次に舞台に上がる者を紹介する言葉。
そして次に成功し、人気を得るのは誰だという意味も。
ピン芸で自分を売り出すことはすなわち、自分の面白さをいかに人に伝えられるかです。
どんな自画像を自分自身で描くか。
それは芸人として、クリエイターとして自分をどう売り込むかということなのです。
他人を押しのけてでも輝け
数千の屍かき分け誰もが血眼
上も下もパンパンな末期的な地下牢
から彗星の如く現れ見せつける蓄えた力を
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
R-1グランプリに挑戦し、ファイナリストに残ることができるのはほんの僅か。
数千という芸人が認められることなく消えていきます。
自分を見せつけたいと血眼になるも、認められずに夢を諦める。
下を見れば自分より若手や人気のない者が渦巻いています。
かといって上を見れば、人気も実力もはるかに持っているものが星の数ほど待っているのです。
芸人という人生を選び、売れないまま陽の当たらない場所で過ごす日々はまるで地下牢の中。
そこから彗星のように現れて一躍スターの座に就く…。
そのきっかけこそ、R-1グランプリをはじめとした賞レースなのです。
才能を武器に世代交代
ベテランの時代を終わらせろ
錆びついたあの老ぼれ
邪魔なんじゃそこどいとけ
白線の内側へ
I’m a 百戦錬磨の呼び声
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
eの韻が感情を高ぶらせるバース。
感性も笑いの腕も錆びたベテラン芸人に牙をむきます。
古いアイデアは特急列車のごとく押しのけて、スターの座へと駆け上がる自信。
今まで陽の当たらない場所で何度となく繰り返したライブや稽古。
その全てが自信となって、アイデアを後押しします。
世代交代の瞬間
wow yeah エゲつないもん発明したのかも…
生中継!革命前夜換気扇下のラボ
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
誰も思いつかないようなアイデアは、「良い」を通り越して「エゲつない」程。
狭い部屋の換気扇の下で煙草をふかしながらアイデアを練り、その時を待ちます。
「生中継」という言葉はまさに生中継で放送されるR-1グランプリに重なるもの。
先がどうなるかは誰にもわからないスリルがリスナーにも伝わってきます。
己の才能が世間に「バレる」瞬間へ
才能を「面倒くさい」と思う自信
バレる!
この俺の天賦の才が
バレる!
マジこれ面倒臭いな…笑
バレる!
バレる…
世の中に気づかれる…
出典: バレる!/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
自分だけが知っていた、隠していた天賦の才。
このアイデアを世間に出したら、ついに世間がそれに気づいてしまう。
そんな高揚感が「バレる」という言葉に潜んでいます。
才能を「面倒臭い」と思わず笑ってしまう自信。
この才能が世間に知れたら一気に売れっ子になって忙しくなるな。
世の中の連中が俺の才能に嫉妬しちゃうな。
ああ、才能があるって面倒臭い。
だからバレないようにしてきたのに、ついに気付かれてしまう。
傲慢といえるほどに己のアイデアに自信があるからこそ、笑いが浮かんでしまいます。
自信のあるアイデアに辿り着いた時にそんな感情を抱いたことがある人もいるのではないでしょうか。