「翳りゆく部屋」ってどんな曲なの?

「荒井由実」時代の曲

「翳りゆく部屋」松任谷由実の名曲をエレファントカシマシが歌う?!歌詞の意味を徹底解釈!【動画あり】の画像

1976年に発表されパイプオルガンのイントロが印象的な曲。

オリコンで10位までしか到達しなかった曲ですが隠れた名曲ですね。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BF%B3%E3%82%8A%E3%82%86%E3%81%8F%E9%83%A8%E5%B1%8B

「翳りゆく部屋」はユーミンこと松任谷由実の曲ではありません。

というのもこの曲を発表した時に松任谷由実は「荒井由美」と名乗っていました。

その後に結婚して「松任谷」性を名乗るようになったのです。

松任谷由実=ユーミンといえば日本の女性シンガーソングライターの草分けでもありますからご存じですよね。

「翳りゆく部屋」は荒井由美名義で発売された最後のシングル曲です。

男女の別れを綴った楽曲で、憂いのあるメロディーと心が苦しくなる切ない歌詞が特徴です。

あまり売れませんでしたがベストアルバムには何度も収録された良曲。

ユーミンのお気に入りかも知れませんね。

隠れた名曲といってもいい曲ですので、ユーミンファンなら絶対にチェックすべきですよ!

今回はこの歌をじっくりと徹底解説したいと思います。

「翳りゆく部屋」の歌詞を徹底解剖!

切なすぎる歌詞をチェック!

「翳りゆく部屋」松任谷由実の名曲をエレファントカシマシが歌う?!歌詞の意味を徹底解釈!【動画あり】の画像

男女の悲しい別れの歌です。

この2人はどうなっていくのでしょうか。

まずは一番の歌詞からみていきましょう♪

窓辺に置いた椅子にもたれ
あなたは夕陽見てた
なげやりな別れの気配を
横顔に漂わせ

出典: 翳りゆく部屋/作詞:荒井由実 作曲:荒井由実

椅子にもたれながら夕陽を見ている男性を女性は悲しそうに見つめます。

会話を交わしたのでしょうか。もう会話も交わせないほど仲が醒めきっているのでしょうか。

男性の横顔には別れの雰囲気が感じられます。

「なげやりな」という言葉には、いつも冷たい態度を取っている男性の振る舞いが感じられますね。

この2人の場面の空気感とやり取りを想像すると、イメージが鮮やかに浮かびます。

女性の気持ちを考えると切なくて泣きたくなります。

男性は女性に対して温かい言葉のひとつさえも掛けてないので女性は別れの予感を実感しているのでしょう。

切なさを感じる女性。

「当初はこんな人じゃなかったのに。」

そう思っているのかもしれません。

今や交わす言葉が減り、何も語らなくなった彼。

「自分のせいなのか、それとも時間がそうさせたのか。」

彼女はきっと悲しみながらも、考えたことでしょう。

しかしその問いに答えはありません。

きっとここの歌詞は、そういった時期を越えた後のものでしょう。

もしくは別れてしばらくしてから、過去を回想しているのかもしれません。

歌詞からは、女性の迷いや悶々とした気持ちは感じられないからです。

むしろどこか諦めたような、そんな雰囲気が感じられます。

彼女は答えの出ない悲しみを、今や客観視しているのです。

これは彼女が悲しみ、悩み抜いたあとの感情を表しているといえます。

「どうしてこうなっちゃったのだろう。」

そんな疑問を残しつつも、彼女は今の状況を受け入れています。

迫りくる夜

二人の言葉はあてもなく
過ぎた日々をさまよう
ふりむけばドアの隙間から
宵闇が しのび込む

出典: 翳りゆく部屋/作詞:荒井由実 作曲:荒井由実

2人は話し合っているのでしょうか。これまで2人で過ごした思い出を。

楽しい思い出も悲しい思い出も全部。

これから復縁できるかもという、かすかな淡い期待を抱きながら女性は男性に話しかけているのかも知れません。

それとも、独り言のようなつぶやきは決して相手の耳には届かずに、ただただ空中をさまよって漂っているだけなのでしょうか。

この部分の歌詞から読み取ると、どちらとも取れますね。

でも決定的なのは男性の心はもうここにはないということ。

そして時間が進みます。男性はドアを開けて出ていきます。

女性がひとり残された部屋へは夜の闇が侵入してきます。

男性は出ていったのです。二度と戻って来ないでしょう。

とても簡単な歌詞なのに切なすぎて泣けてきます。

今や2人の未来はとても期待できません。

現在もどこかぎくしゃくとした時間が流れます。

2人が楽しく笑い合っていた過去の日々。

時間が足りないくらい、話が盛り上がっていたかもしれません。

どこからともなく湧いて出てくる話題。

今の2人にとってはありえない状況です。

「昔はどうやって話してたっけ。」

2人はそう思っているかもしれません。

そこで女性が思い出話や過去の話題を男性に振ります。

しかし男性の返事はつれないものです。

曖昧な返答。

盛り上がらない会話。

そして自然と2人の会話は途切れ、終わっていきます。

過去を思い出そうにも、もうどうやって話していたか分からない

過ぎた日々をさまようという表現は、こうした状況を表しているのかもしれませんね。

サビの歌詞で表現される痛切な想い

失恋の悲しみ

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

出典: 翳りゆく部屋/作詞:荒井由実 作曲:荒井由実