幼なじみからのスタート

【花*花/さよなら大好きな人】名曲の歌詞を考察!!好きなのに離れてしまった背景には何が見える?の画像

こじま いずみさんと、おの まきこさんのデュオ「花*花(はな はな)」。

2人は小学生の頃、児童合唱団で同期として過ごした幼なじみです。

1998年からインディーズとして活動を始め、メジャーデビューは2000年。

メジャー1stシングル「あ~よかった」がロングセラーとなり知名度がグンと上がりました。

そして2ndシングルとして10月にリリースされたのが「さよなら大好きな人」です。

「あ~よかった」のほっこりほのぼのムードから一転、しっとり聞かせるバラード曲。

この落差もアクセントになっていましたね。

ドラマの主題歌に起用

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2000年に放送されたTBSの連続ドラマ「オヤジぃ。」。

田村正和さんが3人の子供に煙たがられる絵に描いたような頑固オヤジの開業医・神崎完一を演じました。

長女の小百合(水野美紀)は小学校教諭ですが不倫の末妊娠。

次女のすず(広末涼子)はエリート商社マン・博(及川光博)と婚約していましたが完一のせいで破談に。

末っ子の正(岡田准一)は完一の後を継ぐべく医大を目指す予備校生だが望みは薄く、悩んでいます。

そして良妻賢母に見えた美矢子(黒木瞳)にも秘密があり……。

今見ても豪華な顔ぶれですね。

家族だから言ってしまう余計なことや、家族だから言えないこと……。

方向性は違えど、それぞれが家族を大切に考えているホームドラマであり、ホームコメディでした。

さて、この後の動画は歌番組に出演した際のお2人です。

「大好きな人」はおじいちゃん

こじまさんがこの曲が作られた由来を話してますね。

この曲は恋愛の曲と思われがちですが、実は大好きだったおじいちゃんへの哀悼の歌なのです。

今はおじいちゃん、おばあちゃんと暮らす子供は少ないでしょう。

こじまさんは同居していたか、ご近所だったのか……。

きっと会いたいときに会いに行ける距離におじいちゃんがいてくれたんでしょうね。

普段は2人ともキーボードを弾きながら歌っています。

でもこのときはこじまさんがピアノでおのさんは着席されていますね。

クラシックの伴奏者との共演に、2人の衣裳もドレスアップしているように感じます。

こじまさんは澄んだ柔らかな歌声で、聞いてすぐに「綺麗な声だな~」と思いますよね。

おのさんの声は少しざらつきがありますが、感情表現が豊かでこの歌に深みを出しています。

おのさんの声だからこそ「大切な人との別れ」に無力だった主人公の悔しさが表現されていると思いました。

そんな2人の声が重なることで心地よくて不思議な響きが生まれます。

では次は歌詞の世界を見ていきましょう。

ずっと大好きな、あなたへ……

突然の別れ

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さよなら 大好きな人
さよなら 大好きな人
まだ 大好きな人

出典: さよなら大好きな人/作詞:こじまいづみ 作曲:こじまいづみ

「だいすきなひとがしにました。

いつもやさしくわらってくれていたのに。

たくさんはげましてくれたのに。

まだこんなに、だいすきなのに」

最初は何が起こったかまだ整理できていない主人公が描かれています。

大切な人が亡くなり、最初に対面するときって頭が真っ白になってしまいますよね。

安らかで、まるで眠っているよう……。

それだけに悲しみも溢れてしまいます。

想いはすぐには消えないもの

大好きだったおじいちゃんへの想いがたった3行の歌詞から溢れてくるようです。

人を心から好きと思えたら、その想いは簡単には消えません。

失って何年経っても、大好きという気持ちが色褪せることはないのでしょう。

ずっと側にいて欲しい、まだいかないで欲しい、そんな言葉が聞こえてきそうです。

言葉でさよならといいつつも、心は別れを告げてはいません。

まだ「悲しい」から抜け出せない……

笑顔になれない

くやしいよ とても
悲しいよ とても
もう かえってこない
それでも私の 大好きな人

何もかも忘れられない
何もかも捨てきれない
こんな自分がみじめで
弱くてかわいそうで大きらい

出典: さよなら大好きな人/作詞:こじまいづみ 作曲:こじまいづみ