「かさぶたぶたぶ」はかさぶたの歌
「かさぶたぶたぶ」はタイトルにある通り、かさぶたの歌です。かさぶた目線の歌で、「僕はかさぶた」というフレーズで始まります。
まるで絵本の1ページのような、子供の頃の気持ちを思い出すような、温かくて優しい曲です。
歌っているのはあのBUMP OF CHICKEN!
「かさぶたぶたぶ」はBUMP OF CHICKENの5枚目のアルバム(メジャーデビューしてからは3枚目)にあたる「orbital period」の中の9曲目の楽曲です。
ジャケットには、BUMP OF CHICKENのロゴともなっている星の鳥があしらわれていて、中のブックレットも88ページにも及ぶ超大作になっています。
収録アルバムのテーマ
アルバムのタイトル「orbital period」は、宇宙の星が一定の速度で星の周りを回っている「公転」の周期(軌道周期)のことです。
たとえば地球は太陽の周りを「公転」しています。この法則があるおかげで、人間は人工衛星を飛ばしたり、ロケットに乗って宇宙に行くことができます。
宇宙の法則や、星の鳥というとイメージしにくいかもしれません。でもそれは、目には見えなくても、気づいていなかったとしても、変わらずあるものです。
そん目には見えないもののおかげで自分たちは守られていることや、目には見えなくても大切なものの価値に、気づくことができるのかもしれませんね。
このアルバムは、BUMP OF CHICKENのロゴマークの関連性なども含め、BUMP OF CHICKENにとって重要なアルバムになっています。
収録曲も、映画の主題歌となった「花の名」や「メーデー」「supernova」など、BUMP OF CHICKENの有名な曲ばかり。
その中で「かさぶたぶたぶ」はどのように収録されることになったのでしょうか?
実は隠しトラック候補!?
例えばこの「orbital period」の隠しトラックは「ハテナッチセブンクエスチョンズ」の「BELIEVE」です。もちろんBUMP OF CHICKENが作詞作曲しています。
もともと、隠しトラックはビートルズが行なっていたことで有名になったのですが、この隠しトラックはビートルズが使っていた楽器に近いもので収録された、とても貴重な音源になっています。
「かさぶたぶたぶ」はそんな隠しトラックの候補としてボーカルの藤原基央が制作したものの、急遽アルバムの制作段階でアルバム曲へ昇格したんだそうです。
「かさぶたぶたぶ」の歌詞の意味
主人公のそばにいる「かさぶた」
「僕はかさぶた」ではじまるこの曲は、ケンカして擦りむいた膝小僧にかさぶたができるところから始まります。
大好きな友達とケンカしすることはだれにでもある経験かもしれませんが、仲直りするのは仲が良いほど難しいんです。
ただ「ごめんね」とお互いが言えばいいのに、自分がされたこと、傷ついたことばかりが気になって、なかなか謝れないまますれ違ってしまうのは大人になってもあることかも。
主人公に「仲良くやろうぜ」とあらわれたかさぶたは、傷が治るまで一緒にいてくれる頼もしい存在なだけでなく、泣いている「君」にこんな風に歌います。
仲直りがしたいんだね でも恥ずかしくて 出来ないの
大丈夫だよ 傷は治るんだ きっと もとどおり
出典: かさぶたぶたぶ/作詞:藤原 基央 作曲:藤原 基央
ケンカしたことがある人なら、しかも親友や大好きな人とケンカしたことがある人ならわかることだと思います。
この歌詞は、もう一度仲直りできるのかな、また前みたいに一緒に楽しく遊べるかなと不安なとき、元どおりに傷は治るよと背中を押してくれるのではないでしょうか。
この場合の傷は膝小僧にできたような実際の傷だけでなく、ケンカした時にできた心の傷や、2人の仲のいい関係についた傷も連想できますね。
主人公はどうなるのでしょうか?
少しづつ小さくなる「かさぶた」
謝るんだね すごくえらいぜ あのこも 話したかったハズ
ねぇ 気付いてる? 少しずつ僕が 小さくなってる事
ほらこっち来たよ 勇気を出せよ 最後には 握手するんだぜ
だから言ったろ 傷は治るよって もとどおりになるって
出典: かさぶたぶたぶ/作詞:藤原 基央 作曲:藤原 基央
主人公は勇気を出して謝ることにしました。すっごくすっごく勇気をふりしぼったかもしれませんね。
「かさぶた」も「すごくえらいぜ」と褒めています。そう、大切な人ほどケンカした時に自分から謝るのは勇気がいること。大人でも子供でも、それはおんなじです。
そして「かさぶた」はどんどん小さくなっていっていることから、時間が経過していることがわかります。
何日も何日も悩んだのかもしれませんね。そして最後には握手をして、仲直り。 もう「かさぶた」は傷の回復とともになくなりかけています。