もっと聞きたいことがあった。一緒に行きたいところもあった。

「今度ね」って約束したよね。それって、いつのこと?

ねえ、教えて。「今度」はどこにあるの。

あなたのこと、何ひとつ忘れてないのに。今も目を閉じると笑ってる顔が見えるよ。

おかしいね。どうして目を閉じないとあなたに会えないんだろう。

ああ、あなたのことを考えるとやっぱり涙が出てしまう。

忘れた振りして、なかった振りして、明日から笑って過ごさないといけないのかな。

あなたは私に「笑って笑って。その顔が一番好きだよ」そう言ってくれたのに。

でもまだダメだ。ごめん、ごめんなさい。

こんな弱い私のこと、あなたは嫌いになっちゃうかな。

素直な気持ち

ここでは、おじいちゃんが死んでしまったことを悔やんでいます。

病気だったのか衰弱だったのか……。

おじいちゃんを奪った「死」に対して、怒りすら感じたことでしょう。

人は「死」から逃れることは出来ません。

どうにか救いたいと思っても願いが届かず、悲しみだけが残ります。

もしかしたら、おじいちゃんに伝えたい想いが沢山あったのかもしれません。

大好きという言葉を、もっともっと伝えておけばよかったと悔やんでいるのでしょう。

大好きなおじいちゃんは、もう自分の前に戻ってきてくれないのです。

例えもう二度と会うことが出来なくても、大好きな気持ちは生き続けます。

想い出は捨てることが出来ない

大好きな人と過ごした場所、一緒に歩いた場所はいつまでも心に残るものです。

いつも座っていた場所に、おじいちゃんが今も座っているような感覚さえするでしょう。

思い出すのはきっと笑顔ではないでしょうか。

そして、おじいちゃんとの思い出の品は何も捨てることが出来ないのです。

全てが大切で、全て失いたくないのでしょう。

笑顔を見せたいのに泣くことしか出来ない、そんな自分が嫌なのでしょう。

最後は笑顔でお別れを

見守って欲しい

泣かないよ 今は
泣かないで 今は
心 はなれていく
それでも私の 大好きな人

最後だと言いきかせて
最後まで言いきかせて
涙よ 止まれ
さいごに笑顔を
覚えておくため

さよなら 大好きな人
さよなら 大好きな人
ずっと 大好きな人

ずっとずっと 大好きな人
ずっとずっとずっと 大好きな人

出典: さよなら大好きな人/作詞:こじまいづみ 作曲:こじまいづみ

今日で会えるのは最後なんだって。こうして顔を見るのはこれで最後。

だから、泣かないね。今だけは我慢するよ。

だってあなたはきっと、どこか近くで私を見ているんでしょう?

どんどんあなたが遠くなるね。それでも大好きだよ。

最後なんだから、泣いちゃいけない。

最後だからあなたに笑った顔を見てほしい。

だってあなたも少し笑っているみたいな顔で眠っているから。

さよなら。大好き。ずっと。

本当に本当にずっと大好きだから。

これからも私のこと……、見守っていてね。

いつかは想いも軽くなる

自分にとってどれだけ大切な人でも、月日が経ては悲しみは薄くなります。

これまでずっと一緒だった気持ちに少し距離が出来るかもしれません。

それでも「大好きな人」であることに変わりはないのです。

二人はきっと、お互いの笑っている顔が好きだったのでしょう。

最後まで笑顔を向けたい、そしておじいちゃんの笑顔を忘れたくないはずです。

だからこそ、最後は涙を止めて笑顔で見送りたいのではないでしょうか。

好きなのに離れてしまった背景

心の自然な形

心 はなれていく

出典: さよなら大好きな人/作詞:こじまいづみ 作曲:こじまいづみ

上記の歌詞のようには、なぜ心は離れてしまうのでしょう。

この歌で歌われているおじいちゃんは、こじまさんが16歳の時に亡くなっています。

時が経って、自分の心に少し距離が出来たことを感じたのではないでしょうか。

人は強い悲しみから身を守るために、忘却という力を持っています。

おじいちゃんの側にいたいと願う気持ちが薄らいだのかもしれません。

更に考察すると、おじいちゃんの心が離れていくことかもしれませんね。

いつも自分を可愛がってくれたおじいちゃん、死んでしまったことで心が離れていくと感じたのでしょう。

決して嫌いになった訳ではなく、想いが消えたわけではありません。

ごく自然な心の動きに寂しさも感じます。

別れは必ずやって来る

悲しいことですが、「別れ」を経験しない人はいません。

生きていて人と関わっていると何かしらの「別れ」はやってきます。

「死別」「ケンカ別れ」「自然消滅」……。

種類はいろいろあるでしょうが、一時期を過ごした人と会えなくなるのはやっぱり寂しいですね。

だからこそ、「あなたと会える今」を大切にしたい。この曲はそんな風に思わせてくれます。

とことん憎むのも愛情のひとつかもしれませんが、そうなると「執着」に変わってしまいそう。

「執着」は割と自分本位になりやすいので思い込みすぎないよう気をつけたいものです。

別れは必ず来るものとして、ある程度悲しんだら浮上するよう心がけましょう。

相手を思い出すときは笑顔を思い浮かべたいし、相手にも同じであってほしい……。

「さよなら大好きな人」はそんな優しい気持ちにさせてくれる楽曲です。