話題沸騰中のラッパー・さなりの第二弾配信シングル「Prince」

「Prince」は大きな話題となっているラッパー、さなりさんの2ndシングルです。

落ち着いた穏やかな曲調に、きらびやかなさなりさんの歌声がポップでファンシーな雰囲気にしてくれます。

この曲をリリースした時のさなりさんは高校生だというのですから驚きですね。

1stシングルの「悪戯」にあった少しダークな印象からは一変し、甘くて切ない曲になりました。

MVではモデルの木野山ゆうさんが出演していますが、彼女がヒロインということでしょうか。

タイトルは日本語でもよく使われる「王子」を意味する「プリンス」。

このタイトルから「ラブソングかな?」と思わせます。

一体どんな人がヒロインの王子様になるのでしょうか。

独特な空気感を醸し出す、さなりさんの世界観を覗いてみましょう。

「君」との関係は

「Prince」の歌詞はラップなので、全体的に文字数が多めです。

主人公には気になる人がいるようですが、あまり状況は思わしくない様子。

いったい何が起こっているのでしょうか。

良くないことが起こった日

爽快な夢をみてたbad days
real talk 時と共にサーフェイス
あっけなく終わるお互いのfate
好きにしなよ俺はこのままのペースで
苦い苦い苦いfake love
確かめ合う必要はない
24/7 隣にフレンズ yeah
フリーダム フリースタイル 君はいないね

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

良い夢を見ていたと思いきや、今日は良くないことが起こっていたようです。

「サーフェイス」とは「Surface」、つまり「表面」です。

お互い話していたことは本音ではなく、うわべに過ぎなかったということでしょう。

主人公が誰と話していたのかは具体的に書かれていません。

後の歌詞を読むと、主人公の好きな人である「君」でしょうか。

もともと付き合っていたのかもしれませんが、別れはあまりにもあっさりだったようです。

あんなに愛し合っていたのに、いとも簡単に去ってしまったことがショックだったのでしょう。

それなのに「好きにして」というのは強がりなのでしょうか。

今は「君」でははなく友達と一緒にいるようです。

「24/7」は「24時間」と「7日」という意味のネットスラングです。

つまり「週休なし」ということになります。

四六時中ずっと友達とつるんでいるのですね。

それで悲しみを紛らわそうとしているのですが、「君」がいないことでどこか虚しさを覚えています。

一緒に先へ行きたい

華麗なstepで踊らせてみてよ
生まれ変われるならそばに居て
次のstageに突き飛ばして
さぁ遥か上の上 君をみるgood day
他人の痛みなんて 誰も分からない
周りの目から逃れられない
All eyes on me だれも見ていない
くだらない比べ合いにはgood bye

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

今世は別れてしまいましたが、生まれ変わったら一緒にいられるかもしれません。

そうしたら、今度はもっと先のステージに行ける可能性もあります。

結婚だってあり得たでしょう。

そんなことを思いながら空を見上げているのでしょうか。

二人で楽しく踊って幸せになれるという、来るはずのない未来を想像しているのです。

それを見て「凹み過ぎ」と笑ってくる他人もいるでしょう。

逆に「辛かったんだね」と同情してくれる人もいるかもしれません。

主人公だって、辛さのあまり「あの人も凹んでいるみたい、でも自分の方が…」と思うこともある筈です。

人間は辛い時ほど自分と誰かを比べてしまいます。

しかし自分の抱える痛みは、結局自分にしか分からないのです。

結局のところ、他者は自分を見ているようで見ていません。

それは主人公も同じで、凹んでいる他人の本当の辛さは理解できないのです。

だからこそ、悲しみの中で誰かと自分を比べることはしないと決めました。

言葉で切り開く未来

Anyone will do yeah
あしらってstay
誰も知らない場所へ
未来は不安定不確定 でも
言葉達ときっと
夢みたいなところに行こう
果てのない旅は続く
君をうなずかせるまで

出典: Prince/作詞:さなり 作曲:さなり

今は一緒にいられませんが、このまま永遠に離れたままとは限りません。

未来は自分次第でどうとでもなる可能性があります。

ひょっとしたら、「君」とまた一緒にいられることもあり得るのです。

その可能性を持たせてくれるのが「言葉」。

心を揺り動かす力がある「言葉」なら、どんな世界にも羽ばたけます。

「君」がもう一度隣に来てくれるまで、主人公は奮闘しつづけるでしょう。

君の王子様