ピノキオピー【すきなことだけでいいです】（唄：初音ミク）歌詞解説！あなたの好きなことは…宇宙の迷惑？

人の価値観は人それぞれだと先に述べました。

そう、歴史が好きな人もいれば科学が好きな人もいます。

同じアニメやゲームが好きでも好きになる部分は異なっているもの。

しかし自分と違う意見、自分が嫌だと思うものを片端から否定する。

見ていて気持ちのいいものではありません。

SNSは自分の好きなものに「イイネ」ができ、嫌いなものには「ブロック」ができます。

思えばSNSは自分の好きな世界を構築できるツールともいえるかもしれません。

人は関わりとしがらみの中で日常を紡いでいきます。

思うままに生きるということはそのしがらみを断つということ。

何かを犠牲にすることにつながるのです。

走馬灯とは死ぬ際によみがえる人生の情景のこと。

今際の際自体が死の間際という意味ですから主人公はもうすぐ死を迎えるということ。

そんな時に思い出したのは果たさなかった約束。

雨は嫌、晴れが好き。

雨は嫌なことだから行動しなかったのです。

けれども、もしもその嫌なことを乗り越えたら楽しいことが待っていたかもしれない。

今さらどうしようもない後悔です。

これは最初に紹介した歌詞とよく似ています。

違うのは現在形ではなく「過去形」だということ。

過去形はすでに起こったことに対して使います。

「もしも」の話が、「もしも」でなくなった世界。

これはみんなが好きなことをして終わってしまった世界の話です。

だからこそ、走馬灯が走ったのでしょう。

ところで、この歌詞の中で過去形でない部分があります。

好きなことだけをして世界は終わりました。

しかし、宇宙が迷惑したとは言っていません。

それは全人類が幸せになることはなかったからなのでしょう。

好きなことだけをやっても、幸せには成れないのです。

例えばいくらジュースが好きでもずっと飲んでいればきつくなります。

そのため口直しに麦茶のようなさっぱりしたものを飲みたくなるでしょう。

テレビもゲームも、ずっとやっていれば飽きてきます。

休みが嬉しいのは、仕事や学校に行く日があるからです。

「幸」の漢字は「辛い」に1つ線を足した形。

辛いことがあるからこそ、楽しいことが輝いて見えてきます。

好きなものを好きでいるためには、嫌いなものが必要不可欠なのではないでしょうか。

ピノキオピーの曲は日常を皮肉ったりそれでも捨てたものではないと希望を持っていたり。

明日も誰かと笑っていたい、そんな気分にさせてくれる曲です。

そんなピノキオピーの曲をほんの少しご紹介します。

嘘に見栄に建前に、私たちは自分を着飾る服を着ることで本当を隠して生きています。

そんな服は脱ぎ去って素直に生きよう。

「ぜろ」はそんな気持ちにさせてくれるとこの記事では伝えています。

普段当たり前だと思っていることは本当に当たり前なのか。

常識への疑問から始まるお話です。