ドラマ主題歌に採用された「silent」はどんな曲?

SEKAI NO OWARI【silent】歌詞の意味解説!静寂の音って?純白の夜に見るものを深読みの画像

2020年10月20日にスタートしたTBSテレビ 火曜ドラマ「この恋あたためますか」主題歌に起用された本作。

SEKAI NO OWARIは、ファンタジーな世界観を表現してきたバンドです。

しかし、意外なことにクリスマスをテーマに取り扱うことは意外にも本作が初めてだったそう。

メロディや歌詞のテーマ、歌い方など試行錯誤を繰り返し、完成した一曲とインタビューでも語られていました。

本作に前奏はなく、ボーカルFukaseの歌声から始まるのも印象的です。

クリスマスソングらしい旋律とシャンシャンと鳴る鈴の音、時折、荘厳な鐘の音も響きます。

優しく響くFukaseの透き通る声。

その透き通る歌声は、多くの聴き手に大切な人への想いに真っ向から向き合うきっかけをくれました。

叶わぬ想いや後悔に思いを馳せる切なさを歌い上げた珠玉の一曲です。

セカオワワールド全開のMVにも注目

本作のMVはYouTubeで見ることができます。

真っ暗な道を走るライトにかたどられたトラックから始まる映像は、セカオワの世界観を伝えています。

暗い道を走り抜け、森の中に作られたトラックのステージ。

夜の森の中、暖色のライトで彩られるステージはまさにセカオワワールド全開のファンタジーな演出です。

切ない想いをきらめくステージで歌う姿は、報われない想いを昇華させようとしているようにも見えます。

そんな演出に胸を締め付けられた方も多いのではないでしょうか。

最後の大サビの前の部分では、Fukaseの歌う横顔の輪郭だけが暗闇に光でかたどられ、浮かび上がります。

恋愛は相手がいてこそ成り立つもの。

しかし、この曲は決して相手に気持ちを伝えようとするものではありません。

自分の想いにフォーカスした曲なので、自分と向き合うという意味でそのような演出がなされたのでしょう。

SEKAI NO OWARIといえば、圧巻の世界観のMVというイメージを持つ方も多いと思います。

その期待は、今回のタイアップ作品でも裏切られませんでした。

ドラマと『silent』の関係性

本作は、TBSテレビ火曜ドラマ「この恋あたためますか」のために書き下ろされた楽曲です。

TBSの中井芳彦プロデューサーは、バンドの世界観がドラマとぴったりだとオファーを出されたそう。

暗闇の中にも希望が感じられる楽曲がドラマと非常にリンクするということで、今回のタイアップが実現。

このドラマは、森七菜演じるコンビニ店員と中村倫也演じるコンビニチェーン会社の社長の恋愛ストーリーです。

すれ違い、迷いながらも自身の気持ちに気づいていく登場人物の心情に見事に描いたこのドラマ。

「silent」はそんな登場人物たちの心に優しく寄り添うなんとも切ないナンバーに仕上がりました。

このドラマが物語のラストに控えるのはクリスマス

特別なイベントに向かって終わりを迎える物語を優しく見届けます。

SEKAI NO OWARI『silent』の歌詞を紐解く

楽しいクリスマスもある中で、切ないクリスマスを描いたSEKAI NO OWARI初のクリスマスソング「silent」。

叶わない想いをメロディに載せたこの曲は、あなたに誰を思い出させるでしょうか。

YouTubeにアップされた本作のMVのコメント欄には、多くの人の切ない恋の思い出が集まりました。

叶わぬ恋をしたことのあるすべての人の心に響く、SEKAI NO OWARIのsilentの歌詞を紐解いていきましょう。

抑えた心の声が聞こえそうな静けさ

純白の雪が降る
街から音が全て奪われていった
こんなに静かだと
閉じ込めた言葉も聴こえてしまいそう

出典: silent/作詞:Fukase 作曲:Nakajin・Fukase

辺りは一面真っ白で雪が降っています。

雪のしんしんと降る中では、騒がしい街もいつもより静かに感じられます。

そんな中では、自分自身に意識が向き、押し殺したはずの気持ちも思い出してしまうのです。

貴方の声だけは心に響いてしまう

雑音の中、貴方の声だけ心に溶けていく
まるでミルクを溢した様なそんな夜

出典: silent/作詞:Fukase 作曲:Nakajin・Fukase

一度、抑え込んだ気持ちに意識がいってしまうと、雑踏の中でも想いを寄せる人の声を思い出してしまいます。

何らかの理由で諦めた恋心ですが、ふとしたきっかけで意識が向いてしまうようです。

この様子から、曲の主人公が好きな相手への未練が断ち切れないでいる様子が見て取れます。

コーヒーにミルクが溶け混ざっていくように、少し思い出すだけで想いが頭を支配してしまうのでしょう。