「R-1グランプリ」テーマソング
アイデアが生まれる高揚感
Creepy Nutsの「バレる!」はスリリングでドラマチックなフロウが記憶に残る一曲。
お笑いピン芸人日本一を決める大会「R-1グランプリ」主題歌として書き下ろされました。
2021年3月7日のR-1グランプリ決勝戦に先立って3月3日にデジタルリリース。
R-1グランプリは芸歴10年以内の一人芸を競う大会。
若手芸人が自らのアイデアを武器に勝負する世界です。
その舞台を自分自身に重ね合わせてR-指定がリリックを制作。
新しいアイデアを思い付く高揚感、成功を確信したゾクゾクする感情を描き出したナンバーとなりました。
「R-1」紹介VTRや出囃子にも
カンテレ・フジテレビ系全国ネットで生放送された「R-1グランプリ」。
放送後はU-NEXTでも配信され、大きな注目を集めました。
2021年から方向性を一新し、若手の発掘に力を入れることとなります。
そこで制作されたのが「バレる!」。
ファイナリストの紹介VTRや、「出囃子」と呼ばれる芸人の登場時楽曲としても使用されています。
若手芸人にフォーカスを当てた新たなR-1グランプリ。
それに合わせて作られた「バレる!」も「若手芸人の登場と成長」を描いた内容となっています。
漫才やコントといった決まった形式を持つ他のお笑い賞レースと違い、R-1はピン芸なら何でもアリ。
つまり他の大会よりもさらに「アイデア」が重要視される大会です。
だからこそ良いアイデアを思い付いたときの高揚感はひときわ高いもの。
若手芸人がアイデアを掴んだ瞬間の興奮を描いた一曲。
それは芸人のみならず、何かを作り上げようとする人なら覚えがある感覚です。
肌がヒリヒリするような新しいアイデアにニヤける感覚。
そしてその先にある、本性がバレることへの焦り。
ひとつの物語のように描かれた一曲を歌詞から深読みしていきましょう。
まだ誰も気づいていないアイデア
新たな世界を見つけた興奮
wow yeah ちょっと待て何これ知らねー曲がり角
wow yeah どこにも見当たらない他人の足跡
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
誰の足跡もまだついていない道。
それが意味するのは、まだ誰も手を付けていないアイデアです。
まだ誰にも気づかれていないものを見つけた…。
そんな胸の高鳴りが伝わってくる歌い出しです。
膨らんで動き出す新しいアイデア
胸の高鳴り抑え送り込む肺に酸素
また増える灰色の珊瑚礁
アイデアの百鬼夜行
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
思わず呼吸が浅くなるほどの興奮。
一度深呼吸して息を整え、冷静になろうと努めます。
珊瑚礁という言葉は小さな細胞の群生を思わせる比喩。
「灰色の脳細胞」という言葉を思い出した方も多いのではないでしょうか。
名探偵エルキュール・ポアロの名台詞から、優れた知能や鋭い洞察力を連想させる言葉です。
また、死滅した珊瑚は色を失うことも連想されます。
このアイデアは成功するのか、それとも失敗か。
二面性を抱えたまま百鬼夜行のようにアイデアが脳内を支配します。
同時にR-1グランプリは優れたアイデアを武器にするピン芸人の祭典。
時に奇妙に、時に突飛な芸風を披露する彼らの祭典はまさに百鬼夜行と呼べるもの。
R-1という舞台を連想させながらリリックは加速していきます。
オンリーワンの自分を描くために
自分だけの「面白さ」を描く
Who’s Next?
次は誰が描き出す画期的な自画像
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永