キックとベースが生みだすフレイズ
8ビートのスキマに広がるスペース
1弦から6弦へ 1フレットから24フレットへ
この広大な思索の荒野を着流しで ねり歩く オレ
6本の 狂った ハガネの 振動 R・O・C・Kでお前を扇情
戦場 いってみれば この街あたりもそう
戦場 果てることない 暴力衝動
諸行無常 武装した 夕暮れが 行き着くところ
極東最前線
出典: TOKYO FREEZE/作詞:MUKAI SHUTOKU 作曲:MUKAI SHUTOKU
NUMBER GIRLのおすすめ人気曲第8位は『TOKYO FREEZE』です。
歌詞に出てくる通りeastern youth主催のコンピ『極東最前線』に収録されています。
今となっては音源を探すのは大変かもしれませんが興味のある方はぜひDIGってみましょう。
当時NIPPSやTha BLUE HERBに傾倒していた向井秀徳が本格的にラップを取り入れた曲なのです。
後にZAZEN BOYZの2ndアルバムに収録される『6本の狂ったハガネの振動』の元ネタでもあります。
両方の曲を聴き比べてみると、向井秀徳の音楽性の遍歴を辿って楽しむこともできるでしょう。
ナンバガ時代の向井秀徳だからこそできるラップを聴くことのできる楽曲となっています。
4人が音を出せばどんなスタイルでもNUMBER GIRLになる...
佐賀県 上空 300mに飛来した UFO あれはホンモノ
と吉原県 カブキ町で ジャマイカ式農業をいとなむ
柏木さん夫婦は言っていたらしい
ションベン横町の 復興を できることなら 望む
くりかえされる 諸行無常 よみがえる 性的衝動
武装した 夕暮れが 行き着くところ 極東最前線
出典: TOKYO FREEZE/作詞:MUKAI SHUTOKU 作曲:MUKAI SHUTOKU
ヒップホップへの接近と自身のアイデンティティがごちゃ混ぜになった歌詞は唯一無二。
どんなスタイルを取ろうと4人が集まり音を出せばNUMBER GIRLになる。
そんな彼らの個性が全面に押し出された怪作です。
『EIGHT BEATER』で発明されたあの名フレーズが再び登場している点にも注目しましょう。
マニアックなだけに再結成に際し再演される可能性は薄いであろう『TOKYO FREEZE』。
しかし後の数多のバンドに与えた影響を考慮し第8位とさせていただきます。
ロックバンドでありながら、ヒップホップへも傾倒した当時のNUMBER GIRL。
誰が真似しても同じサウンドは作り出せないであろう強烈な個性が感じられる楽曲です。
ZAZEN BOYSにも繋がる、自分自身にしかできない音楽を追求しようとする彼のストイックさが感じられる1曲でもあります。
第7位『ZEGEN VS UNDERCOVER』
ヤバイ さらにやばい バリヤバ
笑う さらに笑う あきらめて
ZEGEN(女衒)が暗躍して 街が色
JORO(女郎)とねんごろの潜入刑事
が殺されて見つかった のはこの街のロジウラで
知らん 俺は知らん 傍観者
見えん 実に見えん 殺風景
出典: ZEGEN VS UNDERCOVER/作詞:MUKAI SHUTOKU 作曲:MUKAI SHUTOKU
ランキングはまだまだ続きます。
古参ファンがおすすめするNUMBER GIRLの人気曲第7位は『ZEGEN VS UNDERCOVER』です。
博多弁と狂言の入り混じった向井秀徳ワールドの1つの完成形ともいえる作品。
女衒vs潜入捜査官という摩訶不思議な歌詞と暴走しまくりの演奏が格好よすぎでしょう。
この楽曲が収録された『SAPPUKEI』より前のアルバムでは、「透明少女」などどこか爽やかさの感じられる楽曲もありました。
しかしこのアルバム以降、バンドは殺伐としたサウンドへと変化していきます。
これは向井秀徳の音楽性の変化によるものであるところが大きいでしょう。
この変化は彼が上京したことも大きく関係しているようです。
博多から出てきた彼の目から見た東京という街が、この楽曲では表されているといって良いでしょう。
当時の世相を見事に表現!
おととしの事件を誰も憶えておらんように
オレもまた この風景の中に消えてゆくのだろうか
出典: ZEGEN VS UNDERCOVER/作詞:MUKAI SHUTOKU 作曲:MUKAI SHUTOKU
2000年に満を持して発売されたメジャー2ndアルバム『SAPPUKEI』。
『ZEGEN VS UNDERCOVER』は実質的なリード曲だといえるでしょう。
20世紀も何事もなく終わりを迎えた当時、世の中には殺伐とした空気感が漂っていました。
実在する猟奇事件を想起させる歌詞と時代の空気を切り裂くようなギターサウンド。
『ZEGEN VS UNDERCOVER』はそんなNUMBER GIRLの代表曲といえるでしょう。
当時の向井秀徳が表現したい世界観と、ナンバガの4人にしかできないサウンドが噛み合った渾身の1曲。
彼らだからこそ、当時の社会の雰囲気をここまで表現することができたのでしょう。
第6位『我起立唯我一人』
NUMBER GIRLのおすすめ人気曲第6位は『我起立唯我一人』です。
初期の名曲の中でも特に人気の高いセンチメンタリズム全開の名曲なのですが...。
実はファンの間では様々な噂が行き交うミステリアスな楽曲という側面も持ち合わせています。
その謎とは?
3つの異なる曲名
いつの間に 俺はここにいる?
ずれた眼鏡を かけ直し
立ち上がる 太陽がいっぱい
アイスタンドアローン なんて 一寸 つぶやいて歩き出して
出典: 我起立唯我一人/作詞:MUKAI SHUTOKU 作曲:MUKAI SHUTOKU