切なさがたくさん詰まったリアルな詞に注目

この曲を聞くと野田氏は当時の事を思い出すため、アルバムの時にこの曲を飛ばしてしまうらしい。

当初は『らりるれ論』で出す予定だったとのこと。『神様は信じられないが、自分の心なら信じられる』ということから、『有心論』と名付けたそうですね。


今まで僕がついた嘘と
今まで僕が言ったホント
どっちが多いか怪しくなって 探すのをやめた

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自分と彼女の思い出を振り返っています。自己嫌悪に陥っている様子が伺えます。恋する方なら誰しも通るような苦い経験。

自分の中の嫌いなところ
自分の中の好きなところ
どっちが多いかもう分かってて 悲しくなった

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自分がしてきたこと、その行いの中で自分に責任が多くあることに後悔の念を感じていることが読み取れます。

どうせいつかは嫌われるなら 愛した人に憎まれるなら
そうなる前に僕のほうから嫌った僕だった
だけどいつかは誰かを求め
愛されたいとそう望むなら
そうなる前に僕の方から 愛してみてよと

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嫌われる間に自分から相手を嫌うという自分の殻を守る行動を取ってしまった。愛されたい願望があるのならば、自分の方から愛すべきなのにと。

望む前に何かを与えよという人生訓にも聞こえますね。

君があまりにも綺麗に泣くから
僕は思わず横で笑ったよ
すると君もつられて笑うから
僕は嬉しくて泣く 泣く
明日を呪う人間不信者は
明日を夢見る人間信者に
もう昨日を探していた僕はいない いない

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明日に期待を持てない人=呪う人間不信者。明日に希望を持つ人=夢見る人間信者。君と出会ったおかげで過去の自分とはさよならできたと解釈できるでしょうか。

君は人間洗浄器 この機会にどのご家庭にも
一つは用意していただきたい
こりゃ買わない手はない嘘ではない
驚くべき効果を発揮します 新しい自分に出会えます
ただ中毒性がございます 用法・用量をお守りください

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テレビのコマーシャルのような表現方法で彼女を紹介しています。自分の経験をもとに『中毒性』という注意点に触れています。表現方法に野田氏の才能、斬新さを感じます。

こんなキャッチフレーズを書こう
やっとこさ君のクローンが成功したときにでも
だって君は世界初の 肉眼で確認できる愛
地上で唯一出会える神様

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彼女を唯一無二の神様のような存在に崇めるように表現しています。

クローンができるほど必要とされる存在になれる君。彼女の存在がどれだけ大きいかわかります。

誰も端っこで泣かないようにと
君は地球を丸くしたんだろう?
だから君に会えないと僕は 隅っこ探して泣く 泣く
誰も命無駄にしないようにと
君は命に終わり作ったよ
だから君がいないその時は
僕は息を止め待つ
するとね君は いつでもここに来てくれたのに
もうここにいない いない

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丸い地球の中で、ただ一人の存在。君がいないと僕は隅っこで泣いてしまう。神のようなあなたによって、僕は人生が左右されてしまうということが、『息を止め待つ』という表現から見て取れます。

だが、悲しいことに君は僕の前にもういない。切ないですね。

明日を夢見た人間信者は
明日の死を待つ自殺志願者に
3分前の僕がまた顔を出す
息を止めると心があったよ
そこを開くと君がいたんだよ
左心房に君がいるなら問題はない ない ないよね
二秒前までの自殺志願者を
君は永久幸福論者に変えてくれた
そんな君はもういない いない いない いないけど
この心臓に君がいるんだよ
全身に向け脈を打つんだよ
今日も生きて今日も生きて
そして今のままでいてと
白血球、赤血球、その他諸々の愛を僕に送る

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君の大きい影響力によって僕は『明日を夢見た人間信者』から『明日の死を待つ自殺志願者』にもなる。

また、2秒前の自殺志願者を君は永久幸福論者にというところから揺れ動く感情を野田氏らしく表現しているのを感じます。

君が目の前にいなくなっても心臓に君が残っている。ここで感情揺れ動く一曲をどうぞ。