いまを いきる ことで あつい こころ もえる

出典: アンパンマンのマーチ/作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし

主人公はアンパンマンだと感じさせるフレーズです。

正義に満ちた熱い心を持っているアンパンマン。

彼はいつもバイキンマンから町のみんなを救うのです。

ここで注目したいのは、その正義感についてです。

アンパンマンはバイキンマンの行為を懲らしめます。

しかし、バイキンマンの存在を否定しません。

困っていたらバイキンマンでも助けてあげるのです。

人ではなく、その行為で善悪を判断しているからです。

これが正しいヒーローの姿でしょう。

人情味があり慈悲深い、優しい心を持っています。

いつでもほほえみを

ドリーミング【アンパンマンのマーチ】歌詞の意味を徹底解説!なぜほほえむの?生きていることを感じようの画像

だから きみは いくんだ ほほえんで

出典: アンパンマンのマーチ/作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし

アンパンマンは泣いたりしません。

自分の顔がどんどん減っても笑っています。

たとえ自分の顔が濡れても、涙は流さないのです。

これについても、深い意味が込められています。

ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/アンパンマン#アンパンマンと正義

アンパンマンだって、辛くないはずがありません。

しかし、どんな状況に直面してもほほえんでいる。

それこそが本当の強さであり優しさである。

やなせたかし先生のヒーロー像です。

アンパンマンは強いふりをしているだけ。

そう考えると、とても親近感が湧きます。

まるで私たち人間みたいです。

ヒーローは意外と身近な存在なのかもしれません。

子供たちは、そんなアンパンマンを見て思うでしょう。

いつも笑顔で人を助けるヒーローになりたいと。 

みんなの夢を守る存在

誰かのためにできること

ドリーミング【アンパンマンのマーチ】歌詞の意味を徹底解説!なぜほほえむの?生きていることを感じようの画像

なにが きみの しあわせ なにをして よろこぶ
わからないまま おわる そんなのは いやだ!

出典: アンパンマンのマーチ/作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし

1番では、何のために生きるか悩んでいた主人公。

2番では誰かのために生きることを考えています。

この歌詞は、やなせたかし先生の心情に思えます。

物語を通して、本物の正義のヒーローを描きたい。

それを誰かの胸に届けるために生きるんだ。

どうやったら喜んでもらえる?多くの人を幸せにできる?

そんな自問自答を繰り返しているようです。

アンパンマンが50代でヒットするまでの長い期間

やなせたかし先生が考えていたことなのかもしれません。

夢があるから

わすれないで ゆめを こぼさないで なみだ
だから きみは とぶんだ どこまでも

出典: アンパンマンのマーチ/作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし

自分の顔を笑顔で差し出すヒーローの自己犠牲

目の前の困った人を救う優しさを子供たちに伝えたい。

やなせたかし先生は、そんな夢をもっていました。

それを叶えるために、涙を流さず戦っていたのです。

生前最後の映画の舞台挨拶で、こんな言葉を残しています。

死ぬ時は死ぬんだよ。笑いながら死ぬんだよ。そうすれば映画の宣伝になる。死ぬまで一生懸命やるんだよ」と笑いながら語っていた。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/やなせたかし

死ぬ瞬間まで笑顔を見せる覚悟がありました。

また、2011年3月11日の東日本大震災についてこんなエピソードもあります。

震災直後「アンパンマンのマーチ」が復興のテーマソング的扱いをされたり、「笑顔を失っていた子供たちがアンパンマンを見て笑顔を取り戻した」といった良い話がやなせの元に届いたことから、引退するのをやめたという。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/やなせたかし#晩年