メロコア界の”神曲”「STAY YOUTH FOREVER」の誕生
1stアルバムの1曲目に収録
Northern19の音楽に対する姿勢を表した1曲・それが「STAY YOUTH FOREVER」。
直訳すると「永遠に若くあり続けろ」となります。
印象的な歌い出し、疾走感あふれる2ビート、爽快感のあるメロディライン。
ライブキッズの欲しいものがすべて詰まった”宝箱のような楽曲”です。
最初にリリースされたのは2006年の10月。1stアルバム「EVERLASTING」の1曲目に収録されました。
その衝撃は一瞬でメロコアフリークの耳を魅了。
アルバムはいきなり6万枚を売り上げ、Northern19に名をインディーシーンにとどろかせたのです。
それから12年。結成15年イヤーとなる2018年に再録版をリリースしました。
これまでリリースした楽曲を録りなおしています。
もっとも、ギターボーカルの笠原いわく「再録ベストアルバムという呼称は気に入っていない」とのこと。
なにか1つの区切りをつけるようで、バンドが止まってしまう印象を受けるのだそうです。
まさにSTAY YOUTH FOREVER」。「永遠に若くあり続けろ」を体現したコメントですね。
収録曲はバンド名に合わせて、全部で19曲。
なかでも「STAY YOUTH FOREVER」はアルバムの最後を飾るナンバーになりました。
12年前は1曲目として収録した曲を、あらためて最後に据える。
Northern19が「STAY YOUTH FOREVER」にどれだけ思い入れを込めているかがよく分かるでしょう。
若さを体現した、エネルギー溢れる歌い出し
シンガロングによって完成するキラーチューン
Woah-oh-oh! Woah-oh-oh!
Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh!
Woah-oh-oh! Woah-oh-oh!
Woah-oh-oh-oh-oh!
出典: STAY YOUTH FOREVER/作詞:笠原健太郎 作曲:笠原健太郎
では歌詞の解説に移っていきましょう。この曲の肝はこの歌い出しにあります。
「歌詞解説」と銘打っているだけに「Woah」を記載するのはおかしいかもしれません。
しかし「STAY YOUTH FOREVER」にとって、ここはどうしても外せないパートです。
約2秒ほどの短いイントロに続いて楽器の音が止まりボーカルだけになるブレイクがあります。
ここで炸裂するのが「Woah」というフレーズの繰り返し。
具体的な言語ではなく、シンプルな叫びだけを発する部分から感じるのは「若さ」と「エネルギー」です。
当時の彼らのエネルギーが存分に輝く、キャッチーなポイントでしょう。
ライブでは、お客とのシンガロングも見どころ。
小さいライブハウスから大型フェスまで、お客の声で曲のインパクトが大きくなります。
シンガロングによって、ピースがぴったりはまるようなライブ映えする曲なのです。
苦労した日々を忘れてしまったあなたへ
ハングリーを捨てないからこそ強くなれるんだ
I don't want to lose a feeling of those days
Does there need to be only awkward way of your life
出典: STAY YOUTH FOREVER/作詞:笠原健太郎 作曲:笠原健太郎
”あの日の感情を失いたくないんだ
あなたの人生の道に不器用だった日々は必要ないのかい?”
「ウォー」の叫びから、そのままの勢いでAメロに入っていきます。
ここでは若さ=「不器用だった日々」という言葉で表していますね。
当時、Northern19の3人は「CATCH ALL RECORDS」に所属しはじめました。
「CATCH ALL RECORDS」といえばインディー界でも名前が知れているレーベルです。
TOTAL FATやSHIT HAPPENINGなどの有名バンドを輩出しています。
それまでアンダーグラウンドで活動していたNorthern19にとって、レーベルへの所属は大きな変化だったでしょう。
そこで慢心することなく、常に上を目指しながら走り続けた彼らの決心が描かれたポイントですね。
ポジティブに生きるのに年齢なんて関係ない
恐れるな。退くな。攻めろ。
You're please afraid of nothing, please go straight ahead
Through a way (through a way) of your own forever
出典: STAY YOUTH FOREVER/作詞:笠原健太郎 作曲:笠原健太郎
”どうか、恐れないで
まっすぐ突き進んでゆけ
あなた自身を貫き通すんだ”
Aメロの後半では、さらなる推進力でメッセージを語り続けます。
恐れずにただ前だけを向いて、突っ走る。なにも恐れない。ひるまない。退かない。
自分で決めたゴールまで一目散に進んでいく様にエネルギーを感じます。
年齢を重ねるにつれ、人はあらゆる脅威を知ります。
会社に入れば上司に嫌われないために媚びを売る。ミスをするのが怖いから仕事を引き受けない。
挑戦しないことで安全を獲得し、人生をうまく切り抜ける術を磨くようになるのです。
ここでの歌詞にはそんな「現状維持」を破壊する力があります。
当時の彼らはまだ22歳。「若いからそういうことが言えるんだ」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし肉体は衰えども、精神は若さを保ち続けられるのです。
その証拠にいま34歳になった彼らは「止まりたくない」と断言します。
その結果、多くのファンが付き、音楽性が広がり、今や日本を代表するようなメロコアバンドに成長しました。