「GOGO DEMPA」収録曲「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」
「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」楽曲情報
「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」は、2016年に発売されたでんぱ組.incの4thアルバム「GOGO DEMPA」収録。
2016年の1月から3月の間に、毎月デジタルシングルを発売したでんぱ組.inc。
その第3弾に当たる楽曲が、「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」。
ちなみに、1月は、「破! to the Future」、2月は「ファンファーレは僕らのために」。
全国ツアー中にも関わらず、楽曲を次々と増やしていくことに驚きました。
春に向かっていく季節とツアーの千秋楽が近付く中で発表された本楽曲。
そんな「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」の歌詞に注目して、解釈を書いていきます。
ヘンテコなタイトルに注目
「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」の意味
本楽曲の歌詞について解釈していく前に、タイトルに注目してみます。
本楽曲の不思議なタイトル。
思わず、声に出して読んでみたくなる愛らしさ。
英語、記号、片仮名、平仮名、漢字の全てが盛り込まれています。
文字で表現できる限りを尽くしたタイトルは、楽曲自体を表しているよう。
まさに、盛り込み過ぎの圧巻な4分35秒にふさわしいです。
それだけでなく、STARとSTARTが掛かっていることが分かります。
STAR=星、花形。START=出発、スタート。
両者を合わせた造語がSTAR☆ットという言葉。
さらに、語尾を意識的にカッコつけることで感じると意気込み。
最後に、おどけて見せる奥ゆかしさ。
タイトルだけで、でんぱ組.incがどんなグループなのか理解できます。
春らしさ満載のハッピーな歌詞
代表曲を生み出してきた作詞者
本楽曲の作詞は、「Future Diver」や「でんぱれーどJAPAN」、「でんでんぱっしょん」等のでんぱ組.incの代表曲を手掛けてきた畑亜貴。
彼女が手掛ける楽曲は、明るく前進する少女を描いていることが特徴的。
また、でんぱ組.incに欠かさない名言を残してきたことにも注目です。
成長過程も見守ってきた彼女が綴る歌詞は、どのようなものでしょうか。
前置きが長くなってしまいましたが、歌詞を見ていきましょう。
春らしい楽しみが満載の歌詞
なんだか気分よさげな 地球の片隅
もう考えること棚上げちゃえば
梅桃桜はおいしい香りだね
晴れ姿のヒメ・ジョシ・ワンダフル
出典: STAR☆ットしちゃうぜ春だしね/作詞:畑亜貴 作曲:玉屋2060%
訪れる春の気配に注目し、難しいことは考えない。
棚に上げるとは、不都合なことには触れずにおくという意味です。
気温も暖かくなってきて、新しい出会いもある季節。
春は、ワクワクする気持ちはあるけれど、不安もあります。
そんな気持ちを歌っている冒頭の2行。
梅桃桜は、日本を代表する花。
それらを取り入れて、視覚的にもどんな景色なのかを想像させてくれます。
晴れ姿は、自身が主役に思える姿。
それにも関わらず、冒頭での地球の片隅という言葉で控え目な印象。
数人規模の舞台から這い上がり、世界を目指すグループの世界観。
メンバー全員がオタクであるが故に明るくしようとしても、はしゃぎきれない。
でんぱ組.incらしさを感じる歌詞です。
随所に盛り込まれる造語も癖になります。
別れもあるけれど…。
また会うって信じてヨーソロヨーソロ旅った先輩
…ばいばい!やあ世界の交通便利すぐにカムバック
ひとまわりしてくれば成長後
more!! 楽しく遊べるんじゃない?
出典: STAR☆ットしちゃうぜ春だしね/作詞:畑亜貴 作曲:玉屋2060%
本来なら別れは悲しいものだと感じます。
そのため、出会いと別れの対比構造に着目して意味を広げるはず。
しかし、旅立った先輩はすぐに戻って来ると歌っています。
これは悲しさと、程遠い印象。
旅を動詞化していることも、くだけた印象を与えてくれる要因。
さらに、交通事情という時代性も踏襲しています。
確かに、進化は目まぐるしく国内であれば、数時間で往来が可能です。
そう考えると、別れも悲しみとは無縁という気持ちになります。
むしろ、知らない場所を一回りしてくることを成長と表現。
最終的には、希望的観測で結ぶAメロ。
とにかく悲しさより、楽しさを表現することに徹底しています。
だからこそ、不安もそっちのけで元気を貰えます。