誰かに向けてもしくは、社会に向けて閉じられた心を開くための手段の象徴として「秘密の鍵」が登場します。「many key」が指すのは、手段がたくさんあるということでしょう。

ひとの心をひらき、問題を解決するための手段はひとつではなく、無数にあることをあらわしているようです。

同時に、秘密の鍵で開いた先の世界が良くも悪くも想像できないものであることが表現され、それゆえの高揚感がこめられています。

君がえらぶのは?

【倖田來未/TABOO】歌詞に込められた意味を考える!タブーに縛られず閉ざされたドアを叩く理由とはの画像

私となら Which one do you like?

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO

夢と秘密に満ちた世界で、君はなにをえらぶのか?という問いかけをしながら、次のフレーズでは私が主導権を握ることを主張しています。

君がなにを選ぼうとも、私はあなたの中にあるTABOOを破り、真実にむけて突っ走るという強い意志があふれているのです。

反発と後悔のはざま

こうなるはずじゃなかったのに

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO

「嫌よ嫌よも好きのうち」という俗言がありますが、「こうなるはずじゃなかった」は、本当に「なるはずじゃなかった」わけではなく、TABOOを犯した自分への言い訳が含まれています。

言い訳をするということは、TABOOであることを知っていたということです。

現在の社会で「禁忌TABOO」であることを理解しながら、運命の波に抗えない人生の法則を重く感じさせるフレーズです。

選ぶべき鍵はどれ?

【倖田來未/TABOO】歌詞に込められた意味を考える!タブーに縛られず閉ざされたドアを叩く理由とはの画像

心のドア開く たった一つの鍵 どんな手段でも・・・

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO

たくさんある「鍵」は目的を達成するための手段を表します。

手段はたくさんあるけれど、目指す結果を得るには、どうしても選ばなければならない手段があるはずだと歌詞はいいます。

ものごとの捉え方は、結果より手段が大切とする捉え方と、手段より結果が大切とする捉え方の二種類です。

「どんな手段でも」というフレーズから、手段をえらばず、なんとしてでも望む結果を手に入れるという強い意志が感じられます。

歌詞の後ろにつけられた「・・・」には迷いがあり、強い意志と迷いが相反することなくひとりの人間の中にあることを表現しているようです。

対局の思いが同時に存在することを表すことで、人間らしい心の複雑さをズバリとついています。

こころを決めて

導かれながら、惹かれながら、抗いながら、人生は選択の連続です。選ぶのも選ばぬのも自分のこころで決めなければなりません。

歌詞の主人公はどんな生き方を選択するのでしょうか。

それが人生

試してみなきゃ わからないこともあるから さあ 目を閉じて

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO

人生で起こる出来事のうち、学校や親が解決方法を教えてくれることはほんの一部です。ほとんどのことは、自分で「試してみなきゃ わからない」のです。

「試してみなきゃわからない」ことを最小限におさえ、学校や親が教えてくれたことに沿って生きていくのもひとつの生き方といえます。

でももし、「試してみる」先に運命を感じたなら、たとえその結果がなんであれ、試してみる価値はあると歌詞では示唆しているようです。

「試してみよう」ではなく、「わからない」としているところに、運命の不思議さや、今われわれが存在するこの社会全体の不確かさへの挑戦がこめられています。

鍵とドアがあらわすもの

秘密の鍵 どれで open your heart どんな君 みせてくれる?

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO

秘密のドア これでopen your heart どんな未来 みせてくれる?

出典: TABOO/作詞:Kumi Koda HIRO 作曲:HIRO