透明感のある歌声が特徴的!「晴天前夜」
ウォルピスカーターさんが歌う「晴天前夜」。
切なさを含んだ歌声はより繊細に聴こえ、儚げな雰囲気を醸し出します。
またウォルピスカーターさんは男性ですが高音が綺麗で、女性と間違われることも多いのだとか。
その透き通ったような声は「晴天前夜」の世界観にすごく合っています。
優しいメロディが心に沁みる
「晴天前夜」は曲調もゆったりとした優しいメロディになっています。
ピアノの優しい演奏から始まり、フワッとしたウォルピスカーターさんの歌声で始まる。
曲の始めから心を鷲掴みにされる人も多い曲です。
「晴天前夜」歌詞解釈
言い難い閉塞感
誰もが羨むような 名前を持っていたら
ほんの少しでも 生きた心地がしたんだろうか
臆病な夜そのものだ 賢しらに星を見て 冷めた息を吐く
濁る空気に溺れてる 窮屈な喉の奥 吸い込んだ摩天楼
出典: 晴天前夜/作詞:はりー 作曲:はりー
お金があれば、時間があれば…という無いものねだりは誰しも1度は考えたことがあるのではないでしょうか。
お金があれば好きな物が買えるのに。
時間があればやりたいことができるのに、そんな「たられば」の妄想です。
歌詞1、2行目では今は持っていないもので心が重くなっているように感じられます。
大体の場合、無いものねだりをしている時にポジティブな気持ちになることはありません。
溜め息をつきながら、「これがあれば…」という流れがほとんどです。
そしてそんな暗い気持ちになっていると、他の暗い感情も連想されてしまいます。
周りとの実力差、自分のやっていることが前進しているのか、ここから見えない先のことまで。
どんどん不安な気持ちが募っていきます。
集団行動
同調する景色 もう抑えきれぬ欲望
つま先からの信号 飛んでみろと嗤う
出典: 晴天前夜/作詞:はりー 作曲:はりー
様々な場面で多様化が認められてきている現代。
しかし、まだまだ他人と違うことをすれば白い目で見られることも多々あります。
単純に他の人と同じことをすると安心するという心理もあるでしょう。
同じ行動を起こしておけば、あからさまに仲間外れにされることはありません。
集団の中で生活を共にするというのは動物の本能的な部分の1つでもあります。
しかし歌詞目線の人物はそんな集団行動に何かしら思うところがあったようです。
集団行動に対しての気持ちは1行目後半の歌詞から解釈することができます。
しかし集団と違うことをしてしまえば、独りになる可能性も。
そんな違った行動を起こした場合のデメリットが自分自身の気持ちを揺らがせます。
一時の衝動で集団から孤立してもいいのか。
歌詞2行目後半の言葉は躊躇した自分を嘲笑っているように捉えることもできます。
誰かの「助けて」
誰にも愛されないと 冷え切った心がひとつ
あなたが奪ったあなたのせいで いなくなっちゃった
あの子が残したメーデー 気づかなかったSOS
あなたに向かう全部が 押し寄せていたこと
出典: 晴天前夜/作詞:はりー 作曲:はりー
集団行動や心理というのは時に残酷な結果を招いてしまうこともあります。
大多数を守るために少数の犠牲を出すというのは、よくある話です。
ひょっとすると「晴天前夜」の歌詞の主人公も同じような選択を迫られたのではないでしょうか。
歌詞に「あの子」が何回か出てきているので、歌詞の子が犠牲になったのかもしれません。
そして、その犠牲を大多数の選択とはいえ自分自身も選んでしまった。
罪悪感や、やるせない気持ちが主人公にはあったのでしょう。
そして少なくても犠牲が出てしまっていることに何も思わない周りに違和感を感じたのかもしれません。
歌詞3行目では犠牲になってしまった子が助けを求めていたことが分かります。
選択をする時は気づけなかったようですが、後からこの助けを求める声に気づいた主人公。
自分が犠牲になった子に対してどれほど残酷な選択をしたのか痛感します。