ただ朝待ってた
何もせず僕は1人ベットの上で
1杯のスープを飲みながら
テレビの前で
また同じようなニュースみながら
またいつもの平和を
待っていたんだ
出典: main actor/作詞:美波 作曲:美波
ここで漫画ではなく現実の世界が描写されます。
眠れないまま朝を迎えようとしているのでしょうか?
感情が高ぶると、なかなか寝付けなくなってしまいます。
そして、自分自身に存在意義が見いだせないからこそ、ニュースからの情報を求めているようです。
外の世界と繋がることで安心感を得たい。
それくらい、自分の中で沈み切った感情が堂々巡りしているのでしょう。
「ひとつもない」から辛い
ひとつだけ ひとつだけ
ひとつだけ ひとつだけ
僕がここにいる証明を
僕にしか 僕にしか
僕にしか 僕にしか
出来ないことの証明を
出典: main actor/作詞:美波 作曲:美波
存在証明になるものが「ひとつもない」から「ひとつだけ」と求めているのでしょう。
心に軸が無い状態がうかがえます。
軸無しで力強く立ち上がって生き抜くことは叶いません。
周囲を見渡しては、自分にない長所ばかり気にしてしまう…。
せめて自分に「特別な魅力や強味」があればこの劣等感に打ち勝つことができるのに。
そう思い、もがいているのでしょう。
美波にとっての音楽
歌っている理由
君だって 同じだって
誰だって 待ってるって
僕だって それが何か
分からないから
歌ってんだろ
出典: main actor/作詞:美波 作曲:美波
自分にしかできない何か。
それを追い求めた結果、ギターを手に歌うようになりました。
美波自身が音楽に取り組む理由かもしれません。
アーティストとして活動する姿こそが、ようやく見つけ出した自分の生き方なのでしょう。
自分にとって大切なのは…
当たり前だと 思っていた
明日が来ることも飽きていた
面倒なこと嫌いだった
シンプルでよかった
でも何故か部屋にあるギターだけは
捨てられなかった
出典: main actor/作詞:美波 作曲:美波
変わり映えのない日常に退屈を感じるのは、刺激や変化を求めている証明でしょう。
少なくとも、現状に満足していないことは確かです。
何もかも嫌になって考えを放棄した自分。
ですが、音楽にかける思いだけはどうしても消えませんでした。
むしろ、余分なものを全て捨てたからこそ、自分にとって何が大切なのか分かったのかもしれません。
ギターで自分の感情を弾き語る。
これが美波にしかできない生き方です。
一歩が踏み出せない原因を探る
自分らしさを持ちながらも自信が無く、恐怖に負けて逃げ出してしまう。
なぜこのような思考回路を辿るのでしょうか?
ここからは心理状態がより鮮明に見えてきます。
心の拠り所がない
少しだけ 少しだけ
少しだけ 少しだけ
1畳でも居場所が欲しかった
僕だけが 僕だけが
僕だけが 僕だけが
誰かの1番でありたかった
出典: main actor/作詞:美波 作曲:美波
先ほどは存在証明が「ひとつもない」ことを歌っていました。
どうやら、居場所も見つけ出せないようです。
この「居場所」という感覚はとても大切。
幼い子供は家族という居場所があるからこそ、外の世界を冒険できます。
それと同じように、心の拠り所があるだけでどんなことにも挑戦することができるのです。
逆に安心できる居場所がないと、いつまでもストレスを抱え込んで怯えてしまいます。
主役とはいいがたい今までの人生。
村人なのだから、極端な言い方をすれば他にいくらでも替えがききます。
そうじゃなくて「あなたでないといけない」と誰かに言ってほしい。
自分自身では肯定できないから、せめて誰かに認めてほしい。
そんな心境が綴られているのだと思います。