KinKi Kids「雨のMelody」
1999年10月6日にリリースされた8thシングル
「雨のMelody」は、「Happy Happy Greeting/シンデレラ・クリスマス」からは約10か月ぶりとなる両A面シングルとしてリリースされた「雨のMelody/to Heart」に収録されています。
アコースティックギターの音色が切なく響くKinKi Kidsらしい楽曲で、その歌詞の切なさが魅力的なナンバーですね。
オリコン週間ランキング1位はもちろんのこと、1999年10月度月間1位も獲得、年間でも20位にランクインし、売上枚数は85.1万枚を記録しました。前作の「フラワー」がミリオンセラーを超えたため、少し少なく感じてしまいますが、それでもスマッシュヒットといえる楽曲ですね。
2種類の初回限定盤と通常盤があり、初回限定盤には限定ジャケットとオリジナルペンダントヘッドがついています。
両A面の「to Heart」は、堂本剛が主演したドラマ「to Heart~恋して死にたい~」の主題歌に起用されました。歌番組で披露したのはたった1回だけという貴重な楽曲です。
PVでは森の奥深くや岸壁で歌う2人がとにかくクールでカッコいいので注目ですよ!
作詞を担当したのは康珍化
KinKi Kids「全部抱きしめて」も担当
「雨のMelody」の素晴らしさは、辛さを知って大人になった主人公を描き出すその世界観ですね。
その世界観を作り上げたのが、数々の名曲を世に送り出してきた大ベテランの康珍化です。
などがあります。個人的には、島谷ひとみの「パピヨン~papillpn~」や「市場に行こう」なんかも大好きです。
KinKi Kidsの楽曲も、「雨のMelody」以外も担当しているんですよ!
- 全部抱きしめて
- 夏の王様
それでは、POPな曲から、哀愁を帯びた曲まで描ける天才の世界観に浸ってみましょう。
「雨のMelody」の歌詞
大好きだった人と別れた主人公
好きだよ壊したいくらい夢中できみを抱いたね
好きだよ今でもリアルさきみからもらったキスは
きみのウワサ気になってた次の彼のことも聞いたよ
なぜ日きみがいちばん淋しかった夜に
僕は近くにいてあげなかった
出典: https://twitter.com/KinKi_bot_/status/773720057276878848
最初の歌詞で「君を抱いた」という過去形になっていることから、この曲の主人公が、とても深く愛していた女性と別れることになったことがわかります。
大好きで君を抱きしめた感触、そして君が僕にしてくれたキスがいまだに忘れられずにいることが分かります。大好きすぎると、別れた後もきっぱりと忘れられずに引きずってしまう気持ちがうまく表現されていますよね。
別れた後に君が誰と付き合ったのか、噂を聞いてしまい、心の底で後悔していることが分かります。
もしあの時、僕がちゃんと君の側にいてあげられていたのなら、きっと今でも僕は君の横に居られたことを悔やんでいるんですね。
雨はギターの涙と叫び
悲しみだけ包んでくー
過ぎた時間はもう戻せない
それはそうさ確かにそうだけど
出典: https://twitter.com/LEO_piyo/status/347643353208332288
「雨」というのは実際に降っている雨ではなく、心の中に振る「悲しみ」を表現しているのではないでしょうか。
そして、この楽曲に使われているアコースティックギターの音色が、主人公の涙と本音を伝えるほど、切なく響いてきます。曲と歌詞がマッチする素晴らしい構成ですよね。
もしもあの時と何度後悔しても、過ぎた時間を戻すことが出来ない。
「時間を戻すことが出来ない」なんてことは誰もが分かっているけれど、それでも割り切れない想いがメロディーとともに心に響きますね。
「悲しみ」の中で大人になる主人公
好きだよ 誰にも内緒で 最後に 呼び出したよね
戸惑う頬に 触れたのは 温もり 覚えたくて
出典: https://twitter.com/phrase_ongaku/status/846572561898991619
どうしても君への想いを諦めきれずに、「最後」と伝えて呼び出した主人公。
その呼び出しに応えるということは、愛した女性にも主人公との別れに”迷い”が少しはあったのかもしれません。
でも、2人のあいだに一度開いてしまった溝を埋めることはできないのでしょう。それを感じた主人公は、せめて君の温もりだけでも覚えていたくて頬に触れる。
言葉少ない歌詞の中に深いイメージが描かれており、その情景はとても切なく胸を締め付けます。