「arrows」

隠れた人気曲

【arrows/BUMP OF CHICKEN】優しくて力強い物語…歌詞の意味を解釈!収録情報も紹介の画像

BUMP OF CHICKENにはシングル曲以外にもファンの人気が高い曲がたくさんあります。

今回ご紹介する「arrows」もそのひとつ。

発表当時から「感動した」、「泣ける」などの意見が多くありました。

リリースから10年以上がたった今でもBUMP OF CHICKEN屈指の名曲として人気を集めています。

「arrows」とはどんな曲なのでしょうか。その魅力に迫ってみたいと思います。

収録アルバム

『orbital period』

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「arrows」は2007年リリースのアルバムorbital period』に収録されています。

このアルバムは2004年の『ユグドラシル』以来、3年4か月ぶりのアルバムでした。

「プラネタリウム」「supernova」「涙のふるさと」などその間に発表されたシングル曲を多く収録しています。

久々のアルバムということで注目度は高く、オリコン2位の大ヒットを記録しました。

このアルバムの歌詞カードは88ページにも及ぶブックレットと一体になっています。

そこには藤原基央自身による「星の鳥」という絵本が描かれています。

アルバムの内容とも密接にリンクしていて、アルバムは一種のコンセプトアルバムのような作りになっています。

曲単体で聞くよりも、アルバム通して聞くほうが物語が浮かび上がってくると思います。

ぜひ、アルバム全体を聞いてみてください。

タイトルの意味

アルバムタイトルの『orbital period』とはどういう意味でしょうか。

これは、「軌道周期」または「公転周期」と呼ばれる天文用語です。

詳しい話は少し難しくなるので省略しますが、「28」という数字が大きな意味を持っています

簡単に言うと、ある人が生まれた誕生日の曜日がありますね。

何年かに一度、誕生日が生まれた年と同じ曜日になることがあります。

それが、1年間すべての日付で同じ曜日になる周期があるのです。

その周期が「28年」なのです。

このことを知った藤原基央は、2007年のうちにアルバムを作ろうと思いました。

2007年はBUMP OF CHICKENメンバー全員が28歳になる年だからです。

彼らが生まれた年から公転周期である28年になる年にリリースされた区切りのアルバム。

それが『orbital period』だったのです。

このアルバムには隠しトラックや無音のトラックを含めて、トラック数はちょうど28曲になっています。

「28」という数字にこだわって制作されたアルバムなのです。

壮大な人生の物語

物語の始まり

「arrows」の歌詞物語調になっています。

名曲とされるのは、曲もですが、その歌詞が感動的だからです。

歌詞の内容について詳しく見ていきましょう。

歌詞の解釈は人それぞれです。

ここに書いた解釈は、あくまでも一つの例でしかありません。

聞いた皆さんそれぞれが自分の解釈で聞いていただければと思います。

大長編の探検ごっこ 落書き地図の上
迷子は迷子と出会った 不燃物置き場の前
嫌いな思い出ばっかり詰めた 荷物を抱えて
ずっと動けない自分ごと埋めて と笑った

似てて当たり前 そういう場所だから

出典: arrows/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

この曲の物語はいろいろな比喩で出来上がっています。

探検ごっこ」、「落書き地図」、「不燃物置き場」などが何を意味するのか。

それを想像しながら聞いてみるといいと思います。

「大長編の探検ごっこ」というのは、人生そのもののことかもしれません。

人が生きるということは、その人自身が主役の物語のようなものです。

先の展開がわからない大長編の物語というのは、まさに人生ではないでしょうか。

そうなると「迷子」というのは生きていく上で自分の進む道がわからなくなってしまった状態と考えられます。

自分はどうやって生きていけばいいのだろう、と迷子になってしまったもの同士が出合います。

彼らが持っている荷物には嫌な思い出しかありません。

では「不燃物置き場」というのはどういう場所なのでしょう。

主人公は人生に迷い、自暴自棄になっています。

「自分ごと埋めて」と言うくらい、人生に絶望しているようです。

自分なんか生きている価値がない、と思っているのでしょうか。

そうした人が集まる場所が「不燃物置き場」なのだと思います。

主人公が出合った相手もまた、同じような迷子なのです。

似た者同士の旅が始まる