竹原ピストル「ゴミ箱から、ブルース」とは?

【ゴミ箱から、ブルース/竹原ピストル】人気ドラマEDに起用!当然の如く泣ける歌詞を考察!コード付き♪の画像

「ゴミ箱から、ブルース」は2018年2月7日に発売された竹原ピストルの配信シングルです。

また、2018年4月4日発売の最新アルバム『GOOD LUCK TRACK』にも収録されました。

ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」のED曲でもある本作。

ドラマのサウンドトラックCDにもエンディング尺のバージョンが収録されていますね。

大杉漣さんのあまりにも突然のご逝去により、最後の作品という意味でも私たちの心に残るドラマとなってしまいましたが...。

ドラマの思い出とともに心に染みる歌詞の意味を解釈していきましょう。

バイプレイヤーズの真剣に聴き入る姿が見られる「ゴミ箱から、ブルース」のMV

ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」で本人役を演じる面々が見つめる中での演奏が収められるMV

前作「バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」でもEDを担当、「Forever Young」を歌い上げた竹原さん。

前回に引き続き、出演者の前での演奏でしたが、決して諦めずに俳優としてのキャリアを積み上げてきた名脇役の面々の前。

諦めるなというメッセージの本作を歌うのは竹原さんにとってガクガクの経験だったとか。

しかし、心から熱唱する姿に聴き入っている姿は役として演じるのと同時に本気で聴き入っているようにも見えますね。

その証拠にこの動画では見ることができないのですが、フルバージョンのMVではカットがかかってから拍手をする姿が映っているんです。

コメディータッチでありながら、人間としての生き様のようなものを教えてくれるこのドラマのEDを飾るこの「ゴミ箱から、ブルース」。

その歌詞の意味を解釈していきましょう。

「ゴミ箱から、ブルース」の心に染みる歌詞を解釈

ここからは竹原ピストル「ゴミ箱から、ブルース」の歌詞を解釈します。

「バイプレイヤーズ」を見ていたという方はぜひドラマの名シーンも思い浮かべながら歌詞解釈を読んでいただければと思います。

始めから何も持っていなかったのだから、失うものは何もない

はじめから何も持ってなかったのに
失くしたも何もないだろうによ
やたらとポケットをほじくる癖がなおらないうちは
猫背もなおらないさ
靴に履かれて
街に歩かれて
頭を引っ込めなければ
帽子を引っ掛けてしまいそうな低い三日月

ブルース。。

出典: ゴミ箱から、ブルース/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル

年を重ねるうちに何かができなくなって行ったりと、人間は老いとともに何かを失っていくような気がするものですね。

「Forever Young」ではそれに対し、若い頃の自分にあって年を重ねた自分にないものなんてないと歌っていました。

一方で「ゴミ箱から、ブルース」では始めから何も持っていなかったと思えば何も恐れることはないというように歌っていますね。

一見対照的に見える歌詞ですが、要するに、年を重ねることを恐れるなということなのでしょう。

「バイプレイヤーズ」のOPでは遠藤憲一さんがポケットに手を入れて歩いていましたが、ポケットに手を入れると自然と少し猫背になりますね。

格好良く見せるためにポケットに手を入れるという仕草も、年を重ねるのも猫背になるという点では変わらない。

腰が曲がるというのは年をとるという典型的なイメージではありますが、このような捉え方をすると、それだって見方次第と考えることができますね。

しかし、靴を履くのではなく靴に履かれているような男は今日も肩身が狭そうに首をもたげて歩いている。

つまり、年をとった男に、どうしてそんな風に腰を曲げ、肩身が狭そうに生きているのかと問いかけている歌い出しだったのですね。

続きの歌詞も見ていきましょう。

生きるために働いている、だけども...

洗濯機 レコードプレーヤー 堂々巡りのもの思い
一体何回転させなければならないのか
一日をたった一回転させるがために
一体何回転させなければならないのか

のそのそと寝ぐらを探しているかのように
のそのそと寝ぐらで過ごしている
自分の爪の垢を煎じて
自分で飲んでりゃ世話ないよな。。

ブルース。。

出典: ゴミ箱から、ブルース/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル

1日の中で一番好きな時といえば、布団に入った時。

そう言いたくなるくらい、疲れている人も多いのではないでしょうか。

しかし、それでは寝るために1日を過ごしているのと同然で、そんな風に過ごす1日は寝ているのと同然だと解釈できる歌詞。

そんな様子を繰り返しの日々という意味で洗濯機やレコードプレイヤーのようにただ回るというイメージを想起させるものに例えているのでしょう。

そんな風に過ごすくらいなら、自分の爪の垢を煎じて自分で飲んで自給自足なんてできたら世話ないのですが、そんなことができるはずもなく。

生きるために今日も働くほかない現実。

「ブルース」とは元を辿れば労働歌にもつながると言われていますが、まさにそんな生きるために働く人間の哀しみを映しているようですね。

本気で何かに取り組んでもいないのに、人生を諦めるな

火を点けてみてもいないのに分かろうとするなよ
分かってもいないのに捨てようとするなよ

出典: ゴミ箱から、ブルース/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル

厳しい現実を歌った前の歌詞でしたが、ここからはそれを踏まえた上で、鼓舞するのがこの部分の歌詞です。

もう自分の人生は終わったと諦めているかもしれないがまだ始めてさえいないのではないか。

本気で何かをやらなければ自分の人生の意味なんてわかるはずもない。

だからこそ、本気で何かをする前に自分の人生を勝手に諦めて捨てるなということを「火」を使って表現しているのですね。