あいみょん「ジェニファー」
2015年にデビューして以来、破竹の勢いで人気を獲得しているあいみょん。
今回はそんな彼女の楽曲「ジェニファー」をご紹介します。
この楽曲は、2017年9月13日に発売されたメジャー1stアルバム『青春のエキサイトメント』に収録。
若さから生じる初期衝動を感じるような歪んだギターのサウンドが特徴的です。
そんなバンドサウンドの中から聞こえてくる芯のある彼女の歌声が私たちの心に語りかけてきます。
今回の記事では「ジェニファー」の歌詞に注目し、その意味を徹底解釈していきましょう。
タイトルにもなっている「ジェニファー」にはどのような意味が隠されているのでしょうか。
それは歌詞を順を追って見ていくことで分かっていきます。
それでは冒頭の歌詞から解説していきましょう。
アンバランスな心
あの雲のような2人
今にもちぎれそうな雲は
まるで僕たちのようだね
バランスのとれない2人は
いつも曖昧で
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
まずこの最初の歌詞パートでは、主人公と誰かが2人で空を見上げている場面が描かれているようです。
1、2行目では彼らの関係性と雲の様子を重ね合わせています。
ここから分かるのは、2人の間には心の距離があるということです。
3、4行目では2人のその距離感について述べているのかもしれません。
2人が恋愛関係にあると仮定するならば、ここでは相手への好意の大きさのアンバランスを表現しているのでしょう。
どちらかが相手を一方的に深く愛していても、それは関係の安定には繋がりません。
お互いにある程度気持ちが均等でなければそれは不安定な関係となってしまいます。
ここではそんな2人の安定しない関係性を歌っているのでしょう。
現在地から更に1歩踏み込むことができないから、お互いに曖昧さのある関係を維持しているのかもしれません。
不安定な理由
心の奥じゃ今日も不安定
夢でも見れたらいいけど
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
そしてそんなアンバランスな関係は、自分の心にも同じように不安定な感情をもたらします。
好きな相手の気持ちが分からず、心配になっているのかもしれません。
2行目ではもっと気軽な気持ちになりたいという、主人公の感情が読み取れる表現です。
「夢」という言葉からは、今の彼の感情が間接的に分かります。
彼女への気持ち
謎の笑い声
クスクスと笑うのはどいつだい?
そこにいるのかい?
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
そんな心境を綴った歌詞において突然謎が深まり出すのがこの2行の歌詞です。
この笑い声が意味するのは一体何なのでしょう。
主人公にとっても、その声が誰のものなのか分からずにいるのでしょう。
しかし、どこかその笑い声は彼のことを小馬鹿にしているようにも感じられます。
声の主の居場所はわからないけれど、確かにその場所にいると分かる。
これはもしかしたら実際の声ではなく、主人公の心の中で聞こえている声なのかもしれません。
「ジェニファー」はどこにいるのか
さよならは言わないでジェニファー
今もまだ覚えてる
君の胸の中でもいつか
思い出してほしいよ
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
このパートではタイトルでもある「ジェニファー」という人名が登場します。
これは一体何を表しているのでしょうか。
考えられるのは、前述のパートにおける声の主との関連性です。
この「ジェニファー」が声の主であると考えられるのではないでしょうか。
そして、これは冒頭の歌詞で主人公と一緒にいた人のことを表しているのでしょう。
彼は好意を抱いている「ジェニファー」という女性のことを心の中でいつも思い出しているのです。
このパートの1、2行目で分かるのは、この女性と彼は今では会うことができないということ。
どうして2人は会うことができなくなってしまったのでしょうか。
それは恐らく、冒頭の歌詞パートで描かれていたように2人の想いが均衡を保てていなかったことが原因でしょう。
彼女はもしかしたら主人公の元恋人なのかもしれません。
「ジェニファー」は彼への想いが冷めていったことを理由として、主人公の元を去ったのではないでしょうか。
それでも主人公は好きだった気持ちを忘れられない。
だからこそ今でも「ジェニファー」のことを心の中で想い続け、その笑い声を思い出しているのかもしれません。