泣ける歌『誕生』
中島みゆきがテレビで歌っているのを見たことがない人でも、その歌なら一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。例えばこんな曲たちです。
- ドラマ「家なき子」主題歌『空と君のあいだに』
- NHK「プロジェクトX挑戦者たち」主題歌『地上の星』
- ドラマ「Dr.コトー診療所」主題歌『銀の龍の背に乗って』
- NHK連続テレビ小説「マッサン」主題歌『麦の歌』

中島みゆき『地上の星』
映画の主題歌に
『誕生』は1992年、27作目のシングルとして発売されました。中江有里主演の映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」の主題歌として書き下されたものです。
この映画は、言葉を話せない失語症の少女とガイド犬として育てられる「平治」の成長を描いた物語で、中島みゆきの歌声がそのエンディングを飾りました。おそらく、涙必至だったことが予想できます。
歌詞を徹底解説!
ではさっそく『誕生』の歌詞を見ていきましょう。涙なしには読めないかもしれません!
一人で生きる女性の強さと弱さ
一人でも私は生きられるけど
でも誰かとならば人生ははるかに違う
強気で強気で生きてる人ほど
些細な寂しさでつまずくものよ
出典: 誕生/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
今、一人で生きている女性は中島みゆきがこの歌を作った時代以上に増えています。
仕事を持ち、生きがいを持ち、当然経済力もある。一人で生きていくことに不安はありません。
でも彼女は言います。誰かとならば人生ははるかに違うと。
この言葉は、自立して生きる現代の女性の心にグサリとささるのではないでしょうか。
強いといわれる女性ほど、一人じゃないぬくもりを知ってしまうと失うことに耐えられないというのはよくわかりますよね。
こんな風に『誕生』の歌詞は冒頭から聴く人の心をやさしく大きな手でわし掴みにするように始まります。
むなしい恋なんてないはず
呼んでも呼んでも届かぬ恋でも
むなしい恋なんて
あるはずがないと言ってよ
待っても待っても戻らぬ恋でも
無駄な月日なんてないと言ってよ
出典: 誕生/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
“呼んでも届かぬ恋 ” という歌詞からは報われぬ恋をしている女性の姿が、
“待っても戻らぬ恋 ” という歌詞からは、失ってしまった恋を忘れられない女性の姿が浮かび上がります。
泣いて生まれ変わればいい
めぐり来る季節をかぞえながら
めぐり逢う命をかぞえながら
畏れながら憎みながら
いつか愛を知ってゆく
泣きながら生まれる子供のように
もいちど生きるため泣いて来たのね
出典: 誕生/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき