「いいね!」は気軽につけられるのに
目の前の君には何もいえない
出典: アシンメトリー/作詞:岸井セイカ・安田レイ・玉井健二/作曲:田中秀典
こちらもとても印象的な歌詞です。
いいねは気軽につけられるというところに、思わず頷いてしまう。
上の方でも書きましたとおり、SNSの特徴がまさにこれですよね。
顔が見えてないから、必死に投稿を追いかけて、いいね!をおす。
しかし、いざ目の前に君が立っていると、何も言えない。
なんだか平然を装って強がろうとするけれど、本音は話したくてたまらない。
このSNSと現実の違いって本当になんなんだろうなと思います。
その答えはきっと、「反応の強さ」でしょうね。
リアルに1体1で話すと、SNSで絡むよりも強い反応が返ってきます。
もしかすると、気まずくなって二度と話せなくなるかもしれない。
そんなことを考えていたら、もう話せない。
それを端的に表したこの歌詞は、とても秀逸な表現だと思います。
タグとは何を意味しているのか?
また少しだけ髪型を変えて 気づかない
それでまた落ちて
いつだって 自分についたタグが悲しい
出典: アシンメトリー/作詞:岸井セイカ・安田レイ・玉井健二/作曲:田中秀典
タグとは何か
ここの歌詞は曲の中で一番理解しづらいところかもしれません。
自分についたタグがなぜ悲しい?
でもその前に、ご存知の方も多いとは思いますが「タグ」についての解説をしておきましょう。
タグとは、Instagramなどでアカウントが写真の中に埋め込まれることです。
何かの投稿の中に@を使ってアカウントを入力するとその人のアカウントを表示させることができます。
また、ハッシュタグという意味もあるでしょう。
ハッシュタグとは、#を使って有名なキーワードや、個人的なキーワードを打ち込むことです。
そうして、SNS上で公に誰かと絡むわけですね。
なぜタグ付けされたのに悲しいのか
これは、「その人にとって自分が所詮元カノだから」ではないでしょうか。
その人との絡みに、とても本気になっている自分と、軽く絡んでいるだけの相手。
これこそアシンメトリーです!
想像してください。
あなたは彼と別れました。
彼には新しい彼女がいるけれど、自分はまだ未練たらたら。
元彼とは今は友達のような関係になっており、ふとした行動や行為にどきっとする私。
そこで自分に向けられたタグを見たところを想像してください。
なんだか、温度差にすごくガッカリするのではないでしょうか。
元彼はただ訳もなく絡んでいるだけなのに、それを真剣に受け止める私。
こう考えてみるととても共感できると思います。
ちなみに作詞された安田さん自身、こういったアシンメトリーな恋愛をされてきたようです。
まさに彼女にしか書けない素敵な歌詞だと思います。
結局アシンメトリーとはなんだったのか
不器用で不揃いで真っ直ぐなふたり
どこにもないよどんな日も ひとりがいいと思う時
出典: アシンメトリー/作詞:岸井セイカ・安田レイ・玉井健二/作曲:田中秀典
アシンメトリーとは「非対称性」だと書きました。
では、この曲「アシンメトリー」が言いたかったアシンメトリーなものとはなんだったのでしょうか。
これは、主に2つあると思います。
私の気持ち
まず、私の気持ちがアシンメトリーといえるでしょう。
あなたのことが好きで、諦めきれず、考えて考えて、好きなのに嫌い。
この感情の背反する状態をアシンメトリーと呼ぶことができると思います。
君と私の関係
私と君の関係がアシンメトリーといえるでしょう。
つまり「想い」の差です。
私は本気で好きで、でも君は違う。
その関係こそが歌詞の「不揃いなふたり」というものです。
君と私に想いの差があるから、自分に向けられたタグを見て憂うわけです。
終わりに
「アシンメトリー」は、大変共感と評価の声が多かった素晴らしい曲だと思います。
安田レイさんはプロデューサーの玉井健二さんと共に、「安田レイ第二章」としてこの曲を制作されました。
上で述べたように、安田さん自身この歌詞のような恋愛をされてきたそうですね。
原作である漫画「モトカレマニア」を読みながら、その内容に共感しながら曲を作られたようです。
玉井さんと言えば、JUJUやYukiといった大物歌手をヒットさせてきたヒットメーカー。
安田レイさんのピュアな気持ちと、玉井さんのプロデュース力が掛け合わさってできた今作品。
MVも凝ってあって、シンメトリー・アシンメトリーの描写が巧みに表現されています。
ぜひ元彼のことが忘れられない時、恋に悩んだ時はこの曲を聴いてみてください。
きっと、この悩みは自分だけじゃないんだと安心するはずです!