2人の関係性
目覚めの朝
近所の犬が鳴いたベルで
当たり前の朝が来たよ
バランスのとれない体が
また吸い込まれる
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
犬の鳴き声がまるで目覚まし時計のように主人公のことを目覚めさせた朝。
このパートの3、4行目では彼の精神状態がこちらに伝わる言葉が綴られています。
これは恐らく、未だに「ジェニファー」との別れを引きずっていることが表現されているのでしょう。
ベッドに身体が吸い込まれているのは、眠気ではなく彼の心にあるその重さを持った感情が原因なのです。
しかし主人公にとって別れによって生まれたその気持ちが今でも悲しいものなのかどうかはここでは釈然としません。
彼女に会いたいという気持ちや、会えないことへの失望はあっても涙に暮れているような状態ではないようです。
消えていく約束
約束を果たそうよジェニファー
今もまだ覚えてる
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
このパートでは現在の2人の関係性が描かれています。
1行目の「約束」という言葉には、その関係性に関しての大きな意味が隠されていそうです。
歌詞中ではこの言葉の明確な答えは提示されていないため、作者がこの言葉を用いた意図は分かりません。
しかし、前後から推測するにこれは2人が再会を約束したことを指しているのではないでしょうか。
だからこそ、主人公は未だに「ジェニファー」のことを忘れられずにいるのでしょう。
もし2人がこの約束をしておらず、それが永遠の別れであったなら主人公の心境も違ったものだったかもしれません。
主人公はその再会の約束を信じ、彼女のことを待っているのだと考えられます。
離れていく気持ち
消えそうな想いの火
君の胸の中ではそうか
消えそうに揺れるのかい
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
しかしそんな彼の目前に一向に現れない「ジェニファー」はきっと今ではその約束を忘れかけている。
彼はそう考えているのだと、この2行の歌詞によって分かります。
自分1人がその希望を胸に生きていることに対して、彼は2人の気持ちの温度差を改めて感じているのかもしれません。
今ではもしかしたら彼女は、過去を振り返らずに前へ踏み出しているかもしれない。
それを指して彼は2行目にあるような言葉を呟いているのかもしれません。
まるで消えかけの蝋燭の火のように、ゆらゆらと頼りなさげに燃える彼女の彼への気持ち。
もうすぐその恋が終わるのだということを彼も自覚しているのかもしれません。
明るい未来を夢見て
どうか忘れないでいて
ちぎれそうな雲は
明日になれば繋がるだろう
ジェニファー会いたいんだ
出典: ジェニファー/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
このパートではそんな終わりそうな恋に対しての主人公の願いが描かれているのでしょう。
1行目から4行目まで、会えない「ジェニファー」に対して呼びかける彼の言葉が描かれているようです。
ここでは冒頭の雲の表現が再度登場していますが、どこか希望的な表現となっています。
2、4行目の歌詞は、主人公がそうなると確信しているようにも読み取れる歌詞ですが実際はそうではないのでしょう。
そうした未来を思い描くことで、彼にとっての明るい未来を引き寄せたいという切実な願望を意味していると考えられます。
その切実さが、4行目の真っ直ぐな彼の「ジェニファー」に対しての感情の吐露へと繋がっているのでしょう。
この楽曲は会いたい人に会えないことの切なさを表現しながらもそこに悲しみはそこまで深く表現されていません。
このことから、彼にとっては大切な人が心の中にあり続けることが希望にもなっていると考えられないでしょうか。
会えないことの寂しさを感じながらも、「ジェニファー」が心にいるからこそ日々を頑張れているのかもしれません。
「ジェニファー」では主人公の片思いのように募る気持ちと心の支えとなっている感情の両面が表現されていました。
まとめ
今回は「あいみょん」の「ジェニファー」の歌詞の意味を解説してきました。
心の中で何度も「ジェニファー」に問いかけるように言葉を紡いでいた主人公。
そこからは、彼女への想いとその想いが彼にとってとても大切であることが伝わってきました。
別れた後も思い続ける主人公の言葉は片思いのような切なさもありながら、どこか清々しさも感じられるもの。
切ない別れを経験した人は、この楽曲を聴くことによってそんな自分自身に誇りを持てるかもしれません。
この記事を最後まで読んでいただいたことで、楽曲への理解を深めていただけたなら嬉しいです。
最後に、OTOKAKEに掲載されているあいみょんの記事から、おすすめのものをご紹介します。
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