人生にリセットボタンはない
ハードな人生で思うこと
後ろの正面
探してるけど
鬼に捕まって
やり直し
イージーゲームでプレイしたいけど
リセットボタンがないようです
出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか
「後ろの正面」「鬼」というワードから連想できるのは、日本ならではの遊び「かごめかごめ」。
後ろの正面を探しているということは、主人公は参加している多くの子供たちのうちの1人です。
しかし、一般的な「かごめかごめ」は、後ろの正面を探すのは鬼の役目のはず。
主人公が後ろの正面を探しながら、鬼に捕まる恐怖におびえているというフレーズには違和感があります。
つまり、冒頭のこの部分は「鬼に捕まらないよう、正解を導かなくてはならない」という状況を意味するもの。
現代社会で生きていく中で、主人公にとって「鬼」となる存在は多数存在するのです。
親であったり、先生であったり、はたまた名も知らないネット上の人であったり……。
そのどれもがどこかから主人公を見張っていて、きちんと正解を導けるかどうかチェックしています。
そんな人生は、ゲームに例えるのならまさしく「ハード」。
できるのならば始めからやり直して、ステージを「イージー」でやり直したい……。
そう思っても、当然人生にリセットボタンは用意されていません。
そして今日も諦めながら、目隠しをしたまま正解を探すような「苦難の日々」を迎えるのです。
他者からの支援は必要ない
人生なんて
そんなもんだよ
ノイズ混じっても
止められない
ご支援ありきで奴を倒すなら
終末旗を送ってやるから
出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか
さまざまな困難が降りかかる人生だったとしても、そこに他者からの声援があればやる気も出てくるものです。
しかし雑音のような罵倒、批判、中傷ばかりがはびこっているのが現状。
それらはどんなに耳をふさいでも、頭の中に鳴り響いてくる厄介なものです。
そしてどんなにノイズで頭がいっぱいになっても、簡単に止められるものではないのが「人生」。
このノイズも、主人公の人生をハードにしている1つの要因と見て間違いありません。
そんな人生で何とか生き抜くために、人は誰かの手を求めるものです。
この曲もそうだろう……と思いきや、主人公は他者からの支援を求めることを良く思っていないようです。
誰かの手を当てにして、自らが努力しない人生には価値がない……。
そんな生き方をするくらいなら、いっそ人生を「終末」へと向かわせてやる……。
自分の人生を自分で終わらせるために、その終わりを告げる「旗」を送ってやる、というのです。
つまり主人公は、自らの力で生き抜くことの大切さを訴えかけ、自分自身を鼓舞していました。
理想の自分を追い求めて
自分を追い込みながら
行ったり来たりの言葉で低迷
1発お見舞いしてやる AB
愛想振りまき従う姿は
数ある中でも見苦しい
出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか
本曲の中で、自分自身の生き方を見直している主人公。
周りの言葉に翻弄されて行き先を迷っている姿を思い返し、その惨めさにパンチを入れたくなっています。
そして、本当の気持ちを隠してご機嫌を取り、何とか嫌われないようにと取り繕う……。
そんな姿もまた、「見苦しい」と一蹴しているのです。
主人公は周りから期待され、「立派な自分」にならなくてはいけないと自分を追い込む毎日を送っています。
その苦しさにようやく気がつくことができた主人公。
この楽曲を通して、「自分の本当の気持ち」と向き合っているともいえます。
楽を選ぶということは
正に生涯我が身は焼き直し
ライフ無しアピるの分からず屋
揺りかごから墓場で何やってんだ
道行 つねづね 下り坂
出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか
ふと周りを見渡せば、いとも簡単に「辛い」「苦しい」と伝えられる人がたくさんいます。
それは決して間違いではないものの、主人公にとってはただの「分からず屋」にしか見えません。
生まれてから死ぬまで人に流され、楽な方ばかりを選んでいく人生の何が良いのか……。
今がどれだけ楽であろうと、その先に待っているのが下り坂であるのは容易に想像できます。
強がるのを止め、頑張るのを止めた人にはなりたくない。
「うらやましい」と感じてしまいそうになる気持ちを抑えながら、今日も無理をして立ち上がるのです。