「人間」になりきれないという心理
やめればいい人間のフリも
人間である誇りなどない
優しさなく生きられない
やめればいい人間そのもの
出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢
主人公の「自分を変えよう」という努力。
その背景には「今の自分はダメだ」という認識があるから苦しいのでしょう。
「ワクワクするから」などというポジティブな理由からの努力は、心の状態を良くします。
ですが、「自己否定」をバネにした努力は、どこかで心が折れてしまうものなのです。
結果も伴いにくいでしょう。
歌詞からも、根本にある「今の自分では認められない」という感情がネックであることがうかがえます。
それでも生きようともがく
「平成」を映し出している
※繰り返し
歪なその物差しで
僕の心計るのなら
死んだ方がいい
一緒に死のう
日も昇るだろ
この命ひとついなくなっても
出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢
そもそも主人公は、自分自身で自分を肯定することができません。
他人からの評価により「生きる意味」を補給しているため、揺らぐのです。
このテーマは「平成」という時代を映し出しているような気がしませんか?
SNSが発達し教育が一本化され、「他人からの評価」を浴びることが当たり前になりました。
自分自身で自分を肯定する方法は、それを教えてくれる環境が整っていないと学ぶことができません。
「生きたい」
一緒に死のうよ
生きていても仕方のないこの空で
一生に一度の命だとか
そんなものは要らない
一緒に死のうよ
綺麗にただ諦めればいいだけで
生きたくても生きられないこの街で
ただ生きたいだけ
ただ生きたいだけ
それだけでいい
出典: 平成/作詞:来夢 作曲:来夢
人生はやり直すことができません。
ひとつしかない命は尊いです。
これは揺るがない事実でしょう。
でも、絶望に染まった状態では単なる「綺麗事」にしか聞こえないと思います。
本当に困っている人にとって、地に足がついていない理想論に感じるはず。
主人公は「命」の重要性よりも明日を生きる方法を模索しています。
それが見つけられないから「死」を望んでいるだけ。
本心では「生きたい」と叫んでいるのです。
最後に
キズの「平成」はいかがでしたか?
彼ららしい時代の締めくくりでしたね。
新しい「令和」という時代はどうなるのでしょうか…。
未来は誰にも分かりません。
でも、「平成」という楽曲に綴られた苦悩が少しでも解け、生きる希望を見つけ出してほしいものです。
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「平成」を振り返り、楽曲を生み出したキズ。
最後に、彼らと真逆の行動をとったアーティストの楽曲をご紹介したいと思います。
ゴールデンボンバーはいち早く「令和」というタイトルの楽曲をリリースしました。
新年号発表と同時に制作されたこの楽曲。
彼らの仕事の速さには驚きです。
1ヵ月延期してじっくりとMVを制作したキズと本当に対照的ですね。
「令和」のMVをご紹介した記事があるので、ぜひご覧になってみてください。
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ゴールデンボンバーの「令和」は、新元号発表後に約2時間で完成させた驚きの楽曲!新しい時代について歌っているのに、どこかバブリーで古めかしいMVは、見ている人の心を楽しくさせてくれますよ♪誰でも踊れる簡単な振り付けも必見です。
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