高校生RAP選手権とVICEという注目のメディアで華やかなデビューを飾ったBAD HOP。
しかし彼らの中で高校に行ったメンバーはいないでしょう。
中学時代にすでに漫画「クローズ」のような世界を生きてきた彼ら。
上の世代からの上納金の督促。
それらの負の連鎖で皆逮捕歴があるのです。
しかしそんな過去の日々を思い返し「金がかかる悩みなんて小さい」と言い切ります。
彼らが過ごした濃密な時間。
それがあるからこそリリックや佇まいに説得感が生まれた。
だからこそTiji Jojoも軽いノリで「気にしねぇ」と笑い飛ばします。
BAD HOPのサクセスストーリー
「VICE」で見せた素顔
T-PablowとYZERRが「高校生RAP選手権」で優勝したこと。
そしてUS発のドキュメンタリー「VICE(ヴァイス)」で取り上げらることで知名度を上げたBAD HOP。
理由あって高校生ではなかった2人は全身のタトゥーを隠して選手権に出場しました。
しかし「VICE」を見た視聴者は度肝を抜かれます。
クルーの面々の全身を包むタトゥー。
「BAD HOP ALL DAY vol 2」で使用された池上町も映し出されます。
それ以上に衝撃的な彼らの生い立ちにBAD HOPのラップがリアルなものであることを知るのです。
「VICE」の内容は衝撃的ですが自主規制した部分もあるそうです...。
「Mobb Life」の意味すること
2017年にリリースされたBAD HOP初の全国流通版「Mobb Life 」。
ようやく届けられたアルバムの素晴らしい仕上がりにヘッズは歓喜します。
フリースタイルバトルで名を上げた彼らはこのアルバムでは最新のトラックに乗せ歌います。
「クラブでFree Style俺はしない」
「俺らはLife Style 部活じゃない」
そして身につけるのは黒いバンダナからGUCCIのスカーフへ。
アルバムタイトルの「Mobb Life」はモブ=群れる=仲間たちとの生活を示唆します。
同時に全員が愛飲し同じタトゥーを刻むモブ酒のことです。
仲間との絆があればどんな困難も笑い飛ばせる。
BAD HOPと同じ境遇で育つ多くの貧困家庭の子どもたちのアンセムが生まれた瞬間でした。
BAD HOPから見える光と影
川崎の裏を知るLILI MANとA-THUG
今ではフリースタイルモンスターとしても知られるT-Pablow。
その座を決定付けた「高校生RAP選手権」には川崎南部の光と闇が映し出されています。
第1回の決勝でT-Pablowと熱戦を繰り広げたLIL MAN。
彼はBAD HOPの1歳下として同じ川崎南部で生まれ育ちました。
BAD HOPがその後躍進する中LIL MANは影を潜めます。
ストリートハスリングと呼ばれる非合法の世界に舞い戻っていたのです。
BAD HOPの1回り以上年上に当たる川崎サウスサイドを代表するクルーSCARS。
SEEDAが在籍することでも有名なクルーです。
SCARSのリーダーで近年まで服役中だったA-THUGは川崎の不良たちのヒーローでした。
T-Pablowは出身中学の伝説の先輩として。
そしてLIL MANは実父の古い友人としてA-THUGを慕っていました。
ラップを辞めアウトローとして生きて行こうと思ったLIL MANはトラブルにより身を潜めます。
そんなLIL MANの元に獄中のA-THUGから手紙が届くのです。
「お前はこっちサイドには来るな。ちゃんとラップをやれ」
その言葉を胸にLIL MANは「ttwp」というクルーで活動を再開しています。
BAD HOPのサクセスストーリーの裏には私たちが知らない物語が数多存在するのです。
最後に
今回はBAD HOPの新曲「Whatever feat.YZERR & Tiji Jojo」について解説してみました。
武道館公演のみで配布される音源。
そこには成功に驕ることのないBAD HOPの現在進行形の姿が映し出されています。
「Whatever feat.YZERR & Tiji Jojo」の音源公開から2日後。
「BAD HOP ALL DAY vol 2」収録の次なる新曲MVが公開されます。
ストレートにヘイターについて歌った「NO NEW FREINDS feat.YZERR & Bark」です。
USのアーティストのような軽いフットワークで活動するBAD HOP。
今後の活躍もチェックしていきましょう。
OTOKAKEではBAD HOP関連の記事を取り揃えています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
「BAD HOP」のメンバーまとめ!注目のヒップホップ集団の顔・本名・読み方など気になる情報を紹介! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
「フリースタイルダンジョン」や「高校生ラップ選手権」などの番組により、ここ数年で一気にブームが加速しているHIPHOP。なかでも日本人離れしたスタイリッシュな楽曲とレペゼン川崎をフィーチャーしたハードコアなリリックで注目なのがBAD HOPです。今回はそのプロフィールを徹底解剖します。