夏っぽくない爽やかチューン「夏の夢」
「夏の夢/WALK」は2018年8月8日にリリースされたビッケブランカの両A面セカンドシングルです。
今回は表題曲の1つ「夏の夢」に焦点を当てていこうと思います。
リリース日の2018年8月8日は夏を連想させる“8”という数字がずらっと並んだ日。
その日にリリースされたサマーチューン……のはずですが、あまり夏らしさが感じられません。
爽やかではあるのですが、暑い夏というよりもおしゃれで涼しい雰囲気が漂っています。
というのも、ビッケブランカは夏が苦手。
本人が夏に思い出がないといっているくらいなので、夏にノリきれていないのかもしれません。
そんな夏嫌いのビッケが作ったサマーソングは一体どういったものなのか、詳しく見ていきましょう。
MVはこちら
メロウでピアノの旋律が美しい曲ですね。
MVには夏の要素がたくさん取り上げられているし、夏にまつわる言葉も聞こえてきます。
しかし音楽に夏嫌いがにじみ出ているというか、イマイチ夏っぽくない感じを受けます。
夏っぽくはないけれど、とても心地の良い涼やかなサウンドが響き渡る素晴らしい楽曲だと思います。
実はこの曲、ひょんなことから夏の曲を書くことに決まった曲。
夏が苦手なのにどうやって作ろうか模索していたということ。
結局は苦手な夏をそのまま表現してみることにしたそうです。
よく分からない夏を無理矢理それらしく歌うのではなく、ありのままに表現しているところに魅力を感じます。
細かい設定に注目
この曲の主人公は、ハイカットスニーカーを履いている設定。
海辺でパラソルの下にこもりっきり。
海には絶対に入りたくないという気持ちが紐をキュッと結んだハイカットスニーカーで表されているということです。
そしてパラソルに女の子が入ってきて、ハイカットスニーカーを褒めるという設定。
ビッケブランカが夏にこんなことがあったらいいなと思って考えたシチュエーションだということです。
ハイカットスニーカーを褒めるということは、海に入らない自分をも肯定してくれた気分で喜びもひとしおでしょうね。
ビッケが曲に関して細かい設定を考えたのは、そうでもしないと全く夏に関して書ける気がしなかったからかもしれません。
ロマンティックな歌詞の意味を解釈
それではビッケブランカが細かい設定を考えながら書いた歌詞を見ていきましょう。
ロマンティックな涼しい夏の日を思い描くことができますよ。
得体の知れない夏について綴る
夏なんて知らない
後悔なんて来ない
いっそこのまま波になって
play, summer time Summer time
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
いきなり「夏なんて知らない」という歌詞に驚かされます。
ビッケが夏が苦手ということから考えると納得できますが、知らない人がみたら驚く歌詞でしょう。
素直に夏なんてよく分からないという感情を表現しています。
海に入って思いっきり遊ぶ子供たちは、夏が大好き。
しかしこの曲の主人公は一歩引いたところから波をながめているようです。
海に来ても、波を遠目から見ている主人公の姿が想像できます。
なんとなくノリきれない感じですね。
そしてこの歌詞の後に入るピアノ演奏もとても涼やかで、美しく響きます。
主人公の夏への視点
黄色い傘の下から
はしゃぐ仲間を眺めながら
引いた目線は海に立っていちゃ
決して視えない夏を視ていた
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
傘とはパラソルのことだと考えられます。
海で楽しく遊ぶ人は夏を満喫しているのでしょう。
きっと熱い太陽、はじける水しぶき、水着から除く日焼けの跡などを見ているはずです。
そして暑い日に海辺で遊んだ楽しい思い出は一生消えることがないものです。
しかし遠目からそれをながめている主人公は、全く違った景色を見ているのかもしれません。
夏に他の人が見えない景色を見ることも、また一味違う楽しみかもしれないと感じさせてくれます。