謎の音楽集団「さよポニ」の、謎の楽曲
顔出し一切無し、楽曲の発売イベントでは代理の人が登場するという謎に包まれた音楽集団。
それが「さよポニ」こと「さよならポニーテール」です。
今回ご紹介するのは、「さよならポニーテール」の6thアルバム「来るべき世界」に収録されている1曲。
「空飛ぶ子熊、巡礼ス」の歌詞を独自解釈しました。
読んでみると解釈の幅が大きい、というかストレートに書くと「謎」が多いこの歌詞。
実はこんな物語が潜んでいるのではないかと考察しております。
では早速内容に入っていきましょう。
鳥だ、飛行機だ、熊だ!
空を見上げる人々
西の空から何か飛んでくる
羽虫か、鳥か、飛行機か、いや、熊だ
小さい子熊だよ
出典: 空飛ぶ子熊、巡礼ス/作詞:324P 作曲:324P
「子熊が飛んでる!」
夕焼け空だったのでしょうか、はたまた晴れた日中だったのでしょうか。
多分、夜や曇り空ではなかったと思います。
謎の飛行物体を見つけた人が叫びました。
初めは小さな虫だったのが、だんだん大きくなったと思いきや、その正体はなんと熊。
スケール感がよくわからないのですが、とにかく熊が飛んできたのです。
多くの人が目撃し、指をさして「子熊だ」と顔を見合わせている様子が目に浮かびます。
報道合戦
さあ、地図を広げろ
彼の足跡を追ってみよう
その航路は私たちに
いったい何を示すのか
出典: 空飛ぶ子熊、巡礼ス/作詞:324P 作曲:324P
西から飛んできた子熊はたちまちニュースになり、ワイドショーは連日この話題で持ちきり。
リポーターはホワイトボードに地図を貼り、目撃ポイントにマグネットを置いていきます。
目撃ポイントを結んだ線に「これは何を意味するのでしょうか」と話を振るキャスター。
スタジオにいる「識者」が、その道筋が意味することをしたり顔で解説するのです。
そのうち、この子熊にまつわる「とある伝説」を語り出す人が現れました。
伝説の始まり
今を遡ること30000年
西の森からやってきた
ゆっくりと、だが着実に
偉大なるユーラシアを横断す
大陸の端の、極東の島
肌を隠すことも知らない人々
見上げた空、熊が行く
茶色くて丸い熊が行く
出典: 空飛ぶ子熊、巡礼ス/作詞:324P 作曲:324P
いかにも真実味を帯びている「伝説」。
しかし、実際のところ熊の祖先は3万年どころか約160万年前にはいたらしいという調査結果があります。
そもそも、熊が空を飛ぶことはないので、ここで実際のことを書くのもナンセンスですが…。
歌詞の世界に戻りますと、熊はヨーロッパ、もしくはアフリカが起源だといっているようです。
そして3万年という時をかけて「極東」すなわち日本にもやってきた、と。
この伝説によれば、当時の日本人の祖先は服を着ていなかったのですね。
昔からの言い伝え
大きな空を飛んでる、小さな熊が
西の空から、東の島へと行く
彼は語り継がれるフォークロア
まるで混じり気のないユートピア
出典: 空飛ぶ子熊、巡礼ス/作詞:324P 作曲:324P
この伝説は、でっち上げではなく「フォークロア」すなわち「いにしえからの言い伝え」なのです。
理想郷とされている「東の島」へ、熊がやってきたという物語。
この熊は神の使いとでもいうのでしょうか。