派手やかに艶(つや)やかに
今宵も一夜のうそに溺れ
百花斉放(ひゃっかせいほう)刹那に咲く
蝶よ花よと現(うつ)つ夢
結び結ばれてまた結んでゆく絆さえ
咲き誇れ華となれ 浮世艶姿桜

薄紅に恋焦がれ
咲かせて魅せましょう今夜
ひらりひらりと舞い落ちて
月に花吹雪 不意に手を伸ばす

出典: 浮世艶姿桜/作詞:ATS- 作曲:ATS-

「百花斉放」とは政治的な意味でも使われる言葉ですが、一般的には一斉に花が開くことを意味しています。

たとえ一夜の夢であってもいいから、愛し愛されたい

その瞬間だけでも華麗に咲き誇りたい

そんな想いが伝わってくる歌詞です。

主人公はすでに悟りを開いているような印象ですね。

永遠に変わらぬものなどない、だからこそ今目の前にあるものをしっかりと抱きしめたいのです。

永遠の愛は存在しないから、一瞬の愛を求めるのでしょう。

しかし、最後の行で「不意」に「夢」を求めています。

永遠なんてないと頭で分かっていても、どうしても追い求めてしまうのもまた人間のサガなのです。

この世の定め

泡沫(うたかた)の浮世さえどうせ一夜(いちや)の舞桜
恋焦がれ夢焦がれ ひと世ひと夜に君染まれ

艶やかに鮮やかに
今宵もまたひとつ散る運命(さだめ)
百花繚乱(ひゃっかりょうらん)儚(はかな)く酔い
君想い詩(うた)春の夢
巡り巡られて また巡ってゆくこの世さえ
咲き乱れ華と散る 浮世艶姿桜

浮世艶姿桜

出典: 浮世艶姿桜/作詞:ATS- 作曲:ATS-

最後のサビになります。

劇中での華やかなステージに負けないほどのきらびやかな歌詞が並びますね。

一見華やかに見えるものほど、その陰には悲しさや切なさを秘めている。

そんな哀愁を感じることができます。

これは恋にしても、人生にしてもそうでしょう。

自分が「美しい」と憧れる存在も、その存在なりの悲しさを秘めています。

そういったものを全部ひっくるめて「この世」なのだと歌っているのではないでしょうか。

滝沢歌舞伎で生まれ、ファンによって育てられた「浮世艶姿桜」

「滝沢歌舞伎」と歩んできたユニット

「浮世艶姿桜/KEN☆Tackey」は1stシングル収録♪和風のビートに乗せた歌詞&ダンスMVを解説の画像

「滝沢歌舞伎」を含む「滝沢演舞城」は、初演から一貫して滝沢さんが座長を務めています。

2010年には自身が演出も担当。

以降はより「滝沢色」を前面に打ち出した作風となっていきます。

東京、大阪、福岡、シンガポールと国内外で披露されてきた、滝沢さんのライフワークといえる作品です。

2006年3月に新橋演舞場で初演された、滝沢秀明主演の時代劇LIVEミュージカル。ジャニー喜多川の「僕は城を作りたいんだ。滝沢の城を」の一言から企画され、“和に特化した舞台”を目指して制作が開始された。滝沢は2005年に大河ドラマ『義経』で演じた源義経を本作中でも演じている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/滝沢演舞城

この作品は独自の歌舞伎の世界観が特徴的です。

歌舞伎の代表的な演目をベースに、早変わりや水芸だけでなくマジックやフライングなども取り入れています。

さらに最近では、「子供たちも楽しめる舞台を作りたい」という思いから「こどもの日特別バージョン」を上演した年も。

TAKIレンジャー”が登場する戦隊ショーや、客席の子供をステージに上げての振り付け教室を行いました。

滝沢さんの、老若男女みんなが楽しめるエンタテインメント作品にしたいという思いが伝わってきますね。

KEN☆Tackeyとしてのデビューやパフォーマンスも、よりお客さんに楽しんでほしいという気持ちがあったのでしょう。

実際に活動してくれることはもちろんですが、ファンにとってはその心意気だけでも嬉しいものです。

KEN☆Tackeyの相方三宅健は2016年から出演

「浮世艶姿桜/KEN☆Tackey」は1stシングル収録♪和風のビートに乗せた歌詞&ダンスMVを解説の画像

「滝沢歌舞伎2016」から、V6三宅健さんが登場。

この公演で、三宅さん作詞、滝沢さん作曲による共作「LOVE」が披露されました。

KEN☆Tackeyというユニット誕生のきっかけですね。

この時、同じくお披露目をされたのが「浮世艶姿桜」なのです。

そしてお披露目から2年後の2018年夏。

ついにファンの願いが届き、待望のCDリリースとなったのです。

「滝沢歌舞伎」に欠かさず通っていたファンからすると、2人のCDデビューはまさに悲願でした。

完成度高く芸術的なミュージックビデオ

「浮世艶姿桜」のミュージックビデオをあわせてご紹介しましょう。

様々に移り変わる幾何学模様に桜吹雪が舞う映像をバックに、KEN☆TackeyとジャニーズJr.が踊っています。

2人が青、ジュニアメンバーがグレーを基調とした衣装に身を纏うという、どこか侘び寂びを感じさせる色彩世界。

美しく移り変わる桜吹雪の映像、軽快なビートにあわせアクティブなダンスが展開されていきます。

まさに「静」と「動」

それぞれの世界が見事に融合することで、完成度高く極めて芸術的な映像となっています。

CDの表題曲「逆転ラバーズ」は、赤と黒を基調として「真っ直ぐな愛」を表現。

それに対して、「浮世艶姿桜」では青とグレーを基調として和テイストを打ち出しています。

CD全体を通じて「滝沢歌舞伎」の世界を十分に堪能できるものに作り上げられているのが特徴的です。

最後に