【歌詞】独特の「小さな世界」にハマろう

King Gnu【It's a small world】歌詞を解説!独特の“小さな世界”にハマろう!の画像

キングヌーの作詞・作曲をしているのは常田大希さん

「It's a small world」ではボーカルを井口理さんに任せ、魅力的なギターを奏でておられます。

そんな常田大希さんは井口理さんに何を歌わせたかったのでしょうか。

ロマンチック!素敵すぎて中毒性がある……と評判の歌詞について、深掘りしていきましょう。

ダンスなんて上手く踊れないけれど
今だけは踊りたい気分
イケてるステップなんて刻めないけれど
誰も見ちゃいないし気にしないで

皆寝ちゃったよ
今夜、世界は僕らのもの

出典: It's a small world/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

いきなり井上陽水さん作詞・作曲ダンスはうまく踊れない」へのオマージュですね?

歌っていたのは石川セリさんや高樹澪さん……なんてキングヌー世代だとお口ポカ~ンかも。

ただし、井口理さんはご家族の影響で井上陽水さんをリスペクト!とのことなのであり得ます。

そんなこんなでボヤ~っとしていると、破壊的にお見舞いされるのが「ステップ」!

どうしてそこだけそんなに強調するの?とニヤニヤさせられます。

「It's a small world」でキングヌーとしてステップアップしたい!という意味でしょうか。

もちろん、サウンド的にバラエティに富んだリズムがキングヌー最大級の魅力なんですが……。

いずれにしても誰しも寝静まる夜なら、僕らだけの「小さな世界」が展開できるというわけです。

ステップがイケてない……というのは謙遜というか、イケてないという設定の物語と思われます。

アニメドラマでもよくある、「イケてない」人物が主人公のストーリー。

きっとこの楽曲で描かれているのも、そんな定番の物語なのでしょう。

どんなにイケてない主人公だって、僕らだけの「小さな世界」では関係ありません。

そこで展開されるのは他の誰でもない、僕らが主役の物語

そこではどんなにイケてない僕らでも、世界で1番輝くことができるのでしょう。

だからこそ苦手なダンスも踊ってみせますし、難しそうなステップにも挑戦してみせるのです。

止まらない人生…

ロマンチック大放出

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明日の事なんてわからないけれど
人生は止まらないし
夏の終わりの熱帯夜に二人
夜に眩しいほどに煌めいて

皆寝ちゃったよ
今夜、世界は僕らのもの

出典: It's a small world/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

続いて、映画「カメラを止めるな!」へのオマージュを歌詞でも……ということでしょうか。

近未来のSF世界でも止まらないんですね、人生は

破壊的なリズムを刻んだ「ステップ」の部分に相当するのは「熱帯夜」。

ここではリズムを変えて、スカしてきましたね。おもしろすぎます。

こんなふうに音の遊びにあふれたキングヌーだから、ビートフェチにはタマリマセン。

さらに真冬に聴いても汗ばむほどロマンチックな歌詞になっているところがシビレます。

「小さな世界」しか見えなくなるほどの恋愛ってコメディなんだなあ、とクスクス笑いつつ……。

ただ、自分たちだけの世界に引きこもってしまうほど夢中になれる恋愛は素敵なものです。

それにしてもこんなにロマンチックな言葉を伝えられるなんて…。

「小さな世界」はやはりイケてない僕らが輝ける物語とみて間違いなさそうですね。

現実世界では「キザな奴」と思われてしまいそうなセリフでも、この物語の中でなら気にすることなく言えるのです。

もう1つの解釈

例えばこんな捉え方はいかがでしょうか。

イケてない僕らというのが実はキングヌーの常田さん井口さんを指しているとしたら…?

2人が出会いから現在までを振り返っているようにも聴こえませんか?

もしかすると先程登場したうっとりするような甘いフレーズも、常田さんが井口さんに向けて発していたもの。

こんな可能性もあるでしょう。

ただの恋愛物語と思いきや、実は地元の先輩後輩だった2人がバンドを結成したこと。

そしてそれ以来同じバンドメンバーとして歩んできたこれまでの歴史が詰めこまれている。

たった1つの表現からいくつもの解釈ができることも、キングヌーの魅力だといえそうですね。

君の世界に生きる僕

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君の世界に僕も生きられるなら
それは素敵な事でしょう?
(子供みたいに戯れあってさ)
大人になんてなりそびれたままでいいの
勝手に世界が回っても
(それもいい、いっそ君だけでいい)

出典: It's a small world/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

アニメ「BANANA FISH」のエンディング曲「Prayer X」でキングヌーを知った人も多いでしょう。

あの「一体全体」という歌詞&ボーカルはただごとじゃありませんでした。どう考えても確信犯!

そしてヌー沼にハマったクチなので、どうしてもキングヌーと「BANANA FISH」が重なります。

「It's a small world」では常田大希さんのギターと井口理さんのボーカルが戯れ合い……。

まるでアッシュ・リンクス&奥村英二じゃないですか。常田大希さんがアッシュに見えてきます。

君はそのままでいい」……そう常田大希さんが井口理さんに言っているように聞こえます。

僕(=常田大希さん)が世界を回してあげるから、君(=井口理さん)のために……。

そこで今回は「君だけ」=井口理さんだけがメインボーカル……なんて飛躍しすぎでしょうか。

ただ先程、歌詞が実はキングヌーの常田さんと井口さんの関係を表現しているのでは?という解釈をしました。

ここでもこの解釈が可能なのです。

井口さんは非常に特徴的な声の持ち主。その声はキングヌーが持つ武器の1つでもあります。

常田さんはそんな魅惑の声を最大限に活かし、自分たちの演奏でより引き立てたいと願っているのではないでしょうか。

僕が君のいる世界で生きたいと願う理由。

それは常田さん自身が井口さんに最も魅了されており、それを多くの人に伝えたいと願っているからかもしれません。

いつまでも音楽を始めた頃のような初期衝動を大切に…。最高の仲間たちと、まさに「音」を「楽」しみ続けたい。

子どもでいたいと願うのも、そんな気持ちが心のどこかにあるからでしょう。

飛び込んだ夜の結末

悲劇は喜劇

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息を潜めろ街が寝静まるまで
Shining Shining Shining Shining
恐れずにこの夜に飛び込むの
Shining Shining Shining Shining

君の世界に僕も生きられるなら
それは素敵な事でしょう?
(子供みたいに戯れあってさ)
大人になんてなりそびれたままでいいの
勝手に世界が回っても
(それもいい、いっそ君だけでいい)

出典: It's a small world/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta