この曲をきっかけにして、アニメーション作家の合田経郎が絵本を作成、2006年12月より販売されました。
現在では続編も発表される人気っぷりです。
また、アニメーションに登場したくまは「まくまくん」と名付けられており、ぬいぐるみがNHKエンタープライズより発売されました。
ぼんじゅーる!くまちゃん
今作の販売形態は全部で3パターン、通常盤、DVD付き、絵本付きで、この絵本「ぼんじゅーる!くまちゃん」は宇多田ヒカルによって初めて描かれたものです。
現在ではオークションくらいしか手に入れる方法がなさそうなのが残念なところですが…。
歌詞
それでは、思わず口ずさんでしまうこの歌詞、見ていきましょう。
くまはだれ?
ぼくはくま くま くま くま
車じゃないよ くま くま くま
歩けないけど踊れるよ
しゃべれないけど歌えるよ
ぼくはくま くま くま くま
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7c/l009412.html
童謡ということで、ほとんどが平仮名で構成されたこの歌詞。
「くま」は、2006年に宇多田ヒカルがプレゼントされた大きなくまのぬいぐるみがきっかけ。
彼女はこれ以前から「くま」が大好きだったそうです。
さて、ではこの歌の主人公は歌詞の言葉通り「くま」なのかというと、わたしはそうは思いませんでした。
宇多田ヒカルの歌は、いつも彼女自身が主人公のように感じます。
きっとこの「くま」も、彼女自身ではないかと思うのです。
歩けないけど、とは、自由には歩けないということ。
前述の通り、有名人夫妻の一人娘として育った彼女。
ふつうの子どものように、自由に出歩くことはできたのでしょうか?
デビュー以降はもちろん、どこに行ってもパパラッチやファンに見つかってしまう生活のはずです。
しゃべれないけど、とは、英語のことではないかな、と感じました。
幼いころからアメリカで生活していたとは言っても、日本人の両親のもとで育った彼女にとって、学校で交わされる英会話は簡単なものではなかったはずです。
そんなとき、彼女は言葉の代わりに、歌をコミュニケーションツールとして使ったのではないでしょうか。
歌えば、友達は笑ってくれたのかもしれません。
ぼくはくま くま くま くま
けんかはやだよ くま くま くま
ライバルは海老フライだよ
ゼンセはきっとチョコレート
ぼくはくま くま くま くま
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7c/l009412.html
彼女の両親は、昔から不仲でした。
子ども心に、両親の喧嘩の声に怯えていたのではないでしょうか。
そんなとき、彼女の部屋にはくまのぬいぐるみがあったのかもしれません。
チョコレートは大好きだけど、他の子は喜ぶエビフライはどうしても食べられなくて、でも彼女を喜ばせようとする両親を悲しませたくなくて、がんばって食べたのでしょうか。
くまはともだち
Bonjour ! Je m'appelle kuma. Comment ça va ?
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7c/l009412.html
「こんにちは!わたしはくまといいます。おげんきですか?」
あまり元気じゃない小さな女の子に、くまは明るく話しかけます。
ぼくはくま くま くま くま
冬は眠いよ くま くま くま
夜は「おやすみ、まくらさん」
朝は「おはよう、まくらさん」
ぼくはくま くま くま くま
夜は「おやすみ、まくらさん」
朝は「おはよう、まくらさん」
ぼくはくま 九九 くま
ママ くま くま
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7c/l009412.html
両親は仕事で朝も夜もいないことだってよくある、だから挨拶をするのは枕ばかりです。
くまと遊び、元気にふるまう彼女も、ママが恋しいのです。
切ない女の子の歌なのです。
人間活動中、イタリア人男性と結婚し今やお母さんになった宇多田ヒカル。
彼女の人生が、あの時くまに話しかけていた女の子が、今はもう寂しいものではないことを願うばかりです。
終わりに
いかがでしたか?
この曲を聞くたび、宇多田ヒカル自身が子どもにこの歌を歌ってあげる姿を思い浮かべます。
そんな、優しい子守歌のような1曲です。
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