アルバムに収録されていないバラードの名曲

「カサブタ」はカップリング曲

ONE OK ROCK【カサブタ】歌詞解釈!アルバム未収録の隠れた名曲!カサブタが表すものとは?の画像

「カサブタ」は、2013年にシングルDeeper Deeper/Nothing Helps」のカップリング曲です。

未だアルバムには収録されていないので、一般的にはあまり知られていない別れのバラードです。

とは言え、ファンの間ではバラード名曲として認識されており、ランキングでは常に上位に位置しています。

つまり、ファンのみぞ知るバラードの隠れた名曲なのです。

この「カサブタ」という名曲ONE OK ROCKを聴き始めたばかりのあなたにも是非聴いて頂きたいと思います。

それでは、イントロ部分から紹介していきます。

昭和の香りがするイントロ

イントロはバイオリンベースアコースティックギター

マイナーコードで始まります。

そして、Takaがささやくように歌う歌詞は女性のつぶやきから。

この感じは昭和の歌謡曲によくある組み合わせです。「神田川」に似ているかも?

「神田川」の歌詞も女性のつぶやきから始まります。

「神田川」のコードはEmから、「カサブタ」のコードはEm7から。

昔聴いた曲に似ていたから初めて聴いたこの曲を懐かしいと感じたようです。

秋から冬へと移ろいゆく季節に聴くと、一段と寂しさが身に染みます。

この曲のイントロは昭和風ですが、サビはONE OK ROCKそのものです。

覚えやすいメロディだったので思わず口ずさんでしまいました。

それでは、ファンに支持され続けている隠れた名曲の歌詞を紐解いていきましょう。

歌詞の世界へ

歌いだしは女性からの問いかけ

はじめからそのつもりでしょ?
知ってて近づくのは得意でしょ?

ソレ以外求めないで
分かっているはずなのになぜ?

重なって、それ以上を欲しがったりして
古いカサブタのせいにして
痒い痛いを繰り返してもなお
傷の舐め愛の関係?

出典: カサブタ/作詞:Taka 作曲:Taka

最初から意味深な問いかけで始まるこの曲は、大人の男女の複雑な恋模様を歌っています。

この2人の関係は、幸せなカップルには思えません。

最後の2行で「繰り返す」「傷の~」と言っているので別れたり、よりを戻したりを繰り返している2人だと思います。

何かがかみ合わなくて、一度は別れたのでしょう。

でもまた互いに相手を求め合い濃密な時を過ごします。

でも、そんなことをしても心は全く満たされません

2人で居ても空虚な時間だけが過ぎていきます。

それでも会うことをやめられず、会うたびに傷ついていく…

と、そんな切ない歌詞です。

女性はどう思っている?

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はじめからそのつもりでしょ?
知ってて近づくのは得意でしょ?

ソレ以外求めないで
分かっているはずなのになぜ?

出典: カサブタ/作詞:Taka 作曲:Taka

この歌詞は、彼の誘いを断れない彼女の弱さを知っていて近づいてきた彼に対する言葉です。

「ずるいね」と言っています。

きっと彼女には他に帰る場所があって、この彼との関係を断ち切りたいと思っているのです。

でも、頭と心がちぐはぐな彼女は彼に誘われると断ることができず、また会ってしまいます

3行目の「ソレ」はご想像通りの意味ですが、「だったら何故会うの?」と思ってしまいます。

でも、それは本人たちも分かっていて、それでも別れられないから苦しんでいるのでしょう。

人間は機械と違って感情の生き物です。

頭では分かっていても心が真逆の選択をしてしまうこともあります。

「カサブタ」が意味するものは?

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重なって、それ以上を欲しがったりして
古いカサブタのせいにして
痒い痛いを繰り返してもなお
傷の舐め愛の関係?
It's not enough

出典: カサブタ/作詞:Taka 作曲:Taka

ここからは男性の想いを歌っています。

1行目では、彼女を奪って2人で生きることを望んでいます。

望んでも叶わないことが分かっているのに…です。

彼も頭と心がちぐはぐです。

2行目に出てくる「カサブタ」は、昔の幸せだった日々のことです。

あの頃のようにまた2人で幸せに暮らしたいと望んでいますが、それは既に壊れたはずです。

そして修復できなかったからこそ、今も中途半端な「傷の~関係」なのです。

壊れた時にできた傷口が、やっと治りかけているのにまた同じことを繰り返そうというのでしょうか。

それはカサブタをはがすようなものです。

まだ治りきっていないカサブタをはがすと流血します。

それを分かっているから、4行目で「傷の~」と言っているのです。

5行目に出てきた英文の意味は、辞書的には「足りない」ですが、心が満たされないという意味だと思います。

求めても満たされることのないこの関係を象徴するフレーズです。