BiSHの他の多くの曲同様、「Life is beautiful」もアイナ・ジ・エンドが振付を行いました。

BiSHらしい振付の今作ですが、特にチェックしていただきたいのはアユニ・Dとリンリンです。

アユニがおじいちゃんを、リンリンがおばあちゃんを演じたという振付に注目してください。

BiSHでは珍しいバラード曲

「楽器を持たないパンクバンド」と呼ばれるように、パンキッシュで激しめの楽曲が多いBiSH

「Life is beautiful」は、そんな彼女たちの楽曲としては珍しく、ゆったりとしたバラード調の楽曲です。

ですから、一人ひとりの歌声をじっくりと聴くことができます。

MONDO GROSSOをはじめ様々なアーティストとのコラボレーションも果たしているアイナのハスキーボイス

そして、セントチヒロ・チッチの切なくも優しい歌声。

BiSHの中でも歌が際立ってうまいのはこの2人ですが、他のメンバーもそれぞれ、想いのこもった声で歌い上げています。

「Life is beautiful」の切なく美しい歌詞を紹介

【Life is beautiful/BiSH】○○をテーマに人生の美しさを訴えるPV&歌詞を解説!の画像

1番の歌詞をチェック

ここがあった 日曜に予定いろいろ探そう
他のこと 嫌なこと あんまり考えない
歯を磨いたり おしゃれをしたり そわそわしなくていいように
なるべく普通にしよう

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

特別な予定を控えている様子の女性。

準備に勤しむわけでも、何かを心配するわけでもなく、できるだけ何気なく過ごそう、と自分に言い聞かせています。

一体どんなことが彼女を待っているのでしょうか?続きの歌詞を紐解いていきます。

全ての言葉が
まだ声が聞こえてる
背を向けるなんてできない
愛してる 愛してるよ ダーリン

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

愛してる、と呼びかける大切な人に「背を向けるなんてできない」と歌っています。

できない、と言いながらも、どうやら彼女は大切な人と離れなければいけない様子です。

ここで注目したいのが、1~2行目です。

「まだ声が聞こえてる」という言葉から想起したのは、「人が亡くなるとき、最後まで残っているのは聴覚である」ということ。

つまり、この曲の主人公は今まさに死を迎えようとしているのではないでしょうか。

そう捉えると、前のフレーズで彼女がそわそわしていたのも頷けます。

彼女は愛する人のもとを離れ、今まさに旅立とうとしているのです。

「愛してる 愛してるよ」というチッチの声が、とても切なく聞こえます。

行こう 向こう
幸せ感じたいの
行こう 向こう
あがいてせめて願いを

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

「向こう」はあちら側=彼岸、つまり「あの世」を示しているのだと思います。

ずっと一緒に過ごした愛する人と別れていく、その瞬間でさえもその人の愛を感じ、幸せを噛み締めていたい。

そんな願いがこもった、切ないフレーズです。

2番の歌詞をチェック

ここにあった 綺麗な道 靴で踏み締めてくの
立ち止まって 歩き出して ステップもしてみて
誰かに会ったり 話しかけたり 街行く人に優しくね
Life is very beautiful

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

どこかに向かって歩いていく主人公。

新しい世界に踏み出していくかのように楽しげです。

ときには行き交う人との交流を楽しんだり、ステップを踏むように歩いてみたり。

死はもしかしたら、現世の苦しみからの解放なのかもしれないな…と思いました。

ゆっくりと時間が
流れてく午前0時
恥ずかしいけど
信じてる 信じてるよ ダーリン

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

さきほどのフレーズに出てきた「靴」、そしてこちらのフレーズの「午前0時」と、シンデレラをイメージさせる言葉が並んでいます。

シンデレラにとっての午前0時は、その場を去らなければいけない時間。

ここでも暗示されているのは「別れ」のようです。

信じてる、と繰り返しているのはきっと、2人が会えなくなってもどこかで想いは繫っているということなのではないでしょうか。

この後には、再びサビが繰り返されます。

歌うメンバーによってもかなり違った色で聴こえる「行こう 向こう」にご注目ください。

全ての言葉で
あなたに贈りたい
愛してる 愛してるよ ダーリン

出典: Life is beautiful/作詞:恋愛好男 作曲:松隈ケンタ

同じ歌詞が繰り返されているサビは省略し、最後に大サビの歌詞をご紹介しました。

最後に彼女が残したのは、大切な人への愛の言葉。

長い時間を一緒に過ごし、何もかもを共有してきた間柄であっても、死は突然に訪れ、容赦なく2人を引き離していきます。

だからこそ、それまでに過ごす時間はかけがえがなく、美しいものです。

それを実感したからこそ、彼女が最後の瞬間に伝えた言葉も「愛してる」だったのではないでしょうか。

最後に