなった音楽は、まるで空に想いが浮き上がって曲に乗っていくかのような効果を表しているのです。