【松村和子/帰ってこいよ】歌詞の意味を徹底解説!幼馴染のあの娘に会いたい…切ない男心を三味線に乗せての画像

白いリンゴの花かげで
遊んだ頃が なつかしい
気立てのやさしい 娘だったよ
お前の嫁に欲しかったねと 
おふくろ今夜も ひとりごと
帰ってこいよ 帰ってこいよ 帰ってこいよ

出典: 帰ってこいよ/作詞:平山忠夫 作曲:一代のぼる

主人公と見送った女性とは幼馴染であったようです。

懐かしいあの日を想いながら、主人公は今日も彼女を胸に抱いています。

共に過ごした時間

幼馴染として、長い時間を共にしていた二人。

家族ぐるみでお互いをよく知っていたことが伺えます。

同年代の子ども同士が仲良く行き来する姿は家族の印象にも残っています。

いずれは、二人は結婚したら良いよ。

そんな風な話を冗談交じりに交わしていたのかもしれません。

周りの期待はやがて本人の希望になることがあります。

結婚という未知の世界を彼女と共に描くこと。

子ども心に芽生えたそんな想いはやがて自分の希望として膨らみます。

彼女との結婚を、過去に描いた夢物語として語る母。

まだ、希望を捨てきれない息子。

同じ屋根の下、向く方向は違っても切ない気持ちは同じです。

彼女のいない寒空の下、帰って来ない彼女を。

主人公は諦めつつ、祈りながら待っています。

優しかった彼女

記憶は遠くなるほど美しくなる

そんなことを聞いたことがあります。

別れた人、失ったものの思い出。

それは遠くなるほど、美しいものだけがくっきりと残ります。

辛かったことや悲しかったことは、ゆっくりと不思議に色あせます。

明るく、優しかった彼女

いつもニコニコと笑顔を絶やさなかった彼女。

そんな表情だけが主人公と、彼の母の記憶には残っているでしょう。

あの時、ああなって、こうなれば。

それは無理なこととわかりつつ、記憶を反芻している姿が浮かびます。

待つということ

【松村和子/帰ってこいよ】歌詞の意味を徹底解説!幼馴染のあの娘に会いたい…切ない男心を三味線に乗せての画像

可愛いあの娘の 帰る日を
お岩木山で 今日もまた
津軽の風と 待っている
忘れはしまい あの約束の
こんなにきれいな 茜空
帰ってこいよ 帰ってこいよ 帰ってこいよ

出典: 帰ってこいよ/作詞:平山忠夫 作曲:一代のぼる

帰りそうにない彼女をただ待ち続ける主人公。

その待つことの原動力はいったい何なのでしょうか。

待つ主人公の心を探ります。

お岩木山

歌詞の中で繰り返し登場する「お岩木山」。

岩木山は青森にあり津軽富士とも呼ばれ、地元の人に親しまれる山です。

山岳信仰の対象として大切にされている山でもあります。

主人公が「お」をつけて呼ぶところにもその大切さが伺えます。

その神聖な山での誓いは、地元住民である主人公にとってとても深い意味をもつでしょう。

そして、同様にその意味は彼女にも共通しているはず

東京での暮らしがどんなに魅力的なものであろうとも。

また、誰か新たな出会いがあろうとも。

この山で誓った約束は特別なはずではないのか。

もし彼女がこの約束を忘れているなら。

それは主人公のことだけでなく、故郷をも捨てることを意味しているのです。

帰ってくるだろう

誰がなんと言おうと彼女は帰ってくる

主人公はそんな強い気持ちを持っているようです。

故郷を守る岩木山。

冷たいけれど慣れ親しんだ津軽の風

そして、山や村を照らす茜色の空。

それらは全て主人公と彼女、二人にとって特別なものであるはずなのです。

強い気持ちを持った主人公であっても、時々は不安になるでしょう。

もしかしたら、東京で誰か良い人ができたのかもしれない。

自分のことなどすっかり忘れているかもしれない。

そう考えながらふと空を見上げ、その空が美しかったなら。

いや、きっと彼女も帰りたいと思っているに違いない。

と、そんな風に思うのではないでしょうか。

確証も、理由もないけれど、こんなに空が美しいのだから

青森と東京はとても遠いけれど。

この空はきっと彼女に繋がっている

そして、この気持ちも。

東京という場所

主人公の男性は、たぶんこの村で生まれ育った人でしょう。

ここから出たことがなく、おそらく今後もこちらで生きる。

それを不便とも、煩わしいとも感じることなく当然として。

自分の中に静かに受け入れている男性であるように感じます。

人にとって変化を受け入れることはハードルが高いことです。

しかし、逆に変化しないでいることもまた、決意のいることです。

華やかな都会、東京という世界は若い世代にとって魅力ある響きがあります。

そこへ飛び出すのも勇気であり、飛びなさいのも勇気です。

それぞれのボタンの掛け違いが一方を待つ者に、もう一方を待たせる者にしました。

重ならない価値観と、すれ違う人生

どちらがどうと言えない答えの無い迷路が切なく響きます。

帰っておいで