amazarashi「アノミー」について
「アノミー」は2011年にリリースされた、amazarashiのメジャーデビュー後の3rdミニアルバム『アノミー』の表題曲。
深夜ドラマ『ヘブンズ・フラワー The Legend of ARCANA』の主題歌に抜擢され、amazarashi初のドラマ主題歌になった曲です。
ただし、ドラマのために書き下ろした楽曲ではなく、寺山修司の戯曲「アダムとイヴ、私の犯罪学」をモチーフにして作られました。
寺山修司とは?
寺山修司は、青森県生まれの歌人であり、劇作家です。演劇実験室「天井桟敷」の主宰として知られます。
1960年代から70年代半ばにかけて興ったアングラ演劇、小劇場ブームの担い手。
当時を代表する劇団の劇作家や演出家らとともにアングラ四天王のひとりに数えられています。
アングラ演劇はそれまでの近代演劇が行わなかったような世俗的・民俗的なテーマを扱います。
見世物小屋のような雰囲気のある、実験的で独特な世界観の舞台が特徴でした。
わかりやすくいうと、エログロナンセンスな昭和の雰囲気や、白塗りで学生服のような退廃的なイメージ。
そういう要素はだいたい含まれている、といってもいいかもしれません。
現在も寺山修司の影響を受けた人物・作品は数多く見られます。
amazarashiのボーカル・ギターの秋田ひろむさんも以前より影響を受けた作家のひとりとして名前を挙げています。
「アダムとイヴ、私の犯罪学」とは?
1966年夏、新宿の場末のトルコ風呂「エデン」の3階にある、うらさびれたアパートが舞台。
蒸し風呂の湯気がそこかしこから立ち込める間借りした部屋で、”天国”の上に暮らす老いたアダムとイヴ、その家族を描いたストーリーです。
寺山修司はこの戯曲を「新宿歌舞伎町を舞台にした私版の聖書」としています。
秋田さんが、これを現在に置き換えたらどうなるかと考えていたのがきっかけで、「アノミー」という楽曲が作られたそうです。
イメージの元になった戯曲「アダムとイヴ、私の犯罪学」は、上記の本に収録されています。
興味のある方は、是非チェックしてみてくださいね!
アノミーって何のこと?
もともとはギリシア語の「無法律状態(アノミアー)」を意味する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/アノミー
社会の規律・規範が緩んだり、崩壊したことによって、規範や規則が無くなってしまった状態を指す社会学用語です。
フランスの社会学者エミール・デュルケームが最初に用いたことでも知られています。
世の中が乱れきってルールと呼べるものが無くなり、統制が取れなくなったなんでもアリの状態、という感じでしょうか。
MVをチェック!
amazarashiといえば、曲ごとに趣向が凝らされたMVも必見ですよね!
アノミーのMVはこちら!
煙の立ち込める工場地帯のパラダイス、パクったアンテナでパソコンを世界に繋ぐ少年。
SF的な世界観で「アノミー」の世界を表現していて、つい考察しながら見てしまいます!
歌詞の意味は?
では早速、歌詞の考察をはじめたいと思います。
少々長いですが、どうぞお付き合いくださいませ!