あれあれ春だよ? どんどんSTAR☆ットアップ
意外や意外な我らになれそうなんだいっ
まだまだ待ってる出会いは ありえない出会い
新鮮なことだらけを求めるさ
あれあれ春だよ? どんどんSTAR☆ットアップ
びっくりさせちゃう我らも まあ いいんじゃない?
悲劇も笑いに変えちゃうような
本年度 (新年度) 始まれまれ (わらわら)
春は花のように咲き乱れろっ
出典: STAR☆ットしちゃうぜ春だしね/作詞:畑亜貴 作曲:玉屋2060%
サビは、さらに春らしさ全開の歌詞になっています。
Aメロでもポジティブな印象を受ける歌詞が特徴的でした。
気づけば春が訪れていたかのような冒頭。
サビ全体を通して、これまでの自分と変われる期待が感じられます。
新しい季節に新しい自分になれそうという歌詞は、どこか希望的。
そんな希望の根拠が、春という季節。
季節の転換期に、新しい自分に変わりたいという願望。
そして、悲しみも笑いに変えてしまうという歌詞も元気が出ます。
最後は、Aメロで登場した花を踏襲しています。
楽曲全てを形容する落ちサビ
底抜けに明るい歌詞の理由
そーっと誰かを待ってるの 待ってるだけじゃ咲けないよ
この季節ってばピッタリだよ なんとなくでやってみるさ
そーっと誰かを待ってたら 待ってるだけのツボミさん
咲き咲きませり 咲き咲きませり 春だしね春だから春らしくね
どんなどんな春だろ? 我らは新しい未来を仕込んじゃうぜ
どっち向いて進んでも Smile-day Smash-day
痛快なこと見たさで!
出典: STAR☆ットしちゃうぜ春だしね/作詞:畑亜貴 作曲:玉屋2060%
楽曲を解釈していく中で、最も印象的な部分が大サビ前の歌詞。
この箇所で最も大切なことを伝えているように思います。
前半部分では、変わりたい願望を歌っていました。
変わりたい自分は、受動的な姿勢を取っている自分のこと。
新しい自分へと変化することを春のせいにしてしまえばいい。
照れ隠しのように春を強調しています。
春らしく変わるという意味は、でんぱ組.incを知っていたら分かること。
内気な自分ではなく、明るく社交的に変化することを意味しています。
最後は、新しい自分へと変化することで待っている未来について。
今までの自分と変わったら、きっと刺激的な日々が待っている。
そんな春の訪れが楽しみで仕方がないという気持ちを感じます。
ひたすら前向きな希望を抱かせてくれる歌詞です。
印象的に聴かせる大サビ
最後のメッセージ
STAR☆ットアップ Start up! 生まれかわって春瞬の旬だよ
BRIDGEだ 渡っちゃえ 何度目だっていいから
STAR☆ットアップ Start up! 生まれかわって春瞬の旬だよ
BRIDGEだ 渡っちゃえ…!
出典: STAR☆ットしちゃうぜ春だしね/作詞:畑亜貴 作曲:玉屋2060%
そして、サビを挟んで楽曲の最後の部分。
ここでも強烈なフレーズがあるので、注目していきます。
楽曲を通して変化と新しい季節を歌ってきました。
最後も、生まれかわることをこれでもかと強調しています。
辞書に載っていない造語も全体の歌詞と漢字から解釈すれば意味が分かります。
ここでは恐らく、瞬く間に過ぎる春ということ。
漢字を並び替えただけですが、この言葉が非常に重要です。
変化する自分と、新しい季節、今しかない有限の時間を表す言葉。
変わるということは、異なる自分になるということ。
誰でも変化することは怖いです。
そんな変化を橋を渡ることに例えて表現。
堅苦しい決意表明ではなく、変わることを促す歌詞が何ともお茶目。
言葉遊びは、まるで職人芸のよう。
こだわり抜かれたセンスを感じます。
さいごに
「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」とでんぱ組.incの可能性
ここまで「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」の歌詞の解釈について述べてきました。
最後に解釈する上で、重要な情報を詳説していきます。
作詞が畑亜貴であり、作編曲は玉屋2060%が務める本楽曲。
ファンの間では、言わずと知れた名コンビである2人が楽曲制作を務めました。
なぜ、2016年3月に発売されたデジタルシングルに携わったのか。
それは、でんぱ組.incのこれからの可能性について示唆していたと思います。
でんぱ組.incは、シンセサイザーとファルセットを盛り込むでんぱソングを軸に展開する音楽性で新しい境地を生み出しました。
しかし、でんぱ組.incはでんぱソングだけが魅力ではありません。
そういった意味で、「GOGO DEMPA」はチャレンジングな印象を受けるアルバムです。
これまでの方向性に加えて、様々な音楽ジャンルを取り入れていることが特徴的。
音楽性の幅を広げることには、賛否もあります。
敢えて新ジャンルに挑戦したことが、未来を向いている証拠だと感じました。
3ヶ月連続リリースとなったデジタルシングル。
その全てが、でんぱ組.incらしさを残しながらも新しい音楽性を感じる楽曲。
既存路線を踏襲し、常に進化することを止めないのがでんぱ組.inc。
本楽曲を聴いたことで、そのことが確信に変わりました。
世界にでんぱ組.incを知らしめたコンビによる楽曲は、ファン待望でした。
そして、その期待を大きく上回る完成度の高い楽曲。
本当にハイクオリティな楽曲に、奇跡のような感動を覚えました。