電気グルーヴ史上最大のヒット曲『Shangri-La』

『Shangri-La』はストレートなラブソング?

電気グルーヴ【Shangri-La】歌詞の意味を知ってる?徹底解説!あの頃を思い出すこと間違いなし!の画像

テクノだけれどテクノじゃない。ポップだけれどポップスじゃない

そんな不思議な存在感で常に日本の音楽シーンの最先端をいくのが電気グルーヴです。

電気グルーヴ史上最大のヒット曲にして唯一のラブソングである「Shangri-La(シャングリラ)」

美しいストリングスのサンプリングに当時最先端のディスコビート

さらにファンを驚かせたのはストレートに「愛」と「希望」を歌った歌詞でした。

今回は電気グルーヴキャリアの転換点となった「Shangri-La」歌詞を徹底解説いたします。

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「Shangri-La」がリリースされたのは1997年

当時はまだ8cm盤と呼ばれる縦長のパッケージシングルCDが発売されていました。

音楽的なトピックでは日本初の野外フェス「フジロックフェスティバル」が開催

ソニーにはテクノ専門レーベルができるほどテクノ・ダンスミュージックが盛り上がっていた時期です。

時代背景はノストラダムスの予言により1999年に世界が滅びると信じられていた頃。

バブル崩壊1995年の阪神淡路大震災地下鉄サリン事件の余波で閉塞感に覆われていた時代でした。

だからこそ若い世代は夜通しクラブで踊り続け刹那的な享楽に身を委ねていたのです

電気グルーヴはそんなクラブに欠かせない最先端のダンスミュージックを牽引していました。

真っ赤なチューリップが印象的な「Shangri-La」のアートワークは一体何を意味するのでしょう?

DVDでしか見られないMVをチェック!

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なんと電気グルーヴは2015年にSMAP×SMAPにゲスト出演しています。

歌ったのはもちろん「Shangri-La」です。

どれだけこの曲の与えた影響力が強いかを伺わせます。

YouTubeにもUPされず今ではDVDでしか見ることができないMVも衝撃的でした。

アートワーク同様「赤」で統一されたイメージ

お風呂につかる石野卓球Bボーイ風ファッションに身を包むピエール瀧

1999年に脱退してしまうまりんこと砂原義徳も若々しい姿で登場しています。

幾度となく映し出される金色の浴室用椅子

MVのコンセプトは...ご想像にお任せいたします。

気になる方はDVD作品「DENKI GROOVE GOLDEN CLIPS Stocktaking」をご覧ください。

『Shangri-La』の歌詞を解説

『Shangri-La』=『理想郷』

Shangri-La [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006]/電気グルーヴ

「Shangri-La」は冒頭記述しました通りストレートなラブソング

初めて「Shangri-La」という言葉が使われたのは1933年の海外小説「Lost Horizon」でした。

「理想郷」を意味する「Shangri-La」という美しい響き。

サルソウル・クラシックの「Spring Rain」の大胆なサンプリング。

いまだにこの曲を聴くとあの時代の空気が瑞々しく蘇ります。

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シャングリラ 彼女の唱った ユートピア 眩しい
シャングリラ 彼女は語った 趣は良し
シャングリラ 彼女にすれば どうにでもなるし
シャングリラの中に消えた 思い出は無視

出典: Shangri-La/作詞:電気グルーヴ 作曲:SILVETTI,電気グルーヴ

シャングリラ=理想郷

現実には存在しないユートピアのことです。

彼女は夢物語のような美しい言葉を投げかけます。

時には美しい歌声で、時にはやさしく語りかけます

あたかもその理想郷は彼女にとっては夢などではなく現実の未来であるかのように。

しかし彼女は今や夢の中の存在

夢の中の思い出は未練を捨てきれない気持ちのメタファー。

思い出は無視しようとしても深層心理に深く根付いています

夢の中でKISS?

夢で KISS KISS KISS KISS KISS KISS
何処へも何処までも
つながる様な 色めく世界 麗しの時よ
夢で KISS KISS KISS KISS KISS KISS
いつでもいつまでも
キラめく様な甘い思いに
胸ときめいていた あの頃の様に

出典: Shangri-La/作詞:電気グルーヴ 作曲:Silvetti,電気グルーヴ

彼女にはもう夢の中でしか会えません

だから幾度となくキスを繰り返す

「色めく世界」「麗しの時」もつながることのできない理想郷に彼女が消えたことを示唆しています。

夢の中でしかつながることができない。

思い出の欠片でしかないからこそ夢の中に浸っていたい...。

今は夢の中でキスを繰り返すことでしかあの頃の甘い思いを味わうことができません。

ここまで書いていて本当に電気グルーヴ?と訝ってしまいました。

ピエール瀧は少しもおどけることなくリズミカルに言葉を発します

石野卓球の聴かせる流麗なファルセットボイス

二人に共通するのはスタッカートを利かせたリズミカルな発音です。

ラップのように歯切れのよい発声と入念な押韻

2人の歌い方には「Shangri-La」が持つ重要な要素が隠されています。