太陽まで飛んでいくといえば、有名なのがギリシア神話のイカロス伝説ではないでしょうか?
下記の出典元ではイーカロスとなっています。
鳥の羽と蝋で翼を作り、太陽まで飛ぼうとした人物です。
自由自在に空を飛べるイーカロスは自らを過信し、太陽にも到達できるという傲慢さから太陽神ヘーリオス(アポロン)に向かって飛んでいった。その結果、太陽の熱で蝋を溶かされ墜落死した。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/イーカロス
「恋鴉」に出てくる鴉はイカロスなのでしょうか?
この段階ではわかりません。
しかし、激情をたぎらせる人物だというのは一致していると思います。
鴉はアーサー王?
イギリスでは、アーサー王が魔法をかけられてワタリガラス(大ガラス)に姿を変えられたと伝えられる。このことから、ワタリガラスを傷付けることは、アーサー王(さらには英国王室)に対する反逆とも言われ、不吉なことを招くとされている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/カラス
鴉は日本以外でも霊的な動物として扱われているのですね。
魔法をかけられて鴉に憑いている魂はアーサー王のものなのでしょうか。
これだけでは限定することはできません。
それに「恋鴉」の鴉をイカロスやアーサー王として限定すると、歌詞の解釈が狭まりそうです。
一旦、夢半ばで潰えてしまった人物=主人公として捉えましょう。
2番のAメロでストーリーは動く?
雨が紡ぎ出す光
雨粒を纏った翼が
一番綺麗な色に輝く
それを見てもらいたい相手は
あなたひとりしかいない事実
出典: 恋鴉/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO
鴉の翼に貼り付いた雨粒はどうなるでしょう?
鴉の体の油を吸います。
そしていくつもの光を反射して虹色になるのです。
アスファルトに雨が降って、水たまりが虹色に見えることがあります。
それと同じ原理です。
2番のAメロでは、真っ黒な鴉が虹色になる瞬間を歌っているのでしょう。
黒が虹色になる。
まさに、俺に不可能はないという表現ではないでしょうか。
水滴ひとつに注目してクローズアップすると、鴉に憑いている主人公の顔が浮かんできそうですね。
恋の相手へのアピールという解釈
2番のAメロは、シンプルに人間を鴉に喩えているという解釈もできます。
雨が逆境や汗を表しているのです。
翼といっているので、それでも飛ぼう、立ち向かおうとしているのでしょう。
そんな瞬間を1番大切な人に見てほしいと願っているのです。
そう捉えると青春の一幕のような印象も受けますね。
映像がいくつも浮かびます。
ストレートな表現?2番サビ
投げやりな感情を歌う?
恋の滓がまだ残っている
面倒くさいったらありゃしない
いつになったらこの俺は
流れ星になれるの
もう一回でいいから振り向いてくれ
出典: 恋鴉/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO
2番のサビはかなり直情的な内容になってきました。
歌詞の主人公は想い続けている相手に振り向いてほしいだけなのかもしれません。
2番のAメロで垣間見えた青春っぽい表現とあわせると、主人公は恋にもがいているようです。
「なるほど、恋に悩む人間の主人公を鴉に喩えているのか。」
そのように解釈できます。
しかし、言葉をひとつひとつ見ていくとやっぱりそれだけではないような気もします。